ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

ヤマキチョウ属2種

2015-10-16 22:42:15 | チョウ/シロチョウ科

 シロチョウ科のヤマキチョウとスジボソヤマキチョウ。レモン・イエローの美しい2種は、半逆光で撮影することで魅力を引き出せる。

シロチョウ科(Pieridae)

モンキチョウ亜科(Coliadinae)

ヤマキチョウ族(Gonepterygini)
ヤマキチョウ属(Gonepteryx)
ヤマキチョウ(Gonepteryx rhamni maxima)
スジボソヤマキチョウ(Gonepteryx aspasia)

ヤマキチョウ(Gonepteryx rhamni maxima)
 8月頃に羽化し、そのまま成虫で越冬して翌年5月頃まで見ることができるが、分布は極めて狭く、青森県と岩手県、 長野県と山梨県の一部地域にしか生息していない。これは、ヤマキチョウの生息環境が乾燥した明るい高草原地帯で、幼虫の食樹がクロツバラのみであることが所以であるが、 環境悪化や採集等により、生息地においても数は減少傾向にある。
 近縁種のスジボソヤマキチョウに似ているが、形態では、前翅先端の突起が弱く、翅に赤系の縁取りがあることで区別できる。
 環境省レッドリストでは絶滅危惧IB類に選定され、近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種である。

ヤマキチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 +1EV(撮影地:山梨県富士河口湖町 2013.08.27)

スジボソヤマキチョウ(Gonepteryx aspasia)
 紀伊半島を除く本州と四国に分布し、高原や林縁、渓流沿いなどに生息している。食樹は、クロツバラの他にクロウメモドキも食べる。 生態的にも相違点があり、スジボソヤマキチョウは、ヤマキチョウよりも早い7月に羽化し、しばらく活動後、夏眠する。9月頃になると再び現れ、 ヤマキチョウ同様にそのまま成虫で越冬し、春に産卵し、5月頃まで生き続ける。
 山梨県や長野県等では比較的出会うことが多い種である。

スジボソヤマキチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F5.0 1/500秒 ISO 200 +1EV(撮影地:長野県長野市鬼無里 2014.7.12)

参照
ヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ(夏眠前)
晩夏のお花畑にて

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.

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