まつかぜ日記

暮らしの中で思うこと

ハナミズキとツバメ

2010年04月27日 | 暮らし
写真は近所の街路樹。
10日ほど前に撮ったハナミズキです。
写真を撮ってすぐに、ココへ載せることができませんでした。

蕾を解いたばかりの花。。。現在は満開。
今年はどの木も花の時期が長いのかな?

2週間前に父が検査の為の入院をしてから
あれよという間に時間が過ぎていきました。

検査のハズが手術に変更。
2,3日の入院予定が延びています。

思いもよらない事は、当然、心の準備ができていない事なのですね。
父も私たち家族も、あたふたしてしまいました。

父は、現在 退院にむけてリハビリ中です。
退院するために、立ち上がり、歩く訓練をする。という事も今回が初めて。
冷静に考えれば予測できたことなのですが、これもまた、私たちにとっては思いがけないことの一つでした。

リハビリ・・・元気な憎まれ口?と同じくらい
がんばってほしいと思っています・苦笑

・・・・・・父が手術室から戻ってくるのを待つ間
病院の17階の窓から、ずっと外を眺めていました。
最初は遠くの高層ビルばかり見ていましたが、気がつくと
窓ガラスのすぐむこうに、ツバメと思われる白黒の小さな鳥が
猛スピードで飛び交っているのに気がつきました。
右へ左へ、急降下・・・それは見事な飛びっぷりで。
水族館のペンギンの泳ぐ姿と重なります。
こんなに高いところで、暮らしている小さな鳥の姿を
すぐ目の前で見ている。不思議な体験でした。

病院のこと、家族のこと、取り留めなく想いめぐらした後に
なぜか必ず、あのツバメ達の姿が思い出されます。

さくら ・・2010・・

2010年04月13日 | 散歩の途中
嵐のような強い風の日
玄関の扉の前に一枚の桜の花びらがありました。
6階の私の家の前で、動かずにいてくれた。
瑞々しい花びらでした。

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今年はジグザグお天気(TVの天気予報で、そんな風に呼ばれていました)

今度こそ、片付けようと思っていた冬のコートに
また袖を通す、とは。。。こんな会話を幾度したでしょう。
でも、おかげで桜の花を長く楽しむことができるのですネ。

昨日の帰り道。
傘の柄を深く持って、急ぎ足で戻る道はいっぱいの桜の花びらで。
明るく彩られた通りには、特別な清らかさが広がっているようでした。

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4月4日。
薄曇りでしたけど、いつもの緑道へ お花見。
川を塞いで作られたその道の、ずーっと先のほうでは
ちゃんと川がある(見えている)と知ったのは、つい数週間前のことで。
この日初めて、「川」の所まで歩いてみました。

曇り空の下では、花の色が少し濃く見えますね?

30分ほど歩くと、小さな橋がありました。
 
水草が花筏の路をつくり  

                レンギョウの枝にも桜咲き


かえる橋?
 
     鴨も歩く

 春の小川♫~

型染絵 =切手の日/午後の部=

2010年04月08日 | 好きなもの
3月28日(日)
午後は梅が丘へ。
ことり文庫さんで開かれていた『はねうたゆみこ 手紙用品展』。

はねうたゆみこさんのブログを時々訪ねては、とっても楽しそうな個展の様子を拝見していました。

型染絵のワークショップは、時間が足りないだろうと、
参加は難しいと思っていたのですが、気がつくとテーブルについていました・苦笑

型をぬいた所に糊をおいて防染。
そして染色、という作業にとても興味がありました。
糊の質感やヘラで置く感触、呉汁・・・たくさんの未知の世界があって
面白かった~。
でも、最後の最後まで解らないことだらけの私でした。


この日訪ねた二つの展の記念に、切手のつもりです↓。
モチーフは杏のつもり、なんです・苦笑


はねうた先生、おかげさまで無事に糊落としできました。
ありがとうございました!

スロヴァキアの切手 =切手の日/午前の部=

2010年04月08日 | 好きなもの
すでに先月の話になってしまったのですが
2010年3月28日(日)は、私にとって『切手の日』でした。。。

なんだか仰々しい書き出しですが・苦笑
勿論、ささやかな心の中の記念日です。

ずーっと気になっていた展示を二つ観に来ました。

午前の部はていぱーく〔逓信総合博物館〕の『スロヴァキアの切手展』。
午後は、ことり文庫さんの『はねうたゆみこ手紙用品展』


この日の「ていぱーく」
入るとすぐに、幼児向けTV番組のキャラクターのダンスに迎えられ(イベントの日だったのですねー。)
いたるところで小さな子たちが楽しそうに走る姿があり・苦笑
少々 身の置き所のない気配を感じましたが、目的の展示コーナーは
幸い「大人の空間」で、じっくり見学でしました。

切手の原画が、完成形(?)の切手と比べて
あまりにも大きく、非常に繊細な線で描かれていることに驚きました。
しかも、その絵をもとに出来上がりの大きさで版を彫りおこしているのです!
原画と切手・・・その二つが目の前に並んでいるのに、
どうしてそんなことが出来るのか?想像もつきません。
(実物を見てしまったからなおのこと、想像できないのかもしれませんね。)

それから、色彩豊かな切手の脇に押された初日用通信日付印(初日印)がとても良くて。
黒一色の細い線で描かれたデザインが、ずっと目に焼きついています。



ミュージアムショップで、つい買ってしまったスロヴァキアの使用済み切手。
紙袋代わりに使われていた封筒の絵が、沖縄のシーサーがある屋根の絵で
うれしさ倍増しました・笑

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切手ではなく、余談ですがー


NTTのコーナーで見つけた懐かしい電話。
幼い頃の、家の電話はこれでした。4号自動式卓上電話機という名前と知りました。
確か、、、受話機の重さに存在感がありましたぁ。

ある日、電話の調子が悪くなって 修理の人に来てもらったら
新しい機種(600型電話機)の四角くて軽い電話機に
無断で換えられていて、家族で残念な思いをしたという昭和の思い出があります。

IWATATE FOLK TEXTILE MUSEUM

2010年04月05日 | 手仕事のもの
数年前、入手した“簡単に作れる夏服の本”の最後のページに
いい風合いのタッサーシルクが入手できる店として
紹介されていたのが、岩立フォークテキスタイルミュージアムの前身『カディ岩立』でした。

それから、何度か館の前まで行ったことはあるのですが
いつもお休みで(私が週に2~3日の営業日を、すぐに忘れてしまうからです)
そのままになっていました。

昨年、ミュージアムとして新たに開館されたことをhuiziさんのブログで知り
4月1日、館長の岩立広子氏の講演会に行って参りました。

(*huiziさん、いつもありがとうございます!)

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現在の展示は『第2回展 刺繍 接ぎ合わせから始まったテキスタイル』。
お話は
主にインド、パキスタンの大きな飾り布の解説と、収集の経緯について。

手仕事の布。
館内の布は、王侯貴族の為に作られた贅を尽くしたものではなく
家事の合間に作られた、家族のための布です。

たとえば
家に男の子が生まれたら、おばあさんが「布」をつくりはじめる。
長い時間をかけて作られた布は、家族の歴史とともに育まれた布。
それは、いつか迎える男の子のお嫁さんに渡されるのだそうです。

印象に残ったお話ーーー

インドの布といえば、華やかで多様なデザインと手法が
融合しているようなイメージを持っていましたが
刺繍が盛んに用いられているのは遊牧民の「布」に集中しているのだそうです。
・・・確かに、移動する生活に大きな機織の機材は向いていないですね。

個々の家の中で、家族に伝承されていくもの。
家事の合間に進められる手仕事、と考えると
「刺繍」は機織りよりも高度な技術を必要としないからではないか。
というお話もありました。

また、カンタとよばれる刺し子刺繍の敷布には、文様の流派や地域的な特徴などが
見受けられず、一つ一つが非常に個性的なデザインで作られていて
とても不思議だった、というお話も。

・・・・・・・

たとえば、「こぎん刺し」を考えてみるとーー

魔よけや、豊かな暮らしを願って施される刺繍といえば
私がすぐに連想してしまうのが「こぎん刺し」なので・笑

こぎん刺しの文様には地域的な特徴があるそうです。
気候風土がデザインの特徴をつくり、
日常的な生活地域の中で、技術が伝承されていたから、と考えられます。
国は違えど、人の作るもの。
皆、同じように人から人へ、地域の中で育てられていくものだと思っていました。

・・・・・・・・・・・・

タンカの不思議・・・岩立さんは作り手の暮す農村が広大で、
他者からの影響を受けないからか?と想像されていたそうです。
そしてある日、出会った農家の女性と話していて
「この家に嫁いでから、一歩も敷地の外に出たことがないので、隣の人の顔も知らない。」と聞き、
タンカの不思議の謎が解けたような気がした、と話されました。
(正確には細かな部分が違っているかも知れませんが、概ねこのようなお話だったと思われます。)

宗教的な理由もあって、女性が人前に出ない生活をしているそうですが
農家といっても、家の周りの敷地はさほどの広さでなく。
とても驚かれたそうです。(本当に。容易には想像できません)

小さな庭に咲く花々だけを見ながら、あのタンカを作っていたのかと思う。と
感慨深げにお話されていた姿が、とても印象的でした。
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展示室は思ったより小さな部屋でしたが
壁に隙間なく掛けられた布は、簡単には通り過ぎることができない
濃密なものばかりで、見ごたえがありました。
・・・と言っても、その密度に気づいたのは講演後。至近距離で布と向かい合った時からで。
用意された椅子に座って、なんとなく壁にかけられたインドの布を見ていたときは
ハワイアンキルトを想わせる大きな花柄のアップリケ?や
古い更紗の布?も混ざって展示されていると間違えていたのです。
まったくお恥ずかしい話ですが、展の趣旨を理解しておりませんでした(恥!!)

しかしそれは全てが刺繍でした。(展のタイトルが「刺繍」なんですから、当然ですね)
花の形に布を縫い付けているように見えたところも
細い線で描かれたペイズリー柄の輪郭線も、全て針で刺し埋めたものでした。
そして、地布の白い部分もぜーんぶ縫い取ってあるのです!

『民藝』2007年10月号の表紙

↑この実物も展示されていました。

印刷物ですが、近づいてみると・・・

白いところにも全て針目があります。

館内は写真撮影できません。
できることなら、全て目に焼き付けて帰ってきたかった。。。

特に、新しく入手されたという 四隅がペーズリー柄の布の滑らかさ(触れてはいませんが・苦笑)
中央の無地の部分が、起毛しているように
もしくは、きれいな浜辺の砂を乳鉢で小さくして撒いたみたいに見えるのですが
顔を近づけてよ~く見ると、非常に細やかな縫い目で埋め尽くされて
その僅かな凹凸が起毛布のように見えてしまうのでした!

講演会に集まられた方々は、皆さん“ただならぬ人”の気配で・笑
どんな技法で作られているのか?見たこともない様な布を
身にまとっている方も数名いらっしゃいました。
緊張もしていましたが、終始和やかな雰囲気の中
講演後にはスパイシーなミルクティとフルーツケーキも頂戴し。
充実した時間を過ごすことができました。

今展は5月1日まで。
次回は、2010年5月13日ー7月31日「更紗-木版、手描きのテキスタイル」