まつかぜ日記

暮らしの中で思うこと

ねこのこと

2005年11月26日 | 
手にとるだけで、気持ちまでゆるゆると笑顔になってしまう一冊の写真集と出会いました。
『ちょっとネコぼけ』/岩合光昭
表紙の“鼻ちょうちん”のネコ、もうたまりません(笑)

動物写真家としてあまりにも有名な岩合さん。ライフワークとして30年以上ネコの写真を撮りつづけておられるのだそうです。
道行くネコに声をかけ(一体どんな声で話しているのかとても気になります)、時にはネコに導かれながら、ネコの生活をカメラに収めている岩合さんの様子が目に浮かぶようです。尾道のネコも弘前のネコも、そしてイスタンブールのネコも皆のびのびと幸せそう。

幾度となく頁を繰って夜更かしし、心身ともにフニャフニャになった翌日。
お寺のネコ<木綿ちゃん>と遭遇し、初めてスキンシップ=頭をポリポリする、ことが出来ました。
このネコはとても甘えん坊らしく、いつもお寺の奥さんの後をついて歩いているのですが、よそ者には全く反応無しです。会う度に声をかけていますが、一度も振り返ってもらった事もありませんでした(苦笑)
でも、この日は木綿ちゃんの方から声をかけてきたのでした。びっくりです。
岩合さんの本の効能が何かしらあったのかも知れない、と密かに思っています。
ただの、ネコの気まぐれ…とも言われそうですが。

私が実家にいた頃、よくネコを飼っていました。
ブログで出会ったネコのお話を目にする度に、あったかくて柔かいネコの思い出が蘇ってきます。
最後に一緒に暮らしたネコは、家の塀の向こう側には決して出ようとしないコでした。

チョット猫背ぎみの立ち姿が和田誠さんの『ねこのシジミ』の表紙の姿に似ています。
村上春樹さんの『ふわふわ』にえがかれているネコへの思いと自分の中の記憶がぴたりと重なり合う思いでいます。

そして、長田弘さんの『ねこのき』を読んだ時にはドキリとしました。まるで、うちのチビのお話のようで。
チビが亡くなって数年の後、実家の“ネコの額ほど”の庭にある小さな柿の木が、オレンジ色のつややかな実を沢山付けるようになったのでした。『ねこのき』の様にはいきませんが、私はその事とチビのことを結び付けて胸の中にしまっています。

チビの事をここに載せるのは、辛い思いもありなかなか出来ませんでした。
でも、今こうして自然な気持ちでチビの思い出を書いているのも、『ちょっとネコぼけ』のネコたちのお陰かもしれません。

サリー・ガーデン

2005年11月21日 | 
図書館で、時々ドキリとするような本と出会う事があります。

ハードカバーに印刷された樹の元の人のシルエット。
近づいて見てみると生成りの布に型染めしている様子。
本の中には木や人や動物が伸びやかで繊細な線で染め抜かれています。

この本は
「THE SALLY GARDEN」 サリー・ガーデン
    イギリスの愛の歌(CD付) 
       望月通陽
      <偕成社> 

望月通陽さんは、『染色、陶芸、版画、刺繍、ガラス絵、ブロンズ、木工芸など様々な手法で独自の世界を作り出している。CDジャケット製作や本の装丁も手がけている。』方なのだそうです。この本ではCDに収められた19曲の内、14の曲のイメージを型染めで表現されていて日本語に訳された歌詞も添えられています。
初めて見るのに懐かしい、静がだけれど楽しい、手にとるとそんな気持ちに満たされます。

19曲のうち私が知っていたのは「Greensleeves/グリーンスリーブス」と「Scarborough Fair/スカボロー・フェア」でした。
しかしながらその2曲も含めて、ここには全く予想しなかった美しい音楽が収められていました。
演奏者は 波多野睦美(メゾ・ソプラノ)・つのだたかし(リュート、オルファリオン)とあり、他にリコーダー、バンドーラ、フィドル、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ダルシマーという(私にはどんなカタチのものか予想もつかない名前が並んでいます…)器楽の演奏も加わっています。
どの曲目も素朴で優しい旋律です。
特に波多野睦美さんの歌声は美しく、ゆったりと聞き入ってしまいます。

清らかな流れの中にス---ンと溶けていく粉砂糖のような・・・そんなイメージか。

寒い季節に向かいながら、針仕事をする静かな夜にずっと聞いていたい。(きっと、ずっと、チクチクがはかどる気がする。)などと思うのでした。



*リュート奏者のつのだたかし氏についてhinataさんのブログに素敵なお話が残されています。
hinaden○和とデンマーク+

砂糖楓

2005年11月16日 | 散歩の途中
この季節になると、突然気になりだす木があります。
それは世田谷公園の楓の木。
木の葉の形をいろいろ探していたときに出会った木です。
公園の広場の隅に一本だけ囲われて植えられています。
確かカナダのどこかの街と世田谷区が姉妹都市(?)になった記念に植えられたとか。。。

初めて出会ったときは寒い日で、殆どの葉が落ちてしまっていました。
夏には、広げた手のひらをゆっくりひるがえすように揺れながら、たっぷりと生い茂っていました。
この楓が沸き立つようなオレンジ色に染まる姿を見てみたい!
ずーっと、そう思っていました。

この日はあいにくの曇り空でしたが、時間がとれたので思い切って会いに行きました。薄暗い木々向こうに突然明るい色が飛び込んできて!思わず「おおおお---」と声をあげていました。(かなり怪しい人。一人です。)
しかし、近づいてみると意中の木は緑の葉も残り、あと一歩と言う感じ。。。
今年もタイミング合わずでした。
<↑写真の左の木がその砂糖楓です。お隣のオレンジに輝く木も楓の仲間のようですが名前は不明です。>

そういえば、ターシャ・テューダーが子供たちと暮らしていた頃、森の中で砂糖楓の樹液を集めてメイプルシロップを作ったと描いて(書いて)いました。帰る途中食べた、シロップがけの雪が本当に美味しかったそうです。。。う~ん試してみたいデス。

桜の向こうには、つつじが青く輝いていました。

私のもう一つのお気に入り。
木立の中のレンガ作りの建物。ミニSLの「ちびくろ」の駅舎と車庫なのです。
ステキ。

でも、この日はお休み。

*「ちびくろ」運行日:水曜日・土曜日・日曜日、祝日、学校休業日
  <[休]上記運行日以外の日、雨天日、年末年始>

お会式

2005年11月13日 | 心おぼえ
昨夜は近くのお寺で『お会式』が行われ、夕暮れから太鼓の音が町中に響いてました。
東京では10月に行われる池上本門寺が有名なのだそうですが
ご近所のこのお寺では毎年11月12日と決まって行われています。

『お会式』と言えば高校生の頃
池袋の鬼子母神近くに住んでいる仲の良かったりっちゃんが
毎年必ず「お会式だから、来ている時間が無い」と言って学校を休んでいた事を思い出します。
半被姿で、団扇太鼓を熱く叩きながら一晩中練り歩くという…
その頃の私には『お会式』ってどんなモノなのか
何度聞いても想像がつかないのでした。

今の家に越してきて、はじめて『お会式』を見る事が出来ました。
近隣のお寺から花飾りをつけた万灯が次々に境内へと進んで行きます。
万頭を運ぶ人々、それを迎える人々、みんな笛や太鼓を打ち鳴らし、
我々見物の者たちも、次第にお囃子の音に溶け込んでいくようでした。
境内では、大きな銀杏の木を囲んで、いなせなお兄さん方が大きな纏をくるくると廻し掲げ、自慢の腕を披露しています。もう、もう、時間の経つのを忘れてしまうのでした。

今年は子供たちの姿が多いように感じます。
(太鼓は勿論、小さな纏を懸命に廻す子供達の姿も。)
下は3歳くらいから、上は70,80歳をとうに越した方々まで。。。
同じリズム、同じ鼓動を楽しんでいるようにみえました。

りっちゃんが学校休んで行ったわけが、やっとわかった気がしています。


松本の街・その2

2005年11月10日 | 松本
←こちらはお堀の鴨たち。一列に休憩中。

松本の味の思い出。「たくま」さんのとんかつ。
夫が度々仕事で松本を訪れていた時、出会ったお店です。



写真は私のヒレかつ定食。
お皿にはキャベツ・パセリとブロッコリー(あっさり味のドレッシング和え)
きゅうり、トマト、レモン、バナナ、生パイナップル(大きめ!)
そしてウサギさんのりんごがのっています♪他に、たっぷりのお漬物とご飯とお味噌汁。
店主の良心を感じるお料理でした。



3階建てのビルの屋上に柿の木が赤い実をつけていました。
のびのびと、地に脚がついている感じ(?)


こちらは「まつもと市民芸術館」の屋上。ちょっと見学させていただきました。ひろ~い階段やロビーも圧巻ですが、屋上に隙間なく引きつめられた芝生には驚きました(勿論ふかふかの生芝です)。松本市、凄い。

   
深志神社の狛犬さん。いいお顔しています。