お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
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 僕のオヤジは2年前にくも膜下で倒れたが、2度の手術で一命は取り留めリハビリを経て今は岡山市内の老健に入っている。

 岡山は僕の生まれ故郷で大学に入る前までいた。大学からは神奈川、東京、埼玉などに住み、現在は神奈川県央に自宅がある。

 オヤジの様子見などで月に1度は帰省しているのだが、岡山の実家とオヤジが入所している老健はともにJ2のファジアーノ岡山の本拠・kankoスタジアム(カンスタ)や桃太郎アリーナがある「総合グラウンド」の近く。回りに高い建物はないので、実家の窓を開けるとスタジアムの歓声が聞こえてくる。

 kankoスタジアムはネーミングライツが付く前は桃太郎スタジアムと呼ばれていた。その前は岡山県営陸上競技場。僕の中学は1学年が700人以上いるマンモス中学だったので、その岡山県営陸上競技場で運動会をやった。

 日本リーグの試合もあった。奥寺がいた古河の試合をまだ芝生席だったバックスタンドから見たことがある。もちろんガラガラで、バックスタンドには当時中学生の僕と友人だけ。メーンスタンドも数十人といったところだろうか。奥寺はうまかった。僕の目の前のサイドラインぎりぎりで、ボールを出さずにキープする姿に驚いたものだった。同じ「総合グラウンド」内にある球技場では釜本のヤンマーがキャンプを張っていたこともある。のぞき見した釜本の太ももは遠めからでも凄かった。

 また、倉敷のマスカット球場ができる前は「総合グラウンド」内にある県営野球場がプロ野球も開催する県下ナンバー1の野球場。野球少年だった僕は中学時代に県大会の決勝を戦い、高校時代は2年続けて夏の大会の準々決勝で涙を飲んだところだ。昔は練兵場だった「総合グラウンド」は小学校の時も野球をやったり遊んだりする、まさに僕の庭だった。

 そんな青春の日々を過ごした「総合グラウンド」も今やすっかり変わってしまったが、まさかJリーグのチームができてここで戦うなんて思ってもみなかった。

 ファジアーノ岡山がJ2に昇格した当初はテレビでたまに見るだけで、何だか元ヴェルディの選手が多いなといった印象だったが、帰省する機会が増えたこともあり、たまには故郷のJチームを生で見てみようかと昨年の8月25日、初めてkankoスタジアムへ足を運んでみた。

 岡山駅からは西口を出てスタジアムに向かうことになる。距離的には新横浜駅と日産スタジアムと同じような感じ。シャトルバスは出ておらず、路線バスはあるが電車で来たほとんどの人が歩いて行く。地元の人は車か自転車。なんせ「総合グラウンド」自体が巨大な駐車場と化しているし、近くに臨時駐車場もあるという、車がなくては生活できない地方ならではのアクセス方法となっている。

 西口を出て歩道橋を渡ると、アウェーサポーターおもてなしの看板がひっそりとある。


岡山駅西口付近にある看板



 マリノス戦であちこちのアウェーへ観戦に行ってきたが、こんな光景に出会ったことはない。「アウェーサポ来るな」的雰囲気ムンムンの所はあるが、こういう対応は珍しいのではないだろうか。ただ、スタジアムの収容人員が2万人と少ないため、アウェーサポーター席はほんのちょっぴりしかない。三ツ沢のアウェー席より狭いかな? 当然ながらこの看板は毎試合、作り替えられている。

 スタジアムに近づくと、また驚かされることがある。その名は「ファジフーズ」。スタジアムグルメはどこでも力を入れているし、我がマリノスの日産スタジアムも数年前に店が増えメニューも豊富になった。しかし、スタジアム前の広場にあるこのファジフーズは祭りの屋台がズラリと並んだ感じで、何だか楽しげだ。階段を上ったりコンコースを歩かなくても手軽に何でも買える。メニューも地元岡山の食材を使った定番ものに加え、アウェーチームの地元の食材を使った、その試合だけの特別メニューもあり、毎回来ても飽きることがない仕組みとなっている。


試合開始前のkankoスタジアム前



ファジフーズはメーンスタンド前の広場にある





 食べ過ぎちゃうね、これは(^o^) ただビールの販売箇所が1箇所しかないのが悲しいかな。あ、これは飲み過ぎないから逆にいいか(^_^;

 ちなみに僕のお気に入りはホルモンうどん、熟成千屋牛の牛串、豚串、牛テールの塩焼、うめぇ~棒、牛スジコロッケ、ファジ丸トントンラーメンなど。


僕のお気に入りはホルモンうどん


 スタジアム前の広場なのでアウェーサポも自由に楽しめるのもいいねぇ!

 さて、肝心の試合。両チームで名前と顔が一致するのは、ピッチを見渡してみると元横浜で栃木GKの榎本達也だけだったりして…(^_^;。

 スタジアムのゴール裏は芝生席。ここでは小さい子供が駆け回り、試合そっちのけで大はしゃぎしていた。のどかだなぁ。


ゴール裏は芝生席


 そしてバックスタンドの右手向こうには僕たちが結婚式を挙げたホテルがそびえ立つ。


ここで結婚式を挙げた



バックスタンド右手のアウェー席(手前左の照明の下。三ツ沢のアウェー席より狭い?)



バックスタンド左手に陣取ったファジアーノのサポーター


 結果は栃木に1-3の完敗。最後はGK中林のミスで失点。攻撃もいいところなく、やっと名前とポジションを覚えたかなというところで試合終了となった。

 スタンドの雰囲気はサッカーのスタジアムというより、地方の野球場という感じ。僕が座ったメーンスタンドのアウェー側では、大昔に岡山県営球場で行われた「大洋-巨人戦」で聞いたようなヤジが飛びかい、酔っ払いがスタンドを盛り上げていた。しかし、岡山弁で応援しても選手たちは分かるんかのう?

 でも、地方都市にとってはいい楽しみができたものだと思う。プロ野球はよくて年に1度ぐらいしかやってこないが、サッカーは2週間に1度やってくる。通常では6000~8000人が観戦に訪れ、遠藤、今野の代表組がいるG大阪戦はチケット完売で1万8269人が詰めかけたそうだ。この年の平均観客動員は8574人。健闘している方だと思う。

 昨年、クラブハウス付きの専用練習場が完成したが、この場所は僕のオヤジの実家近く。周辺は田んぼで、夜は明かりが煌々とついているのが遠めからも見えるという。昨年9月に帰省した時にちょっと寄ってみたが、静かでいい所だった。近くにコンビニさえない本当の田舎だが、練習に集中するにはいい環境だ。

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 今年はまず3月2日の開幕戦から観戦した。昨年終盤はテレビ観戦し、選手の名前もだいぶ覚え、FW押谷ファンとなった長女とホーム・カンスタに乗り込んだのだが、富山に0-0のドロー。ファジフーズで娘は喜んだが、試合は盛り上がることなく終わってしまった。ただ、この日は懐かしい出会いがあった。中学時代からの友人がたまたま観戦にきており、彼の結婚式以来の再会を果たすことができた。

 次に観戦したのは国立の東京V戦。ファジアーノ岡山にとっては「最初で最後の国立」だ。行かねばなるまい。


ホームゴール裏の東京Vサポーター



アウェーゴール裏の岡山サポーター


 意外な数の岡山サポーターがアウェー側にはいた。後で聞いたのだが、前日の夜中に出発し、午後5時からの試合を観戦。終了後、とんぼ帰りをして明日の仕事に出る人もいるという。一方の僕は神奈川から小径車のBD-1で往復70キロを走っての観戦。いろんな人がいるもんだね(^_^;

 楽しみにしていた蒜山焼きそばの売店は長蛇の列であきらめた。残念だったが、試合は最高だった。MF上田の浮き球のDF裏へのパスを、FW荒田が最高のトラップで止め右足で蹴り込んで先制。この元ジュビロコンビで挙げた1点を守りきった。生観戦で初の勝利。やっぱり勝つって気持ちいい。

 守備はいいのだが、「どうやって点を取るんだろう」というサッカーをしていた岡山が、大宮からのボランチ上田康太の加入で変わった。中盤に基点ができ、正確なプレースキックでセットプレーも武器になった。また、開幕直後にDF陣にケガ人が続出したが、初の東大卒のJリーガーMF久木田と左サイドのMF田所を最終ラインに起用した影山監督の采配が当たり、正GK中林がケガで離脱した時もリーグ戦初出場となったGK椎名が無失点に切り抜けるなど、相変わらずの堅守ぶりを見せつけた。さらに、前線の選手も固定せず調子のいい選手を起用し(荒田はケガだったが)、チームは活性化した。

 観戦した東京V戦は上田が移籍後、初めてフル出場した試合だった。そして4月26日の第9節、札幌戦を2-0で勝利すると、8月17日の第27節に北九州に敗れるまでチーム初となる18試合連続無敗(9勝9分け)の記録を作った。この間、湘南、松本、磐田戦があったがすべてドローとしている。勝ちきれないのはまだ上位と差がるのだろうが、チーム力は確実に上がっている。

 その無敗街道ばく進中の5月24日の長崎戦と、7月26日の栃木戦を観戦した。長崎戦はオウンゴールとFW清水のゴールで2-1で競り勝ち、栃木戦はDF久木田、DF後藤、MF妹尾のゴールで前半で早々と3点をリード。後半に追加点を挙げられず逆に1点を失ったが3-1で快勝した。妹尾はこのチームでスタメンに名を連ねる中では唯一の岡山県出身のプレーヤー。一度引退を表明しコーチ就任の予定だったが、復帰してもう2年になる。来年も頑張って欲しいものだ。


長崎戦は夏夜祭り4試合のうちの1試合。4試合で観客動員4万を目指したが、届かなかった。


 この長崎戦で岡山は昇格プレーオフ圏内の5位に初めて浮上。さらに7月5日の押谷のロスタイムのゴールで2-2で讃岐と引き分け、ついに4位まで上り詰め、勝ち点で磐田、松本を脅かす存在となった。

 そして8月10日の第26節に湘南と0-0で引き分けるまで4位を維持し、J1が現実味を帯びてきた。原動力となった上田は7月の月間MVPにも選出された。スカパー!の放送でも選手たちが「来季はJ1」と口にしているとレポートが入っていた。気が早い? 慢心しなければいいがとこのコメントを聞いて、逆に心配になった。

 次女と観戦した8月24日の千葉戦は雨の中の一戦となった。カッパを着てファジフーズを満喫し、濡れるのを覚悟でスタジアムに入ったら、メーンスタンドの大部分は屋根におおわれ、雨は落ちてこなかった。ラッキー♪


ピッチは土砂降りとなった千葉戦


 試合は清水のゴールで1-0で勝利。今季の観戦は開幕戦は引き分けたが、後は4連勝と最高だった。


ファジアーノ岡山の勝利を報じる山陽新聞。なんと1面!


 岡山駅近くの商店街・奉還町にはファジアーノ岡山の順位が掲げられる。帰省するたびにそれを見上げてニヤリとしたものだった。また翌日の新聞を見るのも楽しみだ。スポーツ紙でさえ、結果しか掲載されないのだが、地方紙はなんと1面。もちろんスポーツ面にもデカデカと載っている。岡山には日本代表MF宮間あやが所属する岡山湯郷ベルやバレーボールのシーガルズもあり、月曜付のスポーツ面は地方色たっぷりとなっている。

 連続無敗記録がストップした後、9月14日の第31節松本戦から上田がケガで不在となる緊急事態が発生。復帰までの3試合を1勝1分け1敗でしのいだが、10月11日の第36節群馬戦に逆転負けして6位に後退し暗雲が漂い始める。そして、10月19日の第37節、昇格プレーオフ争いのライバル山形に1-4と大敗しついに7位転落。続く第38節は大分に後半ロスタイムの失点で0-1と敗れ、第39節の京都戦は2-1とリードしていたが、後半44分、同ロスタイムにCKから大黒に2点を奪われ悪夢の逆転負け。4連敗で順位は10位まで下がった。

 11月9日の第40節横浜FC戦はFW押谷の2ゴールで何とか勝利し、昇格プレーオフへ首の皮1枚でつなげたが、ホーム最終戦となった11月15日の第41節熊本戦は1-0とリードした後半44分にセットプレーから失点。まさかのドローに終わり、昇格プレーオフ進出の夢は断たれた。

 11月23日の最終節富山戦は3-0で快勝し、下位との実力差は示したが、順位は過去最高タイの8位。6位山形に勝ち点差で3届かなかった。

 ホームの観客動員は、1万人超えが5月6日福岡戦、5月18日岐阜戦、7月5日讃岐戦、9月6日磐田戦で、最高は磐田戦の1万2033人。最低は4月20日北九州戦の6117人。平均は8404人で残念ながら昨年を170人下回った。

 終盤の失速がなければ、ロスタイムに持ちこたえていればと思うが、これがJ1昇格への厚い壁。最後まで諦めないサッカーを逆に相手にやられてしまった。

 前述したが、7月5日の瀬戸内ダービーの讃岐戦のテレビ放送で聞いた「俺たちは来年はJ1」という選手たちのコメント。下位の讃岐相手に自信の表れだったのだろうが、どこかに油断があったのではないか。結局、その試合も0-2とリードされ、後半42分と同ロスタイムの押谷のゴールでやっとのことで引き分けた。

 この経験を来年にぜひ生かしてほしい。「最後まで諦めないサッカー」を貫いてJ1昇格を果たしてほしい。今年は本当に残念! でも、最後まで夢を見させてくれてありがとう。

 そういえば今年はマリノスの試合を1試合も観戦していないな…。

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