先日、金峯山寺にお邪魔して、
ご本尊 『 金剛蔵王大権現 』 をお参りして以来、
この仏様が気にかかっていました。
名前の由来も不思議です。
「 蔵王 」 と書いて ( ざおう ) ZAOU と読む、
普通に読めば ( ぞうおう ) ZOUOU それが訛って、
( ざおう ) となったのでしょう。
仏教に出てくる仏さまはほとんどが、インド由来の仏さまです。
ところが、この 「 金剛蔵王大権現 」 は日本発祥の仏様のようです。
伝えるところによると、
『 役小角 』 ( えんのおづぬ ) が金峯山寺で衆生を守護する
仏を祈請したところ、最初は
「 釈迦如来 」 そして 「 千手観音 」 最後に 「 弥勒菩薩 」 が
現われた。
しかし、役小角は満足できず、さらに祈請したところ、
この 「 金剛蔵王大権現 」 が出現した、
これこそ、自分の意にかなう仏として 「 金峯山寺 」 に祭祀した、
ということです。
ですから、蔵王堂の 「 金剛蔵王大権現 」 は
まさに、 『 青が荒ぶる 』 というように
そのお姿は7メートルもあり、全身真っ青で、
その怒りも頂点に達したように、私たちを見下ろしています。
でも、わかったようでわからない ???
やおら、
という、本を引っ張り出してきて、読み進めてみました。
私は醍醐派のお寺なのですが、恥ずかしいことながら、
修験のことは全く知らなかったのです。
しかし、読んでみると実に面白い興味深いことが書いてあります。
そこで、私なりに気になった一文が、
『 和歌森太郎 』 氏の
「 金剛蔵王権現の前身を執金剛神としながらも、
そこに見られる 『 金剛 』 の文字に注目して、
その背景に鉱山神の信仰があることを指摘している。」
また、 『 五来重 』 氏は
「 金剛蔵王権現という語のうちには金峯山に埋蔵する
金属を支配する王という意味があるのではないか。」
と、興味深いことを述べられています。
さらに、 『 宝田正道 』 氏は
「 金峯山を黄金所成の地とする伝承に注目し、
『 金峯山信仰の伝説とその思想的展開 』
という論文を出しておられます。
そして、それに関連して、面白く思ったのは
『 石山寺 』 です。
ちょうど、醍醐寺とは背中合わせのような位置関係にあるお寺で、
東寺の末寺になり、私のいる頃、
石山寺の座主 「 鷲尾隆輝 」 さんは東寺の長者を兼務しておられました。
この石山寺の本尊が 『 如意輪観音 』 で、
その脇時は 「 金剛蔵王権現 」 と 「 執金剛神 」 を
おまつりしてあります。
石山寺の開創は 「 良弁 」 ( ろうべん ) 、 で
また、大仏造立にあたり、大量の金の調達を良弁に命じた。
金峯山寺はその名の通り 「 金の山 」 と信じられていた。
良弁が祈ったら 「 金剛蔵王権現 」 のお告げで、
『 金峯山の黄金は56億7千万年後に弥勒菩薩が現われて
衆生を救ってくれる。
そのために、その地を金で覆うために使うもので、
大仏造立には使うことができない。
近江の地 湖水の南に観音の現われたまう地がある、
そこで祈れ、 … ( この地が石山寺 ) 』
そのお告げの通り、2年後に
陸奥から黄金が産出され、大仏造立が出来たということです。
そして、良弁は 「 東大寺 」 の最初の別当に任じられています。
面白かったのは 『 金剛蔵王大権現 』 を中心にして、
金峯山寺 石山寺 醍醐寺 が繋がってきたことです。
ざ~ としたことで、申し訳ないのですが、
なまっかじりながら、とてもおもしろく
さらに、探っていく興味を覚えました。
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