◆大東亜戦争(日中戦争、太平洋戦争などの複合的戦争)後に、衆院解散に首相の名前を用いて命名されたのは、「田中判決解散」(1983年11月28日、12月18日投開票)と「アベノミクス解散」(2014年11月21日解散、12月14日投開票)の2回だという。「田中判決解散」は、東京地裁が1983年10月12日、ロッキード裁判の田中角栄被告に懲役4年・追徴金5億円の実刑判決を下したのを受けて、田中角栄元首相を後ろ盾にしていた中曽根康弘首相が野党から政治姿勢を追及されたため、衆院解散を断行した。今回は、安倍晋三首相が、消費税増税(2015年10月1日から税率8%→10%へアップ)の1年半延期を衆院解散の大義名分にしようと試みたのに対して、民主党はじめ野党各党が賛成したことから失敗した。そこで苦し紛れにだれも中止を求めていない「アベノミクス政策」続行の是非を大義名分に仕立て、「アベノミクス解散」と命名したのである。
◆このため、自民党内では、「アベノミクス解散」に納得していない者が少なくない。11月21日の衆院本会議場で、伊吹文明衆院議長が解散詔書を読み終えると、議場では「恒例」の「天皇陛下バンザーイ」の意味を込めている「バンザーイ」の声が上がった際、何人かの議員が万歳をしなかったなかに、小泉進次郎復興政務官も含まれていた。
小泉進次郎復興政務官は、記者団に対して、「国民は、なぜ今解散なのか分からない。万歳することで、余計に国民との距離が遠ざかるのではないか」と理由を明かしたという。
11月21日付けのフェイスブックで、小泉進次郎復興政務官は、次のようなメッセージを発信している。
「衆議院が解散されました。有権者の皆さんの声や思いが詰まった議員バッジを外し、改めて有権者の皆さんの負託を受ける責任の重さを実感しています。政治家としての私の原点は、自民党が大敗し民主党が大勝した2009年の初めての選挙です。その時の自民党に対する逆風と世襲批判の厳しさを忘れることはありません。だからこそ、そんな状況でも支えて下さった有権者の皆さんの気持ちに応えたいという一心で、国政に全力であたってきました。この選挙は私にとって3度目の挑戦です。初めて与党の立場で挑む選挙です。原点を、初心を忘れず、皆さんの声を力に、12月14日まで全力で戦い抜きます」
◆総選挙にかかる国費は、700億円と言われている。これだけの巨費を費やしてで総選挙を断行する必要性が定かでなく、自民党議員まで「この時期に解散総選挙を行う理由」が分からない」という思いが強いのであるから、地方自治体の首長が分かろうはずがない。
埼玉新聞が11月22日付け朝刊「1面」で「衆院解散 総選挙へ」「『安倍政治』に審判」という記事を掲載、このなかで、「『無責任』『はた迷惑』『景気評価』県内市町が命名」という柱を立てて、次のように伝えている。
「衆院が21日解散され、総選挙が事実上スタートした。降って湧いたような解散を県内の市長はどうみたか。独自のセンスで命名してもらった。(衆院選取材班)
『突然で驚いている』という熊谷市の富岡清市長は『必要なのか解散』と表現。『総理の言うような国民の信を問うことが必要な政策課題もあるが、消費増税の先送りうんぬんは国会議員が十分議論してもらえばよいのではないか』と指摘し、安倍首相の判断に疑問符を投げ掛けた。『はた迷惑解散』と言うのは川越市の川合善明市長。『まず準備期間が短か過ぎる。それに地方自治体の12月議会にかかる時期にやられるのは困る』とした上で、
『アベノミクスの効果がパッとしない中、野党が準備していない時期に解散し、自民党の落ち込みを最低限に抑えるのが理由なら、党利党略だとも言える』と切り捨てた。
越谷市の高橋努市長の命名は『無責任解散』。その理由は『消費税増税を延期するから解散とは無責任だ。信を問う中身がないから解散しても景気回復にはならない』
。12月議会の時期に重なるのもやはり困りもの。『なぜ年末にやらないといけないのか。そこまでやらないといけない政治状況なんですか』と憤る。
蕨市の頼高英雄市長は『行き詰まり解散』と辛口だ。アベノミクスには景気回復の実感が伴わない。『国民にとっていいことはないのではないか、という感じが出てきた。集団的自衛権や原発再稼働の問題も時間がたてばたつほど行き詰まっていく。政権運営を続けるほど不人気になり、支持率も落ちる。だったら早いうちに解散を、ということではないか』
と分析した。
春日部市の石川良三市長は『安倍のアップ解散』と名付けた。『景気アップ、消費税アップ、国民の信頼度アップ。国の将来を考えた積極的な解散であり、アベノミクスの推進を国民に問い、安倍政権の長期化、安定した政権の確立を図るもの』と話す。
川口市の奥ノ木信夫市長は「仕切り直し・再出発で信を問う選挙」として、次のように語った。『日銀の金融緩和は金融界にとって大変思い切った政策だった。来秋の消費税増税への大胆な政策にもかかわらず景気は低迷し、成長戦略も思うようにいかない結果になった。こういう現状を踏まえて仕切り直し、リスタートするということで国民の支持を求める選挙だと思う』さいたま市の清水勇人市長は『景気評価解散』。来春卒業予定の大卒求人倍率が大幅に上昇するなど経済政策は着実に進んでいるとの見方の一方で、国内総生産(GDP)がマイナス成長となり、経済政策は失敗したとの見方もある。そのため『安倍政権の景気対策をどのように評価するかが争点』という。地方の立場で地方創生の問題を忘れるわけにはいかない。
今回を『置いてけぼり解散』と名付けた深谷市の小島進市長は『地方創生関連2法は成立したが、具体的にどんな政策領域を対象とし、地方の参画がどの程度保障されているかは必ずしも明確でない。議論を高めていく最中での解散。地方は今、置いておかれている』と話した」
このように安倍晋三首相は、新聞紙上で散々な目に遭っている。それは、安倍晋三首相が、心の底に秘めている「なぜ衆院を解散しなければならないのか」の本当の理由を隠しているからである。小泉純一郎元首相の二男である小泉進次郎復興政務官すら明かされていない。
本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
安倍晋三首相が解散し、総選挙に突入した真の目的は、一説には「公明党切りだ」という話がある
◆〔特別情報①〕
今回、安倍晋三首相が解散し、総選挙に突入した真の目的は、一体何なのか。一説には、「公明党切りだ」という話がある。公明党は、自民党候補者にプラスになる支持母体である創価学会票を武器に自民党と連立してきた。だが、野党分裂により「僅差」を争う必要がなくなったうえに、安倍晋三首相が踏み切った集団的自衛権行使容認に公明党が支持に回ったことで、婦人部が公明党離れを加速化させ、自民党にとってプラスにならなくなってきたため、「切り捨て」られる。これは、総選挙の自公連立解消を意味しており、この自民党の戦略大転換の背後に小沢一郎代表の影がチラついているという。
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第36回 板垣英憲「情報局」勉強会のご案内
平成26年12月7日 (日)
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中国4分割と韓国消滅
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【板垣英憲(いたがきえいけん)ワールド著作集】
『スラスラ書ける作文・小論文』(1996年4月20日刊)
目次
第6章 思想と哲学を磨く
6 私の解決策と意見はコモンセンスで
背景、問題点と結びつけられていない自分の考え方で書くのは、よくない。受験者の大半が現実を踏まえずに、夢のような解決策を書いたり、せっかく書いた背景を無視して、自分の考え方を書いてしまっては減点ものである。首尾一貫しない文章となるからである。
つづきはこちら→「板垣英憲(いたがきえいけん)ワールド著作」*有料サイト(申し込み日から月額1000円)
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※ご購読期間中は、以下過去の掲載本全てがお読み頂けます。
『目を覚ませ!財界人』(1995年9月25日刊)
『東京地検特捜部』鬼検事たちの秋霜烈日(1998年4月5日刊)
『誠』の経営学~『新撰組』の精神と行動の美学をビジネスに生かす
『忠臣蔵』が語る組織の勝つ成果Q&A
『風林火山』兵法に学ぶ経営学~人は石垣、人は城
『未来への挑戦「坂本龍馬」に学ぶ経営学』
『人生の達人~心に残る名言・遺訓・格言』(2000年6月11日刊)
『細川家の大陰謀~六百年かけた天下盗りの遺伝子』1994年1月5日刊(2000年6月11日刊)
『大富豪に学ぶ商売繁盛20の教訓―商機をつかむ知恵と決断』(2010年1月20日)
『内務省が復活する日』(1995年10月25日刊)
『情報流出のカラクリと管理術』(2003年3月10日刊)
『利権はこうしてつくられる』(1991年3月25日刊)
「『族』の研究~政・官・財を牛耳る政界実力者集団の群像」(1987年3月9日刊)
『愛する者へ遺した最期のことば』(1995年6月10日刊)
『自民党選挙の秘密』(1987年12月15日刊)
『小中学校の教科書が教えない 日の丸君が代の歴史』(1999年7月8日刊)
『大蔵・日銀と闇将軍~疑惑の全貌を暴く』(1995年5月26日刊)
『小泉純一郎 恐れず ひるまず とらわれず』(2001年6月15日刊 板垣英憲著)
『戦国自民党50年史-権力闘争史』(2005年12月刊 板垣英憲著)
『小沢一郎 七人の敵』(1996年2月6日)
『小沢一郎の時代』(1996年2月6日刊 同文書院刊)
『小沢一郎総理大臣』(2007年11月10日)
『小沢一郎総理大臣待望論』(1994年11月1日)
『ロックフェラーに翻弄される日本』(20074年11月20日)
『ブッシュの陰謀~対テロ戦争・知られざるシナリオ』2002年2月5日刊
『民主党派閥闘争史-民主党の行方』(2008年9月16日)
『民主党政変 政界大再編』(2010年5月6日)
『国際金融資本の罠に嵌った日本』(1999年6月25日刊)
『政治家の交渉術』2006年5月刊
『カルロス・ゴーンの言葉』(2006年11月刊)
「孫の二乗の法則~ソフトバンク孫正義の成功哲学」(2007年7月刊)
板垣英憲マスコミ事務所
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『アベノミクスの効果がパッとしない中、野党が準備していない時期に解散し、自民党の落ち込みを最低限に抑えるのが理由なら、党利党略だとも言える』と切り捨てた。
越谷市の高橋努市長の命名は『無責任解散』。その理由は『消費税増税を延期するから解散とは無責任だ。信を問う中身がないから解散しても景気回復にはならない』
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目次
第6章 思想と哲学を磨く
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