小泉進次郎復興政務官は、だれも中止しろと言っていない「アベノミクス」が解散の大義名分にされ戸惑う

2014年11月24日 07時07分24秒 | 政治
◆大東亜戦争(日中戦争、太平洋戦争などの複合的戦争)後に、衆院解散に首相の名前を用いて命名されたのは、「田中判決解散」(1983年11月28日、12月18日投開票)と「アベノミクス解散」(2014年11月21日解散、12月14日投開票)の2回だという。「田中判決解散」は、東京地裁が1983年10月12日、ロッキード裁判の田中角栄被告に懲役4年・追徴金5億円の実刑判決を下したのを受けて、田中角栄元首相を後ろ盾にしていた中曽根康弘首相が野党から政治姿勢を追及されたため、衆院解散を断行した。今回は、安倍晋三首相が、消費税増税(2015年10月1日から税率8%→10%へアップ)の1年半延期を衆院解散の大義名分にしようと試みたのに対して、民主党はじめ野党各党が賛成したことから失敗した。そこで苦し紛れにだれも中止を求めていない「アベノミクス政策」続行の是非を大義名分に仕立て、「アベノミクス解散」と命名したのである。
◆このため、自民党内では、「アベノミクス解散」に納得していない者が少なくない。11月21日の衆院本会議場で、伊吹文明衆院議長が解散詔書を読み終えると、議場では「恒例」の「天皇陛下バンザーイ」の意味を込めている「バンザーイ」の声が上がった際、何人かの議員が万歳をしなかったなかに、小泉進次郎復興政務官も含まれていた。
 小泉進次郎復興政務官は、記者団に対して、「国民は、なぜ今解散なのか分からない。万歳することで、余計に国民との距離が遠ざかるのではないか」と理由を明かしたという。
 11月21日付けのフェイスブックで、小泉進次郎復興政務官は、次のようなメッセージを発信している。
「衆議院が解散されました。有権者の皆さんの声や思いが詰まった議員バッジを外し、改めて有権者の皆さんの負託を受ける責任の重さを実感しています。政治家としての私の原点は、自民党が大敗し民主党が大勝した2009年の初めての選挙です。その時の自民党に対する逆風と世襲批判の厳しさを忘れることはありません。だからこそ、そんな状況でも支えて下さった有権者の皆さんの気持ちに応えたいという一心で、国政に全力であたってきました。この選挙は私にとって3度目の挑戦です。初めて与党の立場で挑む選挙です。原点を、初心を忘れず、皆さんの声を力に、12月14日まで全力で戦い抜きます」
◆総選挙にかかる国費は、700億円と言われている。これだけの巨費を費やしてで総選挙を断行する必要性が定かでなく、自民党議員まで「この時期に解散総選挙を行う理由」が分からない」という思いが強いのであるから、地方自治体の首長が分かろうはずがない。
 埼玉新聞が11月22日付け朝刊「1面」で「衆院解散 総選挙へ」「『安倍政治』に審判」という記事を掲載、このなかで、「『無責任』『はた迷惑』『景気評価』県内市町が命名」という柱を立てて、次のように伝えている。
 「衆院が21日解散され、総選挙が事実上スタートした。降って湧いたような解散を県内の市長はどうみたか。独自のセンスで命名してもらった。(衆院選取材班)
 『突然で驚いている』という熊谷市の富岡清市長は『必要なのか解散』と表現。『総理の言うような国民の信を問うことが必要な政策課題もあるが、消費増税の先送りうんぬんは国会議員が十分議論してもらえばよいのではないか』と指摘し、安倍首相の判断に疑問符を投げ掛けた。『はた迷惑解散』と言うのは川越市の川合善明市長。『まず準備期間が短か過ぎる。それに地方自治体の12月議会にかかる時期にやられるのは困る』とした上で、
『アベノミクスの効果がパッとしない中、野党が準備していない時期に解散し、自民党の落ち込みを最低限に抑えるのが理由なら、党利党略だとも言える』と切り捨てた。
 越谷市の高橋努市長の命名は『無責任解散』。その理由は『消費税増税を延期するから解散とは無責任だ。信を問う中身がないから解散しても景気回復にはならない』
。12月議会の時期に重なるのもやはり困りもの。『なぜ年末にやらないといけないのか。そこまでやらないといけない政治状況なんですか』と憤る。
 蕨市の頼高英雄市長は『行き詰まり解散』と辛口だ。アベノミクスには景気回復の実感が伴わない。『国民にとっていいことはないのではないか、という感じが出てきた。集団的自衛権や原発再稼働の問題も時間がたてばたつほど行き詰まっていく。政権運営を続けるほど不人気になり、支持率も落ちる。だったら早いうちに解散を、ということではないか』
と分析した。
 春日部市の石川良三市長は『安倍のアップ解散』と名付けた。『景気アップ、消費税アップ、国民の信頼度アップ。国の将来を考えた積極的な解散であり、アベノミクスの推進を国民に問い、安倍政権の長期化、安定した政権の確立を図るもの』と話す。
 川口市の奥ノ木信夫市長は「仕切り直し・再出発で信を問う選挙」として、次のように語った。『日銀の金融緩和は金融界にとって大変思い切った政策だった。来秋の消費税増税への大胆な政策にもかかわらず景気は低迷し、成長戦略も思うようにいかない結果になった。こういう現状を踏まえて仕切り直し、リスタートするということで国民の支持を求める選挙だと思う』さいたま市の清水勇人市長は『景気評価解散』。来春卒業予定の大卒求人倍率が大幅に上昇するなど経済政策は着実に進んでいるとの見方の一方で、国内総生産(GDP)がマイナス成長となり、経済政策は失敗したとの見方もある。そのため『安倍政権の景気対策をどのように評価するかが争点』という。地方の立場で地方創生の問題を忘れるわけにはいかない。
 今回を『置いてけぼり解散』と名付けた深谷市の小島進市長は『地方創生関連2法は成立したが、具体的にどんな政策領域を対象とし、地方の参画がどの程度保障されているかは必ずしも明確でない。議論を高めていく最中での解散。地方は今、置いておかれている』と話した」
 このように安倍晋三首相は、新聞紙上で散々な目に遭っている。それは、安倍晋三首相が、心の底に秘めている「なぜ衆院を解散しなければならないのか」の本当の理由を隠しているからである。小泉純一郎元首相の二男である小泉進次郎復興政務官すら明かされていない。

本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
安倍晋三首相が解散し、総選挙に突入した真の目的は、一説には「公明党切りだ」という話がある

◆〔特別情報①〕
 今回、安倍晋三首相が解散し、総選挙に突入した真の目的は、一体何なのか。一説には、「公明党切りだ」という話がある。公明党は、自民党候補者にプラスになる支持母体である創価学会票を武器に自民党と連立してきた。だが、野党分裂により「僅差」を争う必要がなくなったうえに、安倍晋三首相が踏み切った集団的自衛権行使容認に公明党が支持に回ったことで、婦人部が公明党離れを加速化させ、自民党にとってプラスにならなくなってきたため、「切り捨て」られる。これは、総選挙の自公連立解消を意味しており、この自民党の戦略大転換の背後に小沢一郎代表の影がチラついているという。

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