inspiration-macrobiotique・随想古事記

マクロビオティックインスピレーション・随想古事記・日本語と歴史・バベルの塔・日々雑感

生月の浜幸彦

2012-04-30 19:06:32 | Weblog
高松滞在二日目の夜、つまり金毘羅様の石段にノックダウンされた日、松見先生のご自宅で夕食をご一緒しました。私が瀬戸内の幸をお料理してご主人先生に食べていただこうかと・・・・・・そういう心づもりだったのですが、何しろノックダウンです。疲労困憊して(?)、石段下の有名な(らしい・・・・そこの小母さんの口上です)おうどん屋さんの『ワカメうどん』も喉を通りませんでしたし・・・・・。高松までの道中、車の中でうとうと眠らせて頂いてやっと生気がよみがえりましたが、お買い物は松見先生にお願いしてしまいました。それでもその日は生きている明石の(?・・・少なくとも瀬戸内海の)天然鯛とアワビがあったんです。

ご自宅についてお茶をいただいて、何とか“マックロ(真っ黒)ビオティック”料理人はよみがえりました。それでもお野菜のお料理を松見先生にお願いしてしまいました。そんな具合だったので、鯛は最も簡単な『お煮つけ』にしました。大きな鯛の頭をたたいて、松見先生の出刃の刃をこぼれさせてしまいました・・・・お許しください。私の魚の煮付けは、料亭のように煮含めたものではありません。照りのある美味しいお醤油が表面にだけ纏わり付いたような、そんなお煮つけです。松見先生の母君のお煮つけも同じだと伺いました。鰭のところはうしお汁にしました。これでちょっとお客料理のようになりました。瀬戸内の鯛は、平戸の鯛より身が柔らかく、イキモノでもお煮つけに向いています。平戸近海の鯛はイキモノを煮つけにすると、身が締まりすぎてしまいます。瀬戸内海と玄海灘の違いだろうと思いました。

さてアワビですが、一つは殻のまま酒蒸しにしました。残りを題名の『生月の浜幸彦(はまさちひこ)』直伝の“アワビの塩辛”にしました。塩辛と名前がつくものの中で、これが最高だろうと思います。松見先生ご夫妻にも喜んでいただけましたし、昨夜お集まりのご友人達も絶賛してくださったとか・・・・・・ご報告をいただきました。そう言って頂いて、とても嬉しく思いました。本当に色々とお世話になりました。

ところで生月(いきつき)は長崎県平戸市の生月町で島です。浜幸彦さんは生月の人で夫の父の幼馴染でした。私が嫁入りしたての頃は、どんな関係の人か本当に不思議でした。しょっちゅう父の所にいて、父と母の按摩をし、お台所でお料理をし、何日も居続けたかと思うと、ふいといなくなる・・・・・2,3カ月するとまたやって来て、お台所でお魚料理をする・・・・・浜幸彦専用のお布団もあるし、お湯呑みもある・・・・・子供達のお守りはしてくれる・・・・・ちょっとおかしな親戚のおじさんのように子供達には映っていたと思います。

そのうち色々と分かってきました。少し足が不自由だったので、漁師町の生月育ちでしたが漁師にはならず、賄い方として船に乗っていました。それで数カ月いなくなるのです。足は不自由でしたが、泳ぎは達人で素潜りでアワビやサザエを採って来ては私達に食べさせてくれました。お魚料理には、“腕に覚えあり”で一家言持っていました。私も色々と浜料理を教えてもらいました。垣根のない人で、自分と同じ方向に行く車を捕まえては、乗せて行ってもらう名人(?)でした。夫などは「『寅さんと浜』という映画が出来ればおもしろいのに・・・・」と言っていました。とにかく善きにつけ悪しきにつけ、色んな意味でユニークな人だったと思います。私が付けたニックネーム『生月の浜幸彦』、そしてその名の通りの本名を持っていたんです・・・・・『浜崎浜幸(はまさきはまゆき)』・・・・・。

この浜幸彦さん、夫の父を大層慕っていました。弟分でもあり、家来でもあり、友人でもあり・・・・・といったような振る舞い方をしていました。舅が入院した時は、青ざめて駆けつけて
くれました。でも舅が亡くなった時、本人も入院していて、訃報を受け取りませんでした。忌明けが近くなったころ夫がお見舞いに行って、初めて知ったのだったと思います。驚き魂消て、それから食事を受け付けなくなったそうです。忌明けの法事には病院から参列しました。そして、『はじめて料理を全部食べたばい。今まで何にも食べきらんやった・・・・』と言いながら、私達と舅の思い出話など談笑して帰りました。病院に帰ると、また食べられなくなって、数日後に亡くなりました。この浜幸彦さんほど、舅の死を悲しんだ人はいなかったのかもしれないと思います。




それでは今日も:

     私達は横田めぐみさん達を取り戻さなければならない!!!

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初夏の高松

2012-04-28 10:06:49 | Weblog
昨日高松から帰宅しました。高松の松見先生のご厚意で機会を作ってくださり、25日にマクロビオティック人生論(?)を聞いていただきました。参加してくださった皆様、本当に有難うございました。

ところで翌日は松見先生のご案内で総勢4人、初夏の緑に囲まれた“金毘羅様”にお参りしました。何と奥の院まで1368段を上ったんです!!!中段にある金毘羅様本殿のところで『これまで』と思ったんですが、自然食品店和みの堀江社長のツワモノぶりに押されて、奥の院まで行くことになりました。80歳になりなんとする堀江さんに置いてきぼりを食いながら、残りの私達三人は(もしかすると私のせいで・・・?)やっとの思いで奥の院に辿り着きました。金毘羅様の御祭神は大物主命と崇徳天皇でしたので、奥の院には何方がお祭りされているのだろうと思いました。『武雷神』をお祭りしてありました。その謂れを宮司さんに伺ってくれば良かったのですが、青息吐息だったので『あれ??』って思うばかり、堀江さんのポン煎で栄養補給に気を取られ・・・・忘れてしまいました。

1368段ってどうして分かったのかというと、下段途中にお土産屋さんの小母さんが言ったのです。
     
      名物のおうどんをお土産にどうですか?

      ありがとう・・・・でも奥の院まで行って脚がくにゃくにゃなんです・・・・

      そりゃよう行きなさったね、1368段もありますよ・・・・


止まると固まりそうでよちよち歩きながらの会話でしたが、『ほう・・・・1368段もあるのか!!!』だけど、だけど、1368段上ったということは、1368段下らなければならないということなんです。“はすかい”の外れた枠のような脚になって、杖で転げ落ちないように用心しながら下りました。ただただひたすらに下りました。一生の思い出です。多分もうお参りは出来ないかもしれません・・・・・。

金毘羅様の御本殿はそれは素晴らしいところにありました。清々しい気に充ち溢れた、荘厳というより清明という感じの境内です。若々しいというか、生き生きしているというか・・・・・大きなクスノキがありました。イヤシロの地です。ここで生き返って下りるというのが、普段鍛えていない年配者にとって正解かもしれません。帰宅して夫に言いました。「1368段よ!!いつかお参りしたら・・・・?」夫はその気です。「おまえは下で待ってていいよ!」そうさせて頂きましょう、楽しみです。




それではまだ今日も:

     私達は横田めぐみさん達を取り戻さなければならない!!!
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

拉致問題と領土問題

2012-04-19 09:51:35 | その時々2

石原都知事が尖閣諸島の問題に現状打開策を打ち出しました。

そもそも領土問題は拉致問題と根が同じだと思います。領土と国民は同じであり、国境は国民の家の境界です。つまり国民の命の保証境界です。安全が守らなければなりません。

違いがあるとすれば、国民と国民個人の間にある時間の単位だけです。つまり拉致被害者と分類されている同胞とその家族には人生の時間に限度があるということです。だから歴史上同胞が拉致されればその数に倍する以上の人数を送って取り戻したし、あるいはまた当方の拉致者(?)、つまり捕虜と交換をした・・・・・領土と国民は分けることが出来ないものです。

私達に国家観と国境感覚がないから、拉致問題を解決できないのだと思います。私達はユートピアではない現実社会に生きています。国家観と国境感覚が無いから、目の前にいない同胞の苦しみとその家族の苦しみを分かち合うことが出来ないのだと思います。

子供時代に読んだ『クオレ』を覚えていますか?『最後の授業』を覚えていますか?ドイツに占領されたフランス領に住んでいる人たちが、明日から『フランス万歳』と言えなくなる日の子供たちの学校の授業の最後に『フランス万歳!』と叫ぶお話ですよね。あの先生は何をしたかったのでしょうか。占領を容認して時間を過ごすことが無いように、子供達の心に『フランス』を刻みたかったんですよね。

私達は拉致された同胞を取り戻さなければならないし、国境を脅かされてはいけないのだと思います。そして北の北方領土も何とかして決着をつけなければなりません。目と鼻の先を占領された状態を放置して、どうして国民の命と生活の安全を保証できるでしょうか。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

塩麹便利帳2

2012-04-17 11:05:54 | 教室情報
皆様の塩麹は第2世代(?)になりましたか?私はたっぷり作って実験継続中です。その中での発見報告第2弾です。課外コースとして、実験結果を寄せてくださると嬉しいです!!

最近発見したことでご報告したいことは:
冷蔵庫に忘れた玄米ご飯があった場合です。量的に半端だったので忘れてしまい、カラカラになってしまいました。私だけのお昼だったので、チャーハンを作ることにしました。油炒めは古くなったことによる多少のまずさと臭いをカバーします。合わせる野菜はと探しましたが、気分に合うものが春キャベツしかありませんでした。今の季節限定の春キャベツは包丁を入れるのをためらってしまうほど、柔らかく繊細・・・・・です。それで大きめにちぎって用意しました。

チャーハンのコツは第一に油を少なくすることです。ベタベタのチャーハンは「ご免なさい!」と言いたくなります。フライパンに油をほんの少し入れて温め、キャベツを炒めます。大体のところでカラカラになって固まっていたご飯を適当にほぐして入れました。雑炊だったらお水で洗いほぐすところですが、チャーハンはそういう訳にももいきません。第二のコツが水分を少なくすることですから。

うまくご飯がほぐれません!ご飯をいれて炒めながら考えました。塩麹の水分がちょうどよいのでは・・・・???それで塩麹を軽く大匙1杯加えて炒めました。案の定、足りない水分を補ってつやつやに炒めあがり、第三のコツ、最後にお醤油を鍋肌に垂らして混ぜました。良い香りがします。期待したとおり、美味しいチャーハンが出来ました。忘れていたご飯が出てきたら、お試しください。

それから冬大根の単純な塩麹まぶしが美味しく思いました。ただ切ってまぶして美味しい横綱は、大根ときゅうりです。その場合大根の切り方ですが、斜めのラインが必要です。きうりは塩きうりよりやや厚めの斜め切りが適当で、大根は薄めの斜め乱切りが適当だと感じました。塩麹が重なりましたが、チャーハンの付け合わせにちょうど良い取り合わせでした。




それでは今日も:

     私達は横田めぐみさん達を早く取り戻さなければならない!!!

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

武士の家計簿

2012-04-11 15:56:20 | Weblog
昨夜『武士の家計簿』というテレビ映画を見ました。静かな感動を覚えています。実際に加賀藩の武士であったその人の家計簿なる『出入帳』が今も子孫のお宅に残っているとか・・・・・あの人のような祖先の、親から子へ、そしてまたその子から孫へ受けつがれる営みの上に今の私達があって、将来子孫達の生活がある・・・・・何か満たされた気持がします。

それから現代のクレジット社会と江戸末期は似ていたのか、借金社会の中で自分を見つめ直す潔さというか清らかさというか、許される範囲に家計を家族で切り詰める覚悟・・・・・私達現代の社会人が取り戻さなければいけないもの・・・・・家族全員で話し合って自分達の捨てなければいけないものを話し合いたいと思います。




それでは今日も辛い気持ちで:

     私達は横田めぐみさん達を取り戻さなければならない!!!

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

見つけもの!

2012-04-03 07:59:28 | Weblog
朝のお手軽なお粥・・・・・と言えば、玄米ご飯からのアレンジ(?とは言うものの)まあ再加熱ですよね。このやり方でも十分に美味しい玄米のお粥が出来ます。そのつややかなお粥を炊くために土鍋をずっと愛用してきましたが、ここでの難点は『噴きあがり』です。噴きこぼしては美味しくなくなるし、かといって火加減にも限度がある・・・・・最低10分は炊き続けたい・・・・・噴きだせば周囲が汚れてしまう・・・・・

        見つけましたよ、見つけました!

皆様ご存知ですか、通販生活という雑誌!私は時々利用するのですが、そこに羽釜式の土鍋があったんです。これを1,2か月前に買いました。そして試してみたら、これが何と問題の『吹きこぼれ』想定のお鍋なんです。先ず噴き出し穴が3個所もあること。それで蓋がガタガタしないんです。次にその蓋がドーム式になっているので火力を落とせば噴き垂れるようになっていること。そして次にその吹き垂れが高い鍋縁によって元に戻るようになっていること。美味しさを逃しません。

これは何と言っても重宝しています。羽釜と羽釜用コンロ(昔懐かしい)の代用のような羽釜受けのセットになっていて、見つけものです。難点を言えば、鍋底にもう少し厚みが欲しい・・・・・かなあと思います。




それでは今日も:

     私達は横田めぐみさん達を取り戻さなければならない!!!


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする