喜多院法興寺

住職のひとりごと

1200年の時越えて 天台宗座主、初の高野山参拝

2009-06-16 06:26:02 | Weblog
天台宗座主が真言宗総本山を参拝 開宗1200年で初(朝日新聞) - goo ニュース

産経新聞
 {比叡山延暦寺(大津市)の住職で天台宗の半田孝淳座主(ざす)が15日、高野山真言宗総本山・金剛峯寺(和歌山県高野町)を訪れ、弘法大師降誕会(ごうたんえ)に参列、真言宗管長で金剛峯寺の松長有慶座主と歓談した。天台宗トップの高野山への公式訪問は1200年の歴史上初めてで、この日を契機に交流が深まりそうだ。

 両宗派のトップ交流は、天台宗を伝えた最澄と、真言宗を伝えた空海がともに中国で仏教を学んだ間柄ながら、晩年に教えや修行の違いなどから絶縁状態になり、交流が途絶えたとされる。私的なトップ訪問はこれまであったようだが、記録には残っていないという。

 今回の訪問は、半田座主と松長座主が宗教サミットなどで数回顔を合わせることがあり、半田座主が打診し、松長座主が高野山の最大行事に招待した。両宗とも「宗祖降誕会」があることから、金剛峯寺は「弘法大師降誕会」と名称を変更する気の使いようをみせた。

 天台宗一行は、半田座主と濱中光礼・宗務総長ら13人。半田座主は大師教会大講堂の壇に上がり、読経が流れる中、花御堂に祭られた稚児大師像に甘茶をかける灌沐(かんもく)作法を行った。

 奥の院を参拝後、半田座主は「平安時代に生まれた二大仏教が交流を深め、世界平和に尽くしたい」、松長座主も「天台宗と真言宗の密接な関係は日本仏教のステップとなる歴史的な意味合いを持つ」と述べ、互いに握手しながら友好を深めた。}

1200年前の同時代に両大師が存在し、旧知の仲であった事は日本仏教史に残るすごいことである。しかし、最澄と空海は唐(中国)での留学仲間だったが、晩年に最澄が経典を借りようとしたところ空海が拒み、疎遠になったとされる。今回は両座主の親交をきっかけに公式訪問が実現した。天台宗歴代座主の動向などを記した「天台座主記」には、座主が金剛峯寺を公式参拝した記録はない。