オリエンテーション(指針)
私の考え方や、オピニオンは、「頭でっかち」や、「空論」にならないように、しっかり観察し、そこから何らかの法則を引き出し、私なりの「仮説」を立るようにしています。その後も、しっかり観察を続けて、そう言った現象が、再発、再現するかどうか見極め、あるいは、また、読書等(最近ではネット)を通じて、情報収集し、同じ考えの方がいないかどうか、あるいは、仮説を理論的に裏打ちしてくれる情報がないかどうか等を意識して探しています。
そういう意見や情報が見つからないうちは、それらは、残念ながら、全く、私の「独断と偏見」と言う訳です。しかし、もしそういう意見や情報に接しますと、話が違って参ります。「私の観察、仮説は、満更でもなく、間違ってはなそうだ」と、少し自信が湧いてまいります。そして、更に、2例、3例見つかったとしますと、もう、その考えは、ほぼ「正しい」あるいは、「真実」に近いと自信がつきます。そして、「仮説」は、単なる「仮説」から「マイ・オピニオン」へと成長いたします。
3年前、日本語教育指導者講習を受け、「この教え方はおかしい」と感じました。海老原先生や、岩崎先生をネット上で発見した時、そこで、私の「感じ」「考え方」は、正しい、間違っていないとの確信が持てたのです。そこから、何が原因で、こんなバカなことになっているのか突き止めたくなり、また、ならば、何をどうすれば良いのと、それを、突き詰めてやろうと考えてやってきました。詳細ないし経緯は、このブログに全て記しています。そして最近になりまして、似たような考えをお持ちの方を何人か発見でき、やっと前が見えてきたような感じになりました。
そして、彼女らの素晴らしいのは、30年前(本当は、もっと前かも知れません)に、それに気が付き、系統だった解決方法を考案し、事業を起こし、継続、実績をお上げになっていることです。
「その172 New Text」で紹介いたしました「80/20 Japanese」のオーナーのMr. Richard Webbは、「あなたの発音が聞き取ってもらえるということが、最も大切だ。それが出来れば、文法がどうであろうと、聞き手に分かってもらえる」と、「いくら文法が正しくても、聞き取ってもらえなければ、全く役に立ちません。」と言っております。私もまったく同感です。また、ベトナム在住の日本語教師KENさんの話では、現地の日系の会社の部長さんは、「拙い日本語でも、お互いに内容を正しく把握できれば、実用に耐ええる」とおっしゃっています。例え、ブロークンであっても使い方をうまくすれば、企業の実務の段階でも使用できるということになります。私の外国語習得の目標もその程度であり、実力もその程度でしか有りません。あるいは、ワーカーと冗談が言えればさらによろしいという考えです。その辺まで出来ますと、彼らの態度も、お客さん扱いから、仲間扱いに変わって参ります。
そして、また、彼は、日本国内で使っているローマ字50音表は、英語話者以外の学習者には、必ずしも正しくありませんよともおっしゃって、独自の50音表をお作りのようです。私が主張します「母国語の言葉あるいは、母国語の文字であらわした50音表」と同じ考えだと考えます。
さて、この延長線に何が有るかと申しますと、使用語彙を増やしなさいと言うことにつながると考えます。経験したことのない言葉をいくら並べ立てられても、聞く方にとって見ますと、それは、単なる「雑音」や「騒音」に過ぎません。日本語の網を張ってそれに引っかかってくれるようにする必要が有るでしょう。最初は、網目の大きな網かも知れませんが、更に、目の細かい網に変えて行ければ、網に捕捉される日本語が増えて参ります。理解語彙を増やし、次いで、繰り返し訓練して、使用語彙に変換しなければなりません。「はじめの500ご」や「こんにちはにほんご」が、それを助けてくれます。これらもすでに、事業化されています。また公開されてもいます。
更に、その後になりますと、英語会話で「60フレーズ」とか「81センテンス」とか言いますように、頭の中にあるものを、そこに留め置かずに、すぐ口を突いて出てくるようにする仕掛けや準備が必要になると考えます。と言いますように、私としましては、このレベルまでへの指針がかなり明確になりましたと言う訳です。
更に、スマホが、若者の必需品となりつつある現在、それを、使って、忙しい彼等若者の隙間時間をトレーニングに充てられるように段取りを付ければ、間違いなく、彼らは、その誘いに乗ってくるものと考えます。準備がなくても独習できる教材。
現在作り掛けの媒介語を使った上記の絵、対訳と音声の付いたフラッシュカードの教材を、更に、整備し、今日からでも使えますよという段階にまで、早急に整備したい。更に、時間が有れば、更に取り扱う言語も増やしたいと考えます。そして、媒介語を使った教材が有効だと確認できれば、次のステップ(直説法の教材)へと進みたいと考えます。
恐らく、そのあたりまで参りますと、もう、媒介語と決別して、直接法の教材でやって行けるでしょう。既に、直説法でトレーニングに使うフラッシュカードも、いくらか準備しています。
ということで、そこまでの段取りは出来ました。後は、実施が残っているだけです。これは時間が解決してくれます。その次は、私自身の課題で、直ぐ教壇に立って講義が出来るようにならなければならないということです。教案をまとめ、実際にそれらを、空で実行できるように習熟する訓練をしたいと考えます。先ずは海老原先生の考え方に沿って進め、私の頭の中の日本語教育の実際を作り直し、その後、「できる日本語」や「まるごと」にも適応できるようにしたいと考えております。
私の力点を、「考え方」はもう卒業し、「教材整備」に移し、ついで、「日本語教育法を再学習」「教案の作成」「そらで、教案の実行ができる」という方向に進みたいと考えます。