まつかぜ日記

暮らしの中で思うこと

『EMMA』 そして A WALLIS〔アルフレッド・ウォリス〕

2009年01月28日 | 
先日の代官山で行われた末盛千枝子さんのセミナーで
ご紹介いただいた本を少しづつ読んでいます。

ここ数日は図書館で借りてきた、バーバラ・クーニーの『エマ』(エマおばあちゃん)を。



しましまの猫と暮すエマおばあちゃんには、家族が沢山いますが
殆どの時間を一人ですごしています。子供たちが遊びに来ても

みんなは、いろんな おみやげを もってきて くれました。
でも、いつだって ゆっくりする ひまもなく かえってしまいます。


   ・・・・ちくりっ、と胸を刺す言葉です・・・・・・・

なので、家族たちはエマおばあちゃんとゆっくり心を通わせる事も無く、
72歳の彼女を理解できずにいるように思われます。

さびしさを感じることもあったエマおばあちゃんですが、
絵を描くことで彼女の生活は変わっていきます。

最後のページ、絵筆をもって真直ぐに立っている
生き生きとした彼女の表情がとても印象的です。



読み終えて、私の頭には『ーだれも知らなかったー』と言われた
アルフレッド・ウォリスの絵が蘇ってきたのでした。



ちょうど二年前、東京都庭園美術館ではじめて観たウォリスの絵。
だれも知らなかったアルフレッド・ウォリスーある絵描きの物語ー

不思議な魅力に心惹かれて
今でも展覧会のチケットは手帳に挿んだまま持ち歩いています。

70歳をを過ぎてから絵を描き始めたウォリス。
ダンボールの切れ端や板に(たぶん)有り合わせのペンキで描いた風景は
ふしぎなバランス。
決して巧みなものでなく、一目で明るく元気になる~という絵でもない。

煙った緑や海の色。
そこに必ず在る灯台と船。
彼の絵の中で、特に船だけはキリリと確かな線で描かれているのも大変印象的でした。

彼の絵から、航海の日々、海と自然に対する愛情や畏敬の念があふれ出ていて。
そしてなにより、ウォリス自身が楽しんで描いているのが伝わってきます。
それを感じることが心地よい。。。そういう絵であったと思います。
美しいこと、巧みな事に感動するのではなく
絵を感じることの喜びを知った展覧会でした。

・・・余談ですが、
アルフレッド・ウォリスのお墓には、
=ALFRED WALLIS ARTIST & MARINER=という言葉と灯台が描かれています。
それはバーナード・リーチが彼の為に焼いた陶板でできていて。
とても美しく、すてきなお墓でした。 ・・・

心のままに、自由に、描く喜び。
大切な事は、歳は関係なくて、何時からでも始められる。
しっかりと胸に刻んでおきます。

生イモ蒟蒻づくり

2009年01月18日 | ワークショップ
先日、今年さいしょの末盛千枝子さんのセミナーでは、
同席の友人二人に奇跡的に当日キャンセルのランチが巡ってきて、皆大喜びで美味しいお食事を頂きました。

*この度のお話も、ご紹介いただいた本も、とても心惹かれるものでした。
しかしながら、ココでは別のお話へと続きます。
詳しくはrucaさんはらぺこさん琴子さんのブログをご覧ください。

その日出会った、美しい言葉や本や手作りの小さなものに
ホカホカと胸が暖かくなっているのを感じながら、地下鉄の中で
電話に着信履歴が入っているのに気が付きました。

なんと!『キャンセル待ち6番目』と言われて90%諦めていた
生いも蒟蒻つくりに空きが出来たという連絡です!笑
しかも、お互い知らないうちに同じワークショップに申し込んでいた友人にも
同様の連絡が入った事がわかり。
晴れて友と二人、「憧れの蒟蒻作り」となった訳です。

☆ミラクル☆です。



写真は推定4年ものの蒟蒻芋。
赤ちゃんの頭(よりやや大きい?)ほどの大きさ。
3年以上育てて、蒟蒻にするのだそうです。
ニョキッと伸び芽はとても愛らしいピンク色です。

ワークショップは
既に柔らかく茹で上がったお芋を切る所からスタート。



水を加えて、砕きます。


ずしりと存在感。そしてほのかな透明感。
何ともいい色です。

しばらく置いてから
消石灰をすばやく混ぜ合わせます。
もう手袋をつけていては追いつきません。(なので私は見学のみ)
消石灰を入れた途端、それまで馴染みの無かった蒟蒻芋の香りが
おなじみの、あのコンニャクの匂いにかわりました。むむむっ。


バットに移し、平らにならして
また暫く置きます。
その間に、お楽しみのランチです・笑
《コンニャクづくし御膳》
 コンニャク・春菊、菊の花などなど入った炊き込みご飯
 コンニャクのはさみ揚げ(鶏肉)
 コンニャクのサラダ(マスタード風味)
 味噌田楽(ほろりと柔らか~)
 具沢山のけんちん汁  大満足の美味しい昼食でした!



柔らかいのに切り分けられる・・・
ちょっと不思議な感触になったお芋。
皆、なんとなく自分のカタチ?にして煮立ったお湯の中へ。



茹で上げて水にさらしたら、できあがり。

帰宅してもう一度、湯がいて灰汁を抜いて
さっそくいただいてみました。
スーパーで売っている蒟蒻とはまったく違う食感です。
歯切れが良いのですねぇ~ 美味しいです。



作業の合間に、ただ美味しいだけではない蒟蒻のお話も。
和紙に塗り重ねた蒟蒻糊の強さ。
そして、風船爆弾のこと。
ご紹介していただいたも大変興味深いです。

様々に、驚きの連続の「生いも蒟蒻づくり」なのでした。

春待月

2009年01月14日 | 散歩の途中
壁に向って置いてあるパソコンの並びに
今年は『草暦』をかけています。

1月は「春待月」。
お正月にカレンダーを開いて、このぴったりの言葉をしみじみ眺めました。

でも、草木はただじっと待っているのではありませんね。

↑の写真は
12日、今年の成人の日に開いたベランダの小さな椿。
真直ぐ天を仰ぐように咲きました。

晴れ着姿のお嬢さん達が行き交う中、
お宮の白梅がほころび始めていました。


同じ日
午後にはほんの一時、みぞれ混じりの雪が降りました。
駒場にある大学の構内はひっそりと、澄んだ空気がわたり。
木蓮でしょうか?
確かな営みを進めていました。




そして、昨日の空の美しさ。

富士山のまわりに優しい茜色の光に照らされた雲。
それはそれは美しく。。。
しかし、電話に付属したカメラでは写しきれませんでした・涙
かろうじて・・・ほんのり夕日を受けている雲。


夜、月は明るく、そして星もいつもより多く見る事ができました。
なぜだろう?と思うほど美しい夜空でした。

鏡開き 2009

2009年01月11日 | 暮らし
今日は今年の初めての満月。
しんしんと、身の内にしみる寒い夜に
大きな丸いお月様が浮かんでいます。
夜空が綺麗です。

そして今日は鏡開き。
我が家の“お飾り”は模造品ですので
底を剥がすと出てくる
一つ一つ包装された丸い形のお餅で。

今年はおしるこを作る餡の用意すら怠ってしまい・・・
さて、どうしたものか?と辺りを見渡すと
ありました 餡が。

お正月に頂いた「羊羹」・苦笑

ほんの少し甘いものがあればいいのだと
自分に言い聞かせるように、鍋に投入。
水を足して火にかけると、想像以上に上品なおしるこに。

冷たくなってしまうと、今度は水羊羹?のようになってしまいます。
あくまで暖かいうちに。

本当に少し。一口おしるこ。
お恥ずかしい。



それでも、今宵の満月に見立てたつもりです。

しかし、調子に乗って甘納豆まで入れてしまったのは間違いでした。
ほんの僅かでも、とにかく甘~~~い! 苦笑

七草粥

2009年01月07日 | お味噌
一月七日は無病息災を祈って、朝食に七草粥を食べる習い。だそうですが
我が家は夕食にいただきました。

七草…は殆ど揃わず、冷蔵庫の中の葉もの中心に。ですが
今年は♪お楽しみ♪が一つあるのです。

12月のワークショップから持ち帰ってきた柚子釜(味噌ゆべし)
軒下で寒風にさらして、一月程で食べられるようになると伺って
この日を待っていました・笑

蒸しあがったほわほわの柚子釜を和紙できちっと包んでいましたが
包みの中は、一月足らずで随分小さくなりました。
柚子の皮もじっくりと味噌色に。


断面はこんな様子。
くるみが確認できます。


さらに細かく刻んで、お粥と共にいただきました。
もう~柚子の香りが豊かで。
とっても美味しい~♪
次はどんな風にして、柚子釜いただきましょうか?
楽しみです・笑