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ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

ナナホシキンカメムシ

2025-04-07 14:28:52 | その他昆虫と話題

 ナナホシキンカメムシ Calliphara excellens (Burmeister, 1834)は、半翅目 (Order Hemiptera)キンカメムシ科(Family Scutelleridae)ナナホシキンカメムシ属(Genus Calliphara)で、国外では台湾、東南アジア、国内では奄美大島,喜界島,沖永良部島,与論島,沖縄島,大東諸島,宮古島,石垣島,西表島に分布する。体色は強い金属光沢のある青緑色で、黒色の円紋が並ぶ。脚の腿節は鮮やかな紅色で、 小楯板(しょうじゅんばん)に4~7個の濃紺色の円紋があることが和名の由来である。色彩や形態が、まるでカナブンなど甲虫のように見えるが、カメムシの仲間である。体長は16ミリ~20ミリほどで、カメムシとしては大きいほうである。
  ナナホシキンカメムシは、カンコノキ類やタイワンツルグルミなどの実の汁を吸うが、これら食草に群生していることが多く、冬季には葉裏で越冬集団する様子がしばしば見られる。また、繁殖期直前の4月にはユニークな求愛行動が観察される。オスが体を振動させたり、メスの周囲を回ったり、触角で触れ合ったりと、ダンスを踊るのである。それが求愛行動であることを明らかにした林研究・整備機構の森林総合研究所と弘前大学の研究グループによれば、昆虫でこうした行動が見られるのはたいへん珍しいという。その動画は、こちらをご覧いただきたい。「
ナナホシキンカメムシの求愛ダンスの動画

 ナナホシキンカメムシは、2022年の石垣島遠征時では出会えず、6月末に2度回訪れた沖縄本島では、成虫の時期ではなかったこともあり、今回の遠征においては、撮りたい昆虫のリストに挙げていたが、結果は、あえて探すもなく林縁の葉上のあちこちで見ることができた。
  ちょうど繁殖時期であり、葉上でオスとメスのペアもおり、オスが一回り大きなメスの周囲を回ったり、小刻みに体を震わせる行動も見ることができた。残念ながら交尾まで至るペアはいなかったが、オスの賢明な行動を愛らしく感じたひと時であった。

 以下には、本種以外に見つけて撮影したミヤコキンカメムシ Lampromicra miyakona (Matsumura, 1905) も掲載した。 

以下の掲載写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

ナナホシキンカメムシの写真
ナナホシキンカメムシ
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 2500 +1/3EV(撮影地:沖縄県石垣市 2025.4.02 8:54)
ナナホシキンカメムシの写真
ナナホシキンカメムシ
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 2500(撮影地:沖縄県石垣市 2025.4.02 8:31)
ナナホシキンカメムシの写真
ナナホシキンカメムシ
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 3200(撮影地:沖縄県石垣市 2025.4.02 8:31)
ナナホシキンカメムシの写真
ナナホシキンカメムシ
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 3200(撮影地:沖縄県石垣市 2025.4.02 8:34)
ナナホシキンカメムシの写真
ナナホシキンカメムシ
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 2500 +1/3EV(撮影地:沖縄県石垣市 2025.4.02 8:44)
ミヤコキンカメムシの写真
ミヤコキンカメムシ
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 3200(撮影地:沖縄県石垣市 2025.4.02 8:16)
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