お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
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※西條奈加(1964年北海道生まれ。2005年「金春屋ゴメス」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。12年「涅槃の雪」で中山義秀文学賞、15年「まるまるの毯」で吉川英治文学新人賞受賞。時代小説から現代小説まで幅広く手掛ける。近著に「亥子ころころ」「せき越えぬ」「わかれ縁」など。20年「心淋し川」で第164回直木賞受賞)



●あぁ、もうみんな幸せになってよ

 「傍から見れば、まさに芥箱(ごみばこ)みてえな町ですがね。汚ねえし臭えしとっちらかってるし。それでもね。あの箱には人が詰まってるんでさ」。舞台は江戸の片隅、千駄木町のどぶ川沿いの吹き溜まりのようなボロ長屋。そこで懸命に生きる人々の哀しみと喜びを描いた連作時代小説。NEWS加藤シゲアキの「オルタネート」などが候補になった中で、「かなり圧倒的な票数」で第164回直木賞を受賞。

 全6作のうち5作目まではそれだけで十分読み応えがある短編。だが、その中に散りばめられたいわくありげな表現からすると、最後はきっと重要な脇役を演じていたこの人の謎を解き明かすんだろうと思ったらまさにそういう展開になったが、内容は期待を遥かに超えるものが待っていた。人の思いが心に染み込み、あぁ、もうみんな幸せになってよと思わずにはいられない。涙が出るとはまた違った感動を味わった、とってもとってもいい作品。心が癒された。


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