(キタコブシ咲く嵐山)
先週末に続いて16日も旭川の里山へ。今回は昨年行って楽しかった嵐山(253m)を再訪。
キタコブシが山体のあちこちを淡い白色で染めていた。春の穏やかな山の面構えに心身がリラックスする。
京都を擬して命名したのだろうか ? 北の嵐山は桜山ならぬ辛夷山だった。
山麓斜面は「北方野草園」として散策する市民で賑わっていた。
すでに春一番に咲くカタクリやエンゴサクは終りを告げ、第二陣のシラネアオイやオオバナノエンレイソウが群落を形成する。
(シラネアオイの群落)
ひらひらとヒメギフチョウがゆく。色も褪せて早春の女王も終盤か。
濃い群青のシジミチョウが飛ぶ。初めて見たが、その素早さからコツバメだと思う。
オオバナノエンレイソウにとまるも翅は閉じたままで、目にする裏翅は濃い茶色。
翅を開けば、きっと広がる濃い青色に、どきっとすることだろうに。
(色褪せたヒメギフチョウ)
(表翅は濃いブルーのはず…コツバメ)
中腹から望む太い石狩川。貫く旭川の街並みと、背景に構える白銀輝く大雪山の山並が美しい。
冬をひきずる雪色に、エゾヤマザクラのピンクが春到来のアクセントを添えていた。
(嵐山中腹から望む大雪山)
北方野草園に別れを告げて、山頂を目指す。巨大な長玉レンズを構える男性がいた。
元気に遊ぶ仔リスの兄弟を狙っているのかなと思ったら、枝に鎮座するエゾフクロウだった。
こういう思わぬ一期一会が、旅の楽しさ。
(エゾフクロウ)
嵐山の山頂からは、左手に天塩岳、中心に旭岳を主峰とする表大雪、そして回廊のトムラウシ山が続く。
右端に十勝岳連峰が止めを作って、白い一直線を締めくくる。大雪山の白線流し。
旭川は凄いぞ。この感動を表現できる撮影技術がないことを悔やむ。
(大雪山の白線流し)
嵐山からの俯瞰を記憶に刻んで、近文山(216m)へと縦走する。
小気味の良い雑木林の路傍には終盤のカタクリが最後の輝きを放つ。
凛と清楚なエゾイチゲが、いのちのバトンタッチを受けて、白い群落を作る。
近文山には「国見の碑」が立つ。
明治18年に初代の北海道庁長官がこの地から上川盆地を俯瞰したという。
(近文山の山頂)
開拓時代に思いを馳せながら、カシワの純林が続く国見峠を歩く。
この登路は車道を渡って半面山へと続くが、縦走の楽しみは来年に繰り越そう。
車道歩きで嵐山山頂に戻って、北方野草園に下山した。
■登山記録:
12時30分:北方野草園の入口
13時15分:嵐山の山頂
13時30分:山頂出発~チセ跡~砦跡~チセ跡に戻って・・・
14時00分:近文山(国見の碑)
14時15分:国見峠~嵐山の山頂
15時00分:北方野草園入口に戻る
近くの公衆浴場「菊水湯」 420円
■過去記録:
09年4月29日 嵐山