本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

『ごまかさない仏教』

2017-12-26 20:49:54 | 住職の活動日記

ちょっとお坊さんには

耳に痛い本かも知れませんが

『ごまかさない仏教』という本が

出版されました。

 

 

ときおりお話を聞いている

佐々木閑先生からの紹介で

求めたのです。

 

対談形式で

評論家の宮崎哲弥さんとの

共著になります。

宮崎さんもテレビでよくお見受け

しますが、幅広い見識で

仏教についても私たちよりも

はるかに造詣が深いようです。

 

帯のところには

「日本の仏教理解は

 いい加減過ぎる!」

と、警鐘を鳴らしておられるようで

「ブッダの教えに立ち返り、

 根本原理から問い直す」

とあります。

 

佐々木先生とお話したとき

この本を出すまでに

3年ほどかかった、

ということだったようです。

対談の後、

お互い校正を入れ補考したりして

時間がかかったということです。

 

対談の難しさ

そしてそれを本に仕上げる

というと時間が必要なのでしょう。

以前、

安田先生と日蓮宗の茂田井氏の対話

が『不安に立つ』という題で

本になりましたが、

対話の形式はとっているものの

茂田井氏が安田先生に聴く

という形で進んだようです。

 

何も二人でお互いの共通点を

探るのではなく、

話せば話すほどお互いの立場が

明らかになってくるのが

対話の大事なところではないかと

話しておられました。

 

この本も、

仏・法・僧から問い直す

ということですから

大きく、

仏と法と僧という三部構成で

第1章 仏-ブッダとは何者か

第2章 法-釈迦の真意は

       どこにあるのか

第3章 僧-ブッダはいかに

      教団を運営したか

というように

釈尊の教えの根本に忠実にそって

話が展開して行きます。

 

本の帯の裏には

仏教でもっとも大切な基本が

あやふやになってませんか?

●どのお経が「正典」と

    されているのか?

●なぜ「梵天勧請」は決定的瞬間

     なのか?

●釈迦は本当に「十二支縁起」を

     悟ったのか?

●なぜ「無我」と「輪廻」は

     両立するのか?

●善い行いをしても「業」は

     生じるのか?

●時間は「未来→現在→過去」の

     順に流れるのか?

●日本仏教になぜ「サンガ」が

     ないのか?

と、問いかけておられます。

 

お釈迦さまの説かれた原点に

立ち返り、もう一度見直すには

絶好の書ではないかと思います。

 

新潮選書から出版されています。

 

 

 

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« デコポン | トップ | 高齢者用肺炎球菌ワクチン予... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

住職の活動日記」カテゴリの最新記事