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塩について

2005-09-23 10:23:01 | 出版記事
昨日しその実の塩漬けについて書きました.その時使った塩についても書きました.それで塩について補足です.

マクロビオティックの勉強では、人間の基本的な味として穀物の甘みというものを習いますが、それ以前の生命にとって最も基本的、と言うより不可欠のものは塩です.塩は生命の必要条件なのです.なぜかといえば、その塩の環境に私達の先祖の生命が誕生したからです.だから今でもそれなしに生命は存続できません.このことがわかってみれば塩とはどういうものか、どういう塩でなければ生命の健康を保てないかわかってきますよね.
私達にとって塩は最大限の代価を払ってよいものの一つです.後もう一つ、それは水です.この二つの自然の恵み、これが私達の命の親であり、環境です.これがあったればこそ私達は此処にいます.太陽系という大枠の中で地球が塩と水の星になったので私達は人間になりました.何と有難い事でしょう.

塩とお水はたとえ代価を払って買ったとしても、自分のものではありません.自分の命と同じで、自分のもののようだけど、自分のものではないのです.自分のものなら、命をいつまでも永らえることが出来るはずです.でも望むと望まざるとに関わらず、生まれてきたものは死にます.でも命を安く見積もる人はいませんよね.その命を生かすものは、命の環境です.環境は命に必要なもの全てを含みます.親の愛も食べるものも、自分に取り入れるものは全て環境です.本当を言うと前にも言ったように自分のものは何一つ無いのです.私達は環境保護などと偉そうに言っていますが、私たちこそが環境に保護されています.自分より大切にしなくてはいけないのです.だから、わがままを少し我慢し節約して、環境や塩や水に手間とお金とをかけねばなりません.汚すことも厳しく慎まなければなりません.

お金という勝手な代価の代用品を作ったばかりに人間は大切な物とそうでない物との区別をはっきりと意識しなくなりました.命と地球の関係も見失いました.命は地球の塩の一粒なのに、命は地球よりも重いなどと傲慢なことを言うようになりました.もう一度塩と水、ひいては地球の環境のことを考え直しましょう.私達は悔い改めねばなりません.

命に必要な塩と、工業塩の残りの安く市販されている精製塩は同じものではありません.命をはぐくむものは全部自然界で生物の命をはぐくんできたものです.工業的に生産された、特に純度の高いものは皆毒です.それでマクロビオティックでは精製された物を排除するのです.余談ですが毒と薬は本来同じものです.お薬はごく微量だからお薬になります.微量でもあれだけの作用をするのです.だから毒をもって毒を制することが出来るのです.

良いお塩を使ってください.命に良いお塩を、ご自分の嗅覚で探し当てて使ってください.そして日本人が環境と共同して作り出したお塩の兄弟分、味噌と醤油についても同じく大切にしていきましょう.
コメント (1)
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