喜多院法興寺

住職のひとりごと

御堂筋「赤い服」服着せて去るまで1分

2011-07-31 06:18:48 | Weblog
7月30日付 よみうり寸評 読売新聞
 {大阪で真夏のミステリーとささやかれる出来事があった。メーンストリートの御堂筋で、歩道に並べられたブロンズ彫刻の人物像19体に、赤い服が着せられていたのだ。
◆ドレスやワンピースが像の形に合うように加工され、いたずらにしては手が込んでいる。像は傷つけられていないので、大阪市は「被害届は出さない。一緒にアートイベントを」と粋に呼びかけた。
◆誰がどんな目的で行ったのか、わかっていない。現代版の笠(かさ)地蔵か、何かの還暦祝いか。服飾業界の新たな広告戦略というのは考え過ぎか。
◆そう言えば、万城目学さんの小説『プリンセス・トヨトミ』(文春文庫)では、赤く染まる大阪城は決起の合図だったが……。そんな想像を巡らせるのは楽しい。
◆真相を知りたいような、知りたくないような。だが、像を破損させたり、落書きしたりすれば、冗談話ではすまない。当然、謝っても許してはもらえない。
◆大阪府警の警察官募集ポスターには、こんな文字が躍る。〈ごめんですんだら警察いらんわ!!〉。御意。}

大阪市の御堂筋に設置されたブロンズ彫刻の人物像19体に赤い服が着せられていた。
防犯カメラにショートカットの女性と見られ、白っぽい上着にリュックサックのようなものを背負っていた。着せて立ち去るまでわずか1分ほどの手際のよさだ。像にいたずらをしたには違いないが、ペンキをぬったわけでもないので、大目に見てもらいたい。今の日本は殺伐したニュースしかない中で、心和む話題である。

トラック高速無料、悪用続けば中止検討…国交相

2011-07-30 10:19:21 | Weblog
読売新聞
 {大畠国土交通相は29日の閣議後の記者会見で、東日本大震災の被災地支援を目的に始まったトラックなど中型車以上の東北地方の高速道路無料化について「制度の悪用が止まらないなら、(当面の期限としていた)8月末でやめることを検討せざるを得ない」と述べた。

 東北地方を発着点とせず被災地復興と直接の関係がないと見られるトラックなどが、制度を悪用するケースが相次いでいることが理由だ。国交相は「被災地の経済的な再建のための制度なので、業界内で厳しく指導してほしい」と強調した。}


 東日本大震災の被災者らを対象に無料にしている東北の高速道路について、一般車の約60%が無料になっていることを明らかにした。被災地復興と直接の関係がないトラックなどが、制度を悪用するケースが相次いだ。市町村による被災・罹災(りさい)証明書の発行が予想を大きく上回った。



「日本沈没」小松左京さん死去

2011-07-29 06:40:26 | Weblog
7月29日付 編集手帳 読売新聞
 {その日付にはドキリとさせられる。〈日本列島弧を中心にして、巨大な地殻変動が起こりかけている、というアメリカ測地学会の発表が電撃のように世界をゆすぶったのは三月十一日…〉
◆小松左京さんのSF小説『日本沈没』(光文社、1973年)である。400万部を超すベストセラーになった。税金の支払いを心配した小松さんが「もう増刷を止めてくれ」と出版社に電話し、「それはできません」と断られた逸話が残っている。
◆中学2年で終戦を迎えた。3~4歳上には戦死した人が大勢いる。もしも戦争が終わらずに、本土決戦をしていたら…歴史の“イフ”から第一作『地には平和を』が生まれた。「戦争がなかったらSF作家にならなかっただろう」と語ったことがある◆「子供だまし」と一段低く見られてきた日本のSF小説を、文明批評のできる装置に高めて、小松さんが80歳で亡くなった。
◆老人が言う。〈日本人全体がな…これまでは、幸せな幼児だったのじゃな。二千年もの間、この暖かく、やさしい四つの島のふところに抱かれて〉。冒頭の日付といい、40年ほど昔の小説とは思えない。}

 日本SF小説の草分けとなった作家で「日本沈没」で有名な小松左京さんが26日午後4時36分、肺炎のため亡くなった。3.11を連想する地殻変動によって日本列島が壊滅していく「日本沈没」は400万部を超えるベストセラーとなり、映画も大ヒットを記録した。日本のSF小説の地位を高めた功績は大きい。


ノルウェーは70人を超す殺人者でも最高刑は禁錮21年

2011-07-28 05:58:25 | Weblog
7月27日付 よみうり寸評 読売新聞
 {〈ノルウェーの平穏が崩れた日〉―ニューズウィーク誌は7月22日をこんな見出しで表現した。
◆〈テロはノルウェー以外のどこかで起こるもの、この国ではそう思われていた〉ともある。そうだろうと思う。ノーベル賞のうち平和賞だけは、この国の首都オスロで授与式が行われる。
◆そのオスロ中心部での爆破と近郊の島での乱射事件はおよそノルウェーのイメージとはかけ離れた残虐極まる大惨事だった。合わせて70人を超す死者を出した連続テロの犯人は、ほかならぬノルウェー人の男性だった。
◆移民に寛容な現政権に反発する極右思想の32歳、アンネシュ・ブレイビック容疑者。多くのノルウェー人は「信じられない」だった。
◆ノルウェーはあらゆる犯罪について1979年に死刑を廃止している。終身刑もない。最高刑は禁錮21年。さてこの刑が70人を超す殺人に対する刑として公正で均衡もとれているといえるだろうか。
◆ノルウェーの寛容を揺さぶるような凶悪な犯行に刑が軽すぎるという世論が広がっているようだ。}

 テロはノルウェーでは起きない平和な国に、残虐極まる大惨事で、合わせて70人を超す死者を出した連続テロの犯人は、ほかならぬノルウェー人の男性だった。国には死刑がない、無期懲役もなく最高刑は禁錮21年だと言う。凶悪な殺人者にとって、命の保証を与えるノルウェーと言う国を理解することは出来ない。殺された人の遺族は、納得できるのか、疑問である。

<ブラウン管>放射線100分の1にまで遮蔽

2011-07-27 06:55:54 | Weblog
毎日新聞
 {物質・材料研究機構(茨城県つくば市)は25日、テレビのブラウン管の破砕くずが放射線を100分の1にまで遮蔽(しゃへい)できる材料になることを確認したと発表した。地上デジタル放送への移行に伴い、大量廃棄が予想される廃ブラウン管を再利用すれば、東京電力福島第1原発事故現場周辺での遮蔽対策に役立つとしている。

 同機構によると、ブラウン管のガラスには鉛が重量比で25%程度含まれ、ガンマ線を遮蔽する効果がある。

 コバルト線源を使って実験した結果、ガラス破砕くずを厚さ55センチにすると、放射線を約100分の1にまで遮蔽可能で、厚さ9センチの鉛板に相当する能力という。破砕くずと粉砕時に出るガラス粉を混ぜると厚さ40センチで同じ効果があるという。

 同機構元素戦略材料センターの原田幸明(こうめい)・グループリーダーは「ガラス破砕くずは運びやすく使い勝手が良い。破砕くずを詰めた土のうを汚染したがれきの上に重ねるなどの方法で、遮蔽対策に使える」と話している。【安味伸一】}

 地上デジタルで要らなくなったブラウン管テレビが、放射線を100分の1にまで遮蔽できる材料になることを確認したと発表した。今後、破砕くずを詰めた土のうを汚染したがれきの上に重ねるなどの方法で、遮蔽対策に使えるうと言う。廃棄される運命であったブラウン管テレビが、再利用されることに驚かされた。