幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

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 最終的に?

2010-08-20 22:08:27 | Weblog

 
 
  水銀を流し込んだレンズを掛けて
 
  ぼくは深海に沈み込んでいく黒く紫色の雲を見た
 
  それは永遠が終るという暗示だということを知っていて
 
  海流がその流れを止め
 
  雷光がその光を消し
 
  雨粒がその水滴を蒸発させ得ることを
 
  日常のありふれた景色の中で
 
  誰にも気づかれずに
 
 
 
  あなたの夢とぼくの夢がすれ違う
 
  
  
  ぼくの身体とあなたの身体が触れ合わないのは
 
  
  あなたは気づいていないから
 
 
  永遠が終るとき
 
  すべてのことが起こり得ることを
 
 
  あなたがぼくに言ったことは
 
  すべて僕の身体の中に突き刺さり
 
  溶ろけ
 
  全身を巡り
 
  今でもぼくの血をたぎらせている
 
 
  あなたは天使だから知っている
 
  その形而上学的な意味を
 
  地おけるように天にも!
 
  天におけるように地にも!
 
  そう祈るときの、その祈りの意味を
 
  それはとっても現実的かつ具体的、世俗的
 
  形而上学はリアルな電磁気学となって
 
  細胞膜の中のミトコンドリアを活性化し
 
  オルゴンエネルギーを励起させる
 
 
  とっても重く
 
  重力に逆らえず
 
  地球の中心の鉄の固まりの中心にまで
 
  沈み込んで
 
  一点に凝縮し
 
  ブラックホールに飲み込まれて
 
  世界が終るときにはじめて
 
  やっと
 
  ひとつになれる