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まつかぜ日記

暮らしの中で思うこと

図鑑NEO

2010年07月11日 | 
今年4月の益子旅から帰り、思い出のすみっこに引っかかったままの「?」が一つありました。

それは、真っ暗な夜の田んぼから聞こえるカエルの鳴き声。

グワァ~クワァ~~(?)と、いかにも!な感じのカエルの大合唱の中に
硬いものを連打するような声が聞こえていました。
まるでカスタネットを叩いているみたいなのです。
はじめて聞く声でした。
どんなカエルなんだろ?

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そんな、つい先日の事。
図書館で図鑑を見つけました!

『小学館の図鑑NEO 両生類 はちゅう類』

蛙の鳴き声CD付で
カエルの合唱5種類。
日本のカエルの鳴き声42種類。
海外のカエルの鳴き声13種類。
ヤモリの鳴き声2種類。
が収められています。

これを聞けばわかる!?と勇んで借りて帰りました。
でも、、、
このCDを初めから最後まで聞くと67分32秒かかるのです。
なかなかー、タイヘンな仕事になりそうです。

リストを調べてメボシをつけようと考えましたが
「CD鳴き声図鑑」のリストに表記されている鳴き声
(例えば、ウシガエル・・・ウオー・ウオー)を見てみると
カスタネットのような音はありません・苦笑

そんなこんなで、なかなか手が出せずにいましたが
返却期限が迫ってきた本日
やっと謎が解けました。


カスタネットのような鳴き声の持ち主は
シュレーゲルアオガエルと思われます。

当初、CDの順番がはやいニホンアカガエルを聞いて
似ている?!と思いましたが、
後半に登場したシュレーゲルアオガエルの声を聞いて
これだ!と・笑

そして、一緒に大合唱していたのはニホンアマガエルと思われます。
シュレーゲルアオガエルもニホンアマガエルも3~5センチくらいの
小さな黄緑色のカエルで、よく似ているそうです。

ちなみに、上記のカエル3種は皆日本固有種で。
この本の鳴き声の表記は
シュレーゲルアオガエル : ピリリリ・・・
ニホンアマガエル : クワッ・クワッ・クワッ・・・
ニホンアカガエル : キョッキョッキョッキョッ・・・ でした。う~む。

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CDを取り出すまでは、1時間以上もカエルの鳴き声を聞いていられるかしら?
なんて思っていましたが、
想像をはるかに超える楽しさがありました♪

収められているカエルの声は
私が思い込んでいた「グワッグワッ」とか「ケロケロ」というのはほとんど無くて
多くは、梢を飛び交う小鳥のさえずりや秋の虫の音のようで。
時々、これはニワトリ?とか
風邪を引いた犬のくしゃみ?とか
映画『スター・ウォーズ』に出てくる『R2-D2』!のような鳴き声もあるのです。
そして、声の背景には水の流れる音があったり。。。

蒸し暑さを、すっかり忘れてしまう・・・というより
むしろ、蒸し暑い方がいい、と思えるほどの素敵な音の図鑑でした。

『東京見物』

2010年01月21日 | 
和田誠さんのイラストが好きです。
特に、極めてシンプルな線で描かれた似顔絵。
どうして、これだけの線でこんなに似てるのだろう?
いつ観ても、どの似顔絵を観ても感心してしまうのです。

自身の顔について、コレといって特徴がない顔だと思っている夫は
和田さんに似顔絵を描いてもらったら、どんな顔になるんだろう?
(できる事なら描いていただきたい。。。)と常々、想っているのだそうデス。笑。

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講談社創業100周年記念出版・書下ろしの100冊のうちの一つとして
出版された『東京見物』
これは2冊で構成されていて、1冊は“講談社の繪本”で、70年前に出版された『東京見物』。
もう一冊は和田さんが描かれた現代の『東京見物』。

青山ブックセンターで刊行記念のトークショーがあると聞いて出かけてきました。

トークショーのポスターの和田誠さんは、まっすぐ前を向いていて
眉間にちょっとシワが入っていたりして。
低い声でトツトツと話されるような。。。イメージを持っていたのですが
目の前に現れた(最前列で拝見しました・笑)
和田さんは、なめらかに 和やかに話される
私にとっては大変親しみやすい方でした。

幼い頃に『東京見物』をみていた和田さんが、昔の名所を訪ねたり、
また、照らし合わせて新たに選んだ東京の名所。
実際に何度も足を運び、その日の景色をそのままに描いた…お話しはとても興味深く
楽しかったです。

家に帰ってから、昔の『東京見物』をゆっくりみてみました。
所々に軍服の人の姿があり、時代の空気が伝わってきますし、
銀座や浅草、新宿といった街の様子は、今も昔もあまり変わりがないようにも思えます。
また、この雑踏の風景の中に、きもの姿の祖父母を見出せるような…
そんな不思議な楽しさも見つけました。

そして、旧かな使いの言葉がとても新鮮で、面白いです。
動物園の絵の中には、謎の動物が何頭もいました・笑

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トークショーの最後にサイン会があり。
似顔絵は書いていただけませんでしたが(とても言えませんでした・苦笑)
漢字がいいの?なんて聞いてくださる和田さんにますます嬉しくなって。
ニコニコしながら帰りました。

『うちのまる』 養老孟司先生と猫

2009年08月26日 | 
『うちのまる』 養老孟司先生と猫の営業部長
猫好きの人から教えられて、図書館で借りてきました。

解剖学者・養老孟司先生の家の猫
スコティッシュ・フォールドという種類の
「まる」という名の猫の魅力が詰まった一冊。

それがスコティッシュ・フォールドの特徴なのか?
「まる」の個性なのか?
3歳にして7㎏ の体重が物語るように
の~んびり、穏やかな性格・・・

養老先生は『ひと言で言えば、『怠惰』な猫---』と書かれいていますが。。。

本を眺めていると、体の力がどんどん抜け出ていくような気がします。

そして「まる」にデレデレの養老先生は
私の想像をはるかに超えていて、、、
微笑ましくも、困惑…のお姿なのでありました・苦笑

しかし、巻末にあった
幼少期の養老孟司先生のお写真を発見したとき
全ての違和感が消えていってしまいました。

白い子猫を抱いた男の子の姿は
村上春樹さんの『ふわふわ』の世界、
そのままのように思えて。
全てが自然の運び、と感じられました。


大きな猫がお好きな方は必見です・笑

『EMMA』 そして A WALLIS〔アルフレッド・ウォリス〕

2009年01月28日 | 
先日の代官山で行われた末盛千枝子さんのセミナーで
ご紹介いただいた本を少しづつ読んでいます。

ここ数日は図書館で借りてきた、バーバラ・クーニーの『エマ』(エマおばあちゃん)を。



しましまの猫と暮すエマおばあちゃんには、家族が沢山いますが
殆どの時間を一人ですごしています。子供たちが遊びに来ても

みんなは、いろんな おみやげを もってきて くれました。
でも、いつだって ゆっくりする ひまもなく かえってしまいます。


   ・・・・ちくりっ、と胸を刺す言葉です・・・・・・・

なので、家族たちはエマおばあちゃんとゆっくり心を通わせる事も無く、
72歳の彼女を理解できずにいるように思われます。

さびしさを感じることもあったエマおばあちゃんですが、
絵を描くことで彼女の生活は変わっていきます。

最後のページ、絵筆をもって真直ぐに立っている
生き生きとした彼女の表情がとても印象的です。



読み終えて、私の頭には『ーだれも知らなかったー』と言われた
アルフレッド・ウォリスの絵が蘇ってきたのでした。



ちょうど二年前、東京都庭園美術館ではじめて観たウォリスの絵。
だれも知らなかったアルフレッド・ウォリスーある絵描きの物語ー

不思議な魅力に心惹かれて
今でも展覧会のチケットは手帳に挿んだまま持ち歩いています。

70歳をを過ぎてから絵を描き始めたウォリス。
ダンボールの切れ端や板に(たぶん)有り合わせのペンキで描いた風景は
ふしぎなバランス。
決して巧みなものでなく、一目で明るく元気になる~という絵でもない。

煙った緑や海の色。
そこに必ず在る灯台と船。
彼の絵の中で、特に船だけはキリリと確かな線で描かれているのも大変印象的でした。

彼の絵から、航海の日々、海と自然に対する愛情や畏敬の念があふれ出ていて。
そしてなにより、ウォリス自身が楽しんで描いているのが伝わってきます。
それを感じることが心地よい。。。そういう絵であったと思います。
美しいこと、巧みな事に感動するのではなく
絵を感じることの喜びを知った展覧会でした。

・・・余談ですが、
アルフレッド・ウォリスのお墓には、
=ALFRED WALLIS ARTIST & MARINER=という言葉と灯台が描かれています。
それはバーナード・リーチが彼の為に焼いた陶板でできていて。
とても美しく、すてきなお墓でした。 ・・・

心のままに、自由に、描く喜び。
大切な事は、歳は関係なくて、何時からでも始められる。
しっかりと胸に刻んでおきます。

『おもちゃのいいわけ』

2008年12月08日 | 
12月4日・木曜日、久しぶりの代官山ヒルサイドテラスでのセミナーでした。

末盛さんの「クリスマスの絵本―贈物について」のお話は
胸のうちをゆっくりと暖かくしてくれる絵本のこと。
さらに末盛さんのご家族のこと。
全てが真直ぐに深く響いてくるお話でした。

*詳しくは同席させていただいた margaretさん琴子さんはらぺこさんrucaさんのブログをご覧ください。苦笑

末盛さんがお話をされた時から、とても気になっていた一冊。
ゆっくり頁をめくる時間が愉しみでなりませんでした。

『おもちゃのいいわけ』 作・舟越 桂
またしても「自分へのプレゼント」として。。。


彫刻家の舟越 桂さんがご家族の為に作られた数々のプレゼント。
それは主に『木彫をやっていてでてきた、捨てるにはもったいない大きさの木っ端を利用した・・・』もの。
とはいえ、どれもが非常に魅力的で美しいのです。

添えられたその「おもちゃの生い立ち」を読むうちに
舟越さんの手が木を削り、組み立て、するその場の空気のようなもの
そして家族の一人一人の顔を想い描いている“時間”も
こちらに伝わってくるような気がします。
素朴で心地よい肌触りを伴って。

4日の夜から毎晩、おもちゃの物語を一つ、二つ、読んでは
すぐに眠ってしまうのですが
翌朝、ぼんやりした頭で枕元の本の表紙・板人形の並んだ姿を目にすると
クリスマスの朝にプレゼントの包みを見つけた時のような
楽しさがいつも起きてきます。