ばばちゃんのおっちゃんの日本語の先生への道

日本語の先生になろうと一念発起いたしました。

その160ことばの記憶

2018-04-19 16:41:31 | 6.私の感想・考え

ことばの記憶

「その131 日本語学習おさらい」で、いろいろ考え方、方向性を述べましたが、「だったら、どうやればよいの?」と具体的な解決方法が必要になります。

先ず、私の考えでは、出来るだけ早く、「幼児の会話」のレベルに持って行ってください。」とのお勧めです。そう致しますと、例え拙くてもコミュニケーションが図れるでしょうし、その域に達しますと、ご自分で、自習してレベルアップも図ることもできるでしょうというのが私の考えです。

そのためには、先ず、「日本人に日本語として聞き取ってもらえる発音が、出来ないと、スタートできません。出来るだけ早く日本語に近い発音を身に付けてください。」ということになります。そして、その手っ取り早い方法として、「母語を使って、日本語の発音に近づける」方法が有るんですよというところまで、提案できたと考えます。(但し、今のところ、英語話者用の五十音表しか準備できておりませんが)

 

 そして、音を上手く発声出来れば、今度は、ボキャブラリーを増やすんですよということになります。あなたが、あるいは、他の人が、そこそこのボキャブラリーを持っていて、それなりに発音が出来るようになったと仮定してください。こと成人のネイティブとの会話に限れば、拙くはありますが、ほぼそれで意思の疎通が出来ると思いませんか。幼児と大人との会話をイメージしていただければ出来そうでしょう。

 

 そこで、ボキャブラリーということになります。池谷裕二博士は、「非注意性盲目」という言葉をお使いですが、我々の脳は、意識をしないと「見ていても、見えず」「聞いていても聞こえず」という現象が起こっていることを知っています。また、脳は、新しいことが嫌いです。そこで、しっかり意識して、「覚えやすい単語から覚える」、また、場面を想定して、「ご自分が必要と思う言葉から覚える」というのは、いかがでしょうか。教科書には、覚えにくい言葉も沢山出てきます。しかし、最初の間は、スルーしてもいいのではないでしょうか。私の場合は、なるべく薄い参考書を数冊用意して、あっちをやったりこっちをやったりして、自分に必要な言葉やフレーズを探しながら覚えました。そして、うろ覚えの言葉では、全く会話には役に立ちませんので、ことばを選んで確実に覚えることに専念しました。

 

 相手の話を聞き取る場合は、ボキャブラリーの網を広げていて、どれだけ多くの言葉がその網に引っかかってくれるか、そして、その網に掛かった言葉をどう繋ぎ合わせて、どんなストーリーをイメージできるか。あるいは、より正しいストーリーをイメージできるかということになります。目の粗い貧弱なボキャブラリーの網では、引っかかってくれる言葉は少なくて、ストーリーがイメージできません。最初は広い網、徐々に目の詰んだ細かい網にする必要が有るでしょう。

 

記憶するにあたって、脳科学の情報をお借りしますと、

・単純過ぎると、却って、記憶しにくい。

 ひらがなを覚える時、一個一個覚えるのでは、無味乾燥で、面白くもなく、覚え難いものです。そこで、「24語で五十音」という論文が有りましたが、これも他の仮名と結びつけて意味のある単語にして覚えなさいということでしょう。

 また、私が推奨します「母語の単語による五十音」もこれに類した考えからであり、これにつきましても、一音一音覚えるよりも、意味のある単語と一緒に覚える方が憶えやすいと考えます。更に、モデルが有りますとキャリブレーションできるというメリットも有ります。

 また、言葉単体から発展して、カテゴリーで括った言葉のグループが有ります。例えば、食べ物、乗り物、文房具、趣味等々、カテゴリーとして関連付けて覚えると、覚え易くなると考えます。更に、コロケーションと称して、使用頻度の高い言葉同士を結び付けて、一つの句とし、更に、その組み合わせを色々集めて覚えるという方法も有ります。

 漢字につきましても、一個一個覚えるよりも、和語にして、意味を理解し、訓読みをしっかり覚えるとか、ある程度の漢字の蓄積が出来ますと、熟語にして覚える方法が有ります。意味を持った熟語で覚えますと、以後の運用もスムースになるでしょう。繰り返して覚えますと、頻度が多くなり、記憶を助けてくれます。

 

・インプットだけよりアウトプットした方が記憶しやすい。

 アウトプットとして、他の感覚器官や、運動器官を一緒に使って行う方が、定着し易いそうです。これは、通常昔から我々が良くやっている方法で、目で見て、声を上げ、手で鉛筆を走らせながら覚えるという方法です。博士の話では、それは、脳科学的には、叶っているという話でした。

 更に手持ちのボキャブラリーで、文章を作り、口から発することです。言葉をいくつか集めて、短文を作り、発声する訓練をすることです。そして実際の会話に使って見ることです。

 

・記憶するものに感情の色を付けた方が記憶に残り易い。強ければ猶更残ります。

 脳の内、海馬は、一時ストレージだけで、そのあと、必要なものは、前頭葉前部に送り、そこで、記憶として蓄積されます。その時に、その記憶には、感情のレベルで、トリアージの如く、記録されていて、それを弁別し、ランク付けをして格納されるそうです。良い方にも悪い方にも激しく感情を揺さぶったものが強く残ると言う仕組みだそうです。何か感情的な出来事と結びつけて覚えてください。

 

尚、英単語を覚えるという記事が有りましたので、参考にしてください。

英語学習のための脳科学入門

http://blog.etn.co.jp/neuroscience-8/3549.html

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする