本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

50代と60代の違い

2009-07-14 23:12:02 | 住職の活動日記
 『 50代と60代 』 この違い、しみじみと感じました。

50代のころですと、自分なりには年を忘れて、30代の人たちと

一緒みたいな気分で話をしておりました。


 今日のお盆の棚経のお参りで、7月は時間もあり、一人住まいの方とかと

ゆっくり話すことが出来ました。

 80を少し過ぎた一人住まいの男性、

とても大変そうです。でも、話を聞いていくと、頷くこと、しきりです。


「 昼間はさほどではないのですが、夜の寂しさは、堪りません。! 」

「 最近はテレビも見るものがなくて、昔のテープを聴いたのです。

  ディックミネ、ばたやん、藤山一郎 …

  聞いてたら、昔のことが手に取るように思い出します。

  あそこの塀を曲がると柿の木があって、…

  ビデオでも見てるようにでてくるとです。」


 50代のころは、聞いていても、どこか人事のような感じでした。

しかし、!!

 今年の 『 お盆の棚経 』 のお参りでは、

とても身に沁みて聞かさせていただきました。


 お参りしながら  『 諸行無常 … 』  という言葉が

浮かんできます。

 軽く考えると、どことなく、悲しいような、哀れなような

寂しいような、ま~ 仕方がないか !  

 お釈迦さまにとっては 感動的な発見だったのでしょう。

「 そうか、諸行は無常なんだ! 」

「 だから、今、を如何に大切に生きるか。」


 よく考え直してみると、

私たちは 『 今 』 を生きていないのです。

年をとってくると、昔の楽しかったことに思いをはせて、

過去に生きているようです。

若いときは、「 明日があるさ! 」 と未来に夢見て、

お互いに 『 今 』 を生きていないのです。


 『 諸行無常 』 という、世の中の真実の相の発見は

『 今を生きる 』 ということの確信ではないでしょうか。


 このことの続きは

二つのアカデミー賞

 『 スラムドッグ・ミりオネア 』  と  『 おくりびと 』

ともに、仏教の生まれた国と最後に花開いた国、

ということにもつながってくると思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする