本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

残念・無念・一念発起

2021-07-15 09:38:05 | 住職の活動日記

孫たちの様子を見ていると

精一杯遊んで

まるで電池が切れたみたいに

寝てしまいます

今のリチウム電池のように

前の乾電池と違って

自然とエネルギーが切れていく

というのではなく

ゼロか100かのように突然

切れてしまいます

その時その時に完成している

というか燃焼しきっている

ような気がします

 

私にとっては(老化?)

かもしれませんが

思いが残って

ああすればよかった

こうすればよかったと

悔いというか、

念が残ってしまいます

また思いもなくなり

無念になることが多いようです

 

念ということも面白く

若い方は「今の心」と読んで

いる方もいらっしゃるようです

 

仏教では大切な意味を持っていて

念という時間も表し

刹那セツナということと

同じ意味合いをもっている

また、

念仏・念法・念僧といって

十念の中の三念を表し

この時の念は観想とか思念という

また、憶念不忘ということもあり

明らかに記憶し忘れない

という意味を持っています

 

それから、

仏道修行の三十七道品の中の

五根ゴコン・五力ゴリキの中に

念根・念力という項目があります

この時も、深く心に想い記憶し

忘れないという

そういうハタラキです

 

そういうハタラキを失くしたのが

失念という言葉です

今では、「忘れました」

というと、それで通るのですが

仏教では

「忘れる」ということを一番の

罪といいます

 

また、「念」には

三念という仏法僧の三宝を念ずる

念仏・念法・念僧の外に

戒律と布施を念ずる

念戒・念施があり

天の世界を念ずるという念天

心の静けさを念ずる念休息ネンクソク

呼吸を整えて妄想を除くという

念安般ネンアンパンがあり

念身という身の無常を観ずる

念死という死を念ずる

という十の念(十念)があります

 

念といっても幅広く

多くの内容を含んでいます

が、よくよく見ると

どれをとっても大切な「念」

ということのようです

 

しかし、

ここで一念発起(イチネンホッキ)

(もう遅いかもしれませんが)

志を起こすに早い遅いはない

といいます

発起というのは

ホツと読むのは仏教読み

発心菩提ホッシンボダイ

というように

仏という目的地に到達する

というより

仏をの方向を目指す

その方向を向くということが

大切なのでしょう。

 

 

 

 

 

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