本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

しのぐ

2017-01-23 17:22:56 | 漢字

残念ながら錦織選手

フェデラーに負けてしまいました。

さすが元世界チャンピオン

試合運びのうまさは見事、

フルセットまで行ったのですが

しのいでしのいで、

ここぞというチャンスと見るや

反撃に出る。

 

「しのぐ」

辞書を引くと「凌ぐ」と書きます。

意味はいろいろあるようですが

この場合は「我慢する」という

意味でしょう。

「凌」 もともとは氷室という

始まりのようです。

ですから、氷。氷室。の意味があり

「しのぐ」という意味は

熟語としてはあまり見かけません。

 

「凌雲」というと

雲をしのいで天に高くあがる。

そこからでしょうか

嵯峨天皇の命で作られた

最初の勅撰詩集は

「凌雲集」といいます。

 

親しくさせていただいた

京都の古美術商の

「凌霄」(りょうしょう)さん、

意味が辞書に出てきました。

お知り合いになった時に

調べておけばよかったのですが

亡くなられて、

今ごろ気がつくとは… 残念!

 

ここのお店、スティーブジョブズさんも

よくお見えになったそうです。

『凌霄』、空をしのぐ。ということから

志の高いさまをあらわしている

そういう気持ちで命名されたのです。

「凌霄之志」という熟語もあります。

大空をもしのぐ高い望み。

独立して店を持たれた時

そういうお気持ちだったんだ

ということを知らされました。

ご存命の時であれば

もっと話にも花が咲いたことと

思います。

 

しのぐということも

懐石料理の途中とかには

「おしのぎ」というのも出ますが

これは、まず

空腹をしのぐ、ということで

少しだけでるチョッとしたもの

今ではご飯とか麺類も

あるようですが、

そういう使われ方もあり

 

『凌』  という言葉も

幅広い意味をもった言葉ですね。

 

また、勝負の時の

「しのぎを削る」となると

『鎬を削る』で、

はげしく切り合う、激しく争う。

という意味になります。

『鎬』は刀の用語で、

真中の反った部分で

そこがあたり合い削れるほどに

あたるところからの言葉です。

 

外はまた冬将軍が大暴れ

この地でも小雪が舞っています。

ここのところ籠りっきりです。

 

 

 

 

 

 

コメント
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