本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

陀羅尼・ダラニ

2021-03-02 19:36:03 | 住職の活動日記

「陀羅尼」ということも

何気なく、そうも気にせず

というのも、

勤行では

「阿弥陀如来根本陀羅尼」

というのを唱えていますし、

また、お腹の調子が悪い時は

 

 

この「陀羅尼助」が愛用で

なにせ何でもよく効きます。

そういう身近に「陀羅尼」という

言葉があったので

さほど気にならなかったのですが

何気なく辞書を引いてみると

意外なことが分かりました。

 

陀羅尼はdharaniダーラニーの

音写で、その意味は

総持ソウジ、能持ノウジ、能遮ノウシャ

というように訳されます。

 

総持というと

お寺の名前でよく見かけます。

高野山にもお世話になっている

「総持院」というお寺があり、

他にも西国二十二番札所は

「総持寺」といいます。

また、

曹洞宗の大本山、横浜にある

お寺は「総持寺」といいます。

 

ですから、仏教でも大切な言葉が

陀羅尼・総持ということです。

「総持」といっても

意味はよく分かりませんが、

その内容は、

「能ヨく総スベてのものごとを

摂オサめ持タモって忘れ失わぬ

念慧の力」

ということが総持という意味

になります。

 

ですから、一種の記憶術で

一つの事柄を記憶することに

よってあらゆることを連想して

わすれぬようにする、

ということです。

やはり、仏教を学ぶということは

「憶念不忘」ということが

大切で、忘れることが罪とも

いわれました。

今は、罪作りで聞いた先から

書いた先から忘れています。

 

他の、「能持」と「能遮」の

意味は、

種々の善法を能く持タモつから

「能持」といい、

種々な悪法を遮シャ(さえぎる)

するから「能遮」ということです

 

さらに辞書には

菩薩が教化するためには必ず

陀羅尼が必要で、これを得れば

無量の仏法を忘れることが

ないから、

自由自在に教えを説くことが

できるといわれています。

 

ですから、

陀羅尼を唱えるということは

記憶力を増すための方法で

三陀羅尼とかありますが

あのような呪文のような言葉を

覚えることが出来るのかも

しれません。

 

また、『瑜伽論』という経典には

四陀羅尼を説いて、

1.法陀羅尼-経の文句を記憶して

      忘れない。

2.義陀羅尼-経の意味を理解して

      忘れない。

3.呪陀羅尼-禅定の力によって

      衆生の災厄を除く。

4.忍陀羅尼-物事の実相に達して

  その本性をはっきり認める。

ということも説いています。

 

真言宗も「真言陀羅尼宗」とも

言いますので、

ただ長い呪を陀羅尼と

いうのではなく、

そこには憶念不忘によって智慧を

磨き、さらには教えをとくという

大事な側面もあるようです。

 

 

 

 

 

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