本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

食事作法(じきじさほう)

2017-08-07 17:32:58 | 住職の活動日記

東京からの孫たちがやって来ました

食事も終り、

早速、

プリキュアとかアンパンマンを

タブレットで見るとねだってきます。

 

その時ふと思い出したのです。

 

「食事が終わっても

皆終わるまで待つのも修行」

と、先日の相国寺での参禅

終わって、お斎(お粥)の時

でのことです。

最初の日は後ろの席で、

音を立てないようにということで

箸ですくいながら頂きました

二日目は前の席で

目の前に指導するお坊さんがいる

音はたてないもの

どんぶりほどの朱塗りの器を

持ち上げ、口の中に掻きこむように

あっという間に食べられました。

子どもさんには当然多い量で

食べられなかった分は

お父さんが食べて下さい

ということで、

全員が終わったところで

「ごちそうさまでした」

と終りました。

 

お坊さんの食事(じきじ)作法

の時は、柝(たく)の合図で

終わるということです。

 

今回も食事(じきじ)作法として

「五観の偈」を唱えました。

この言葉もとても深い意味があり

ただ単にお腹かが空いたから

頂くというものではなく、

「いただきます」

ということも、

あなたの命をいただきますという

ことです。

 

そういえば、

東寺にいた時も高校生と共同生活

ということもあって

もっと簡単な食事作法をして、

「み光のもと われ今幸いに

この清き食を受く

慎みて父母のご恩を思い

品の多少を選ばじ いただきます」

という言葉だったと思います。

最初の頃は、

さほど思わなかったのですが

修行に入ったとき、

一人でこの言葉を唱えました

食事は二食(にじき)といって

朝昼の二回、夕食はありません

腹ペコの状態で朝のお勤めも終り

最初に頂く食事は

お茶一杯でも前身の細胞に

行きわたるようで

この食事作法の言葉が身にしみました

 

この食事作法は「洛南高校」でも

実践され、

修学旅行の時は全員が覚えて

ドライブインでもホテルでも

800名の生徒さんが一斉に唱える

食事作法は圧巻でした。

他のお客さんも一瞬、

何事かと!!

しかし、規律正しい生徒の姿に

感心して見入っておられました。

 

最近では、「食育」ということが

唱えられていますが、

バランスよく偏らないで

美味しくいただきましょう

ということもいいのですが、

世の中には飢えで苦しんでいる

人たちも沢山おられます。

 

食べるということは

いのちを頂くということを

私たちが生きているのは

多くの命の犠牲の上に

成り立っているということを

思いおこさなければ

いけないのではないかと思います。

 

 

 

 

 

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