キタキチョウ Eurema mandarina mandarina (de l'Orza, 1869) シロチョウ科(Family Pieridae)キチョウ属(Genus Eurema)に分類されるチョウで、秋田・岩手県以南の本州、四国、九州、南西諸島に分布するが、以前、和名は「キチョウ」であった。しかしながら、近年のDNA分析によって、南西諸島に生息しているものの中に異なる種がいることが分かり、それをキチョウ(ミナミキチョウ) Eurema hecabe hecabe (Linnaeus, 1758) とし、本種は「キタキチョウ」となった。
キタキチョウは、ネムノキ、ハギ類のマメ科の植物が食草で、平地~山地の樹林の周辺や草地や畑、市街地などでごく普通に見られるチョウである。5月下旬頃から発生し、以降連続的に(5~6回)発生して晩秋に至るが、幼虫期の日長と温度によって夏型と秋型の季節型が現れる。季節型には、形態的な差異があり、夏型は翅表外縁の黒帯の幅が広いが、秋型は黒色の縁が先端に少し残るか、もしくはない。初秋の頃は、夏型と秋型が混棲するために個体数が多く、晩秋になると秋型のみが現れ、そのまま成虫で越冬する。
様々な花に止まって吸蜜するが、忙しなく移動する。夏には、湿った場所や河原などで吸水している姿も見ることができるが、翅を開くことはない。
キタキチョウは、先日、訪れた植物公園のハギの周囲で乱舞していた。モンシロチョウよりも一回り小さく、また黄色が印象的だ。どこでも見ることができる普通種であるため、じっくりとカメラを向けることが少ない種であるが、不順な天候続きの昨今、9月10日の「マダラヤンマ」以来何も撮影できていない週末が続けば、普通種であっても貴重(キチョウ)な被写体である。止まると翅を開かないので、逆光で翅表外縁の黒帯がよく分かるように撮影した。
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キタキチョウ / 夏型
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 200(2016.10.2)
キタキチョウ / 夏型
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO 200(2016.10.2)
キタキチョウ / 夏型
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/320秒 ISO 1250 (2010.08.29)
キタキチョウ / 秋型
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO 800(2011.10.18)
キタキチョウ / 秋型
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 320(2016.5.5)
キタキチョウ / 夏型
Canon EOS 7D / SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F13 1/40秒 ISO 250 -1 2/3EV(2016.6.11)
キタキチョウ / 夏型
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 500 +1/3EV(2013.8.27)
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