本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

『行道仏教学』

2022-12-09 20:33:53 | 十地経

行動とよく似てますが

行道はやはり仏教用語

ですから、(ぎょうどう)と

読みます

行じて道となす、

というような意味でしょうか

 

講義の中で

この本が紹介されたのです

『行道仏教学』

行道という言葉に何かしら

惹かれるというか

素晴らしい言葉のように

思うのです

 

「行というようなことを

言い出した、

行道といって、道を行ずる。

これは僕の古い友人でしたが

大正の終わりごろですけど

京都大学にね、学友でしたが、

初めは西哲をやっていた

途中から仏教に籍を変えた、

在家の出の人でしたけども、

西哲から印哲に変わった人

です。

まあ後で花園大学の教師か

何かになった。

惜しいことには

亡くなりましたがね、

その人が本を一つ書いた。

自分の仏教研究をまとめた。

『行道仏教学』

というんですがね。

 

それは僕は非常にいい名前だ

なと思ったんです、

印象に残っているんですが、

行道仏教学。

 

世の中は狭いもんで、

あんた達はしらんかね、

佐藤通次というドイツ語の

字引を作った人がいました。

これは京大の出身で、

九州大学におられた。

『独和言林』といって

あの人の字引は有名です。

 

その人が仏教に非常に関心が

ある人で、

僕はその人の思想はあんまり

好まんですけど、

右翼的なところがあってね、

けどあの人の字引はいいです

あるひとつの堂々たる

言語学者ですわ。

 

その人が、『仏教原理』

という本を書いた。

何書いたんかと思って見たら

序文をひょっと見とったら、

今いった釘宮氏の

『行道仏教学』

というのものを

佐藤氏も読んでね、

非常に感動を受けたと、

今でもそれを手離すことが

できない書になった

ということを佐藤氏が、

いっとる。

 

やっぱりそういうあんまり

広告せん、

釘宮君というのは

非常におとなしい自己宣伝の

ない、

知らん人は今でも

知らんでしょうけど、

やっぱりそういう人が

やっぱり見る人があって、

見出すもんだなあと

思いましたが、

 

行道仏教学という言葉が

いいですわね。

普通は仏教哲学とか、

教理仏教学とか、

思想仏教とかと

いうものじゃない。

教理の仏教や思想の仏教

じゃあないんだ、

行道の仏教ですね。

 

何かそういう

「行」という立場からの

一つの仏教学というものがね、

考えられていいと思います。」

 

ということがあって

この本を調べていたら

何時もの古本屋

「其中堂」(きちゅうどう)

にあったんです

 

 

三条寺町にある

学生時代よく通ったものです

昔は所狭しと

本が積み上げられていました

今はすっきりと

整然と本が並べられています

 

 

見上げると昔からの

店の名前が掲げられています

 

 

まあ店の形は昔のまま

 

 

値段は2200円

あまり人気がないのでしょう

こんな立派な本が

初版は5500円で売られていた

ので当初は高価な本だった

のでしょう

 

釘宮武雄という人

明治35年、大分県の生まれ

昭和14年、38歳の時に

この本を出版されています

昭和23年47歳で亡くなられ

ています

この本を一冊だけ

書かれているのです。

 

本は誰の手にも触れなくて

そのままの状態で古本として

残って来たようです

 

少しずつ読み進めてみようと

思います。

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 必然をもって自由となす | トップ | 字眼(じがん) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

十地経」カテゴリの最新記事