本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

Love is nature’s way of living

2014-03-17 22:10:31 | 住職の活動日記

 暖かくなってきました。

そういえば、もうすぐお彼岸です。

もう寒の戻りはないと思うのですが、

自然のことはわかりません。

 

 今話題の 「 Nature 」 とい雑誌、

最も権威ある科学雑誌のようです。

 

 「 Nature 」  自然、という意味です。

東洋の方では 「 自然 」 と書いて 

( じねん ) という読み方もします。

 お経のなかにも 「 自然 」 という言葉は

よく出てくるものです。

 なじみの言葉では 『 自然法爾 』 じねんほうに

という言葉があります。

 

 「 はくほどに 風がもて来る 落ち葉かな 」

 

という歌もあります。

自然法爾、ということを表した歌です。

 

 「 然 」 という文字は本来は

燃える、という意味のようです。

そして、「 しかるに 」 という意味も出てきました。

 仏教的には 「 自然 」 というと、

存在というものの根源的な一つの在り方、

何かがあるというのではなく、

あること自身というものの在り方、

自ずから然 ( しかるに ) ある。

 

 東洋と西洋のとらえ方でも

「 自然 」 ということはずいぶん違うと思います。

西洋では、自然と人間、というように

相対立した概念として用いるようです。

自然を克服する、というように、

ここにヨーロッパの精神があるように思うのですが、

ですから、 「 NATURE 」 という雑誌も

とても大きい権威を持ったものとしているのです。

 東洋では自然は克服するものではなく、

人間を生産するもの、人間というものは自然の展開

というようにとらえていたようです。

 仏教の根本の教えに 「 縁起 」 というものがあります。

「 縁起 」 縁より生ずる、

ということは自然ということを表しています。

作るものがあって作られるんではなく、

作るものなくして自然につくられる。

 

 昔の映画に 「 慕情 」 というものがありました。

この歌は好きでよく歌ったのですが、

その歌いだしが、

 「 Love is a many-splemdored thing 」

という文句で始まります。

そして、

 「 Love is Nature’s way of living 」

と続くのですが、

外国の友人が 「 Nature 」 のところを

「 愛は神さまがくれたもの 」

というように訳していたのです。

「 恋は自然に芽生える … 」

というようには訳さずに、

 

 やはり、西洋と東洋の大きな違いは

すべてのものは神によってつくられたもの、

とするか、

作るものなくしてつくられた、

すべては縁起によって生じたもの、

とする東洋の考え方に

根本的に違っているものがあるようです。

この 「 縁起 」 という考え方は

西洋にはないようです。

縁によって生じ、縁によって滅する、

このことが本当の自然 ( じねん )

なのでしょう。

 

 

 

 

コメント
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