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マクロビオティックインスピレーション・随想古事記・日本語と歴史・バベルの塔・日々雑感

マクロビオティックと食

2006-09-25 22:23:38 | マクロビオティック
マクロビオティックというと、穀物菜食という風に理解しておられる方もあるかもしれません.ですが穀物菜食はマクロビオティックの目的ではありません.マクロビオティックは人間のあるべき姿を求める方法です.そして地球上に住む人間の最も基本的な方法として穀物菜食があります.穀物菜食は、マクロビオティックを取り入れた人間が、最初に選ぶ一つの方法です.

そもそも食というものが一体何なのか、誰でも考えたことがおありでしょう.私どものマクロビオティック教室の大きなテーマにもなっており、食行動が一体どういう風にして発現したのか、どういう意味を持っているのか、生徒さんと考えながら講義を進めていきます.これは久司先生ではありませんが、宇宙の秘密の鍵の地上版です.

私達の食はシステムの取り入れです.私達は植物を食べることで、植物の作っているシステムを丸ごと食べていることになります.植物は地球からミネラルと水分を吸って太陽光と炭酸ガスとを捕食してエネルギーを自ら製造している生命システムです.地球はミネラルと水の生命前段階システムです.動物はエネルギー製造システムをもたないために植物を捕食しなければ生きていけない生命システムです.まあ何というべきか、植物の傍系とでもいうべきものです.植物にも動物にもそれぞれ動物を捕食している亜種もいます.それはさて置いて地球上の生命の殆んどは植物も動物も酸素を吸って炭酸ガスを吐く呼吸をしています.呼吸をしない生命は存在しません.この呼吸がエネルギーシステムの同一性の証です.私達は皆植物の作ったでんぷんをエネルギーの素として呼吸によって燃焼させて暮らしているのです.

それがわかってみれば、私達の食生活を一体どういう風に整えるべきか分かってきます.例えばマクロビオティックで、電熱器を避けてせめてガスにというのは、私達の取り入れるべき燃焼システムが酸素による燃焼だからです.熱による変性は、私達の知らないシステムです.これを続けていくならば、私達は古代の硫酸ガスの高熱の下で暮らした生命が、この大気圏の中に暮らすようになったほどの進化の洗礼を受けなくてはなりません.これは並大抵の困難ではないだろうと思われますし、自分の意志では出来ない相談です.なぜかといえば、私達はそんな体のシステムを持ってはいないのですから.電気の恩恵を受けずには暮らしていけない高度文明社会を作り上げましたが、人間の最も原始的な基盤の上に私達は暮らしていることを忘れないで、社会を築いていきたいものだと思います.
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彼岸花

2006-09-18 15:58:00 | Weblog
我が家の庭にも白い彼岸花が咲きました.嗚呼彼岸花が咲いたなあ と久方の記事を書こうかと思っているうちに、外出続きで東京での久司先生のセミナーなどとあれこれ忙しく暮らしていると木犀のかすかな香りも流れ出しました.

やっと帰宅して教室の準備をしていると台風の不穏な気配に遠くから参加してくださる方の心配をしていましたが、土曜日には案の定何人かの方はお出かけが出来ませんでした.それでも迂回してきてくださった方にはありがたいやらお帰りが気になるやら、無事に帰り着かれたのだろうとほっとしています.

台風は10余年ぶりに佐世保に上陸、我が家もひどい風に見舞われちょっとした被害に遭いました.皆様のお宅はいかがだったでしょうか?最近言われていることですが、台風が海水温の上昇によって規模も進路も被害の大きさも変わりつつあります.私達は自然の営みの前にどうすることも出来ません.それでも温暖化という地球全体の問題に対して個人的な小さい心掛けを皆で積み上げることは出来ます.マクロビオティックを自分の生活基盤に据えるということが、どんなにか他人様のお役にも立っているということはありがたいことだと思います.
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親王様のお誕生

2006-09-06 09:23:36 | Weblog
日本国民にとって今日は朝から佳日となりました.万歳!万歳!です.我が国の伝統の保持に誰もが納得しやすい形で道筋が繋がったのですから.歴史を辿れば、どうしたらよいのか分かっています.だけれども現代の国民性を考えれば決着をつけるのことに相当の困難も考えられます.波風の立たない方法で日嗣の道が繋がったことを心からありがたく思います.

そういう意味で皇后陛下をはじめ、皇太子妃殿下、秋篠宮妃殿下のご心労はいかばかりかと思います.畏れながら敢えて明言すれば、お三方は私たち日本女性の代表でいらっしゃいます.最も大きな名誉をお引き受けになった代わりに、最も大きな犠牲をもお引き受けになったのだと思います.私たち日本女性は後ろからお支えしなくてはならないと思います.皇太子妃殿下におかれましても、今後は心置きなくご自分の勤めを果たしていかれるだろうと思います.出来うればもうお一方親王様がお生まれになることを願ってやみません.我が国の皆様、お互いにおめでとうございます.
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秋の声

2006-09-03 13:39:17 | Weblog
秋の声が聞こえる頃となりました.先月から我が家の中には小さなウマオイとコオロギが入り込んで壁にとまっていましたが、夜になると家の内外では大合唱が始まります.蝉も最後とばかりに命の声を張り上げています.風も秋を告げていますし、空の色も雲も、地上では稲穂もススキもそよいでいます.秋になりました!!地上の環境は密やかに大回転を開始して、もう秋の色を見せ始めました.蝉はいつまで鳴くのでしょうか?虫は何を合図に鳴き始め鳴き終るのでしょうか?私達人間の発表の声は何なのでしょうか.

蝉は7年間の地中生活の後、7日間の地上での生活を飲まず食わずで(?)生物の掟の世代継承のためだけに捧げ尽くすそうです.何というけなげな(?)姿でしょうか.と思うのは人間だけのこと.人間は生命の掟のほかにやりたいことという社会活動に意味を見出していますから、野生の動物が種の掟に従って子供を産み育てて生命を終えるという姿に感動はしても自分がやろうとは思わない矛盾の中に生きています.そして生命の姿に自分の感情を投影してけなげと感動するのです.それはともかくも生き物達は何によって時を知るのでしょうか.

マクロビオティックによれば食以外の何物でもありません.食は変化の法則なのですから.蝉の幼虫も食べ物の変化によって羽化する時を知り、蝉になっての七日間は多分熱のようなものを食べているのだろうし、秋の虫も同じ様に環境の変化を食べて成虫になるのでしょう.それならば植物や地表の泥は何によって変わるのでしょうか?太陽の熱による温度の変化と水分の変化でしょうか.何かを取り入れて何かのスイッチとなる.それが秋の景色を生み出しています.なれば私達人間も変化した植物を取り入れて変わらなければなリません.私達も秋になりましょう.もう少しずつ秋になりかかっているはずです.季節に合わせて変化していきましょう.でも「あの人秋ねえ」ってどんなものでしょうね?

確かに夏の色がしっくり来なくなって衣類の色が変わってきますよね.その点昔の日本人は社会を挙げて季節の色を変える事に決めていましたよね.社会の食べ物が今ほど無秩序ではなくて、誰もが納得できる季節の感覚で暮らしていたのでしょうか.青菜も季節を問わず食べるのではなくて、今頃なら大根などの冬野菜の間引き菜だったのでしょうか.マクロビオティックの中でも考えてみる必要がありそうです.季節の気配を感じるためにはどうしたらよいのか.便利さによって失われた感覚の復活を願うのであれば、食を変えるしかないのは既知のことです.身土不二の意味をいつも考えさせられます.

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