喜多院法興寺

住職のひとりごと

日本ダービー、オルフェーヴルが皐月賞に続き2冠達成

2011-05-31 06:42:43 | Weblog
5月30日付 よみうり寸評 読売新聞
 {人馬一体でびしょぬれ。ダービージョッキーになった騎手は鞍上(あんじょう)で愛馬の首を抱き、「よくやった」と何度も首筋をたたいた。
◆雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、前ノ馬ノ跳ネ上ゲル泥ニモ負ケナイ日本ダービー制覇だった。きのうの東京競馬場。池添謙一騎手とオルフェーヴルのこと。
◆降りしきる雨、馬場は不良で、馬体はもちろん、帽子もゴーグルも勝負服も泥まみれ。厳しい天候のレースに加えて一番人気の重圧、狭い馬混みにもひるまず抜け出した闘志、不屈の勝利に喝采がわいた。
◆皐月(さつき)賞に続き2冠達成。オルフェーヴルはフランス語で金細工師。父ステイゴールドと母オリエンタルアートからの連想。
◆馬名に詳しい柳瀬尚紀氏は「わが国なら最年少のダービー調教師となった。錺職(かざりしょく)、刀具を用いる切れ味鋭い末脚に刮目(かつもく)」と解説している。不良馬場でもその本領を十分に発揮してみせた◆池添騎手はこの馬のデビュー戦で勝ったが、ゴール後に振り落とされた。そのやんちゃな馬に以後7戦すべて騎乗、この絆が騎手生活14年目のダービー初制覇に実った。}

 29日、東京競馬場で開催された第78回日本ダービーで1番人気のオルフェーヴルが見事に直線で抜け出し、皐月賞に続くクラシックレース2冠を達成した。
追いすがる2着のウインバリアシオンを振り切った。池添謙一騎手、池江泰寿調教師ともダービー初優勝。池江調教師は42歳4か月の優勝で、最年少のダービー調教師となった。

トンネル内で特急炎上,乗客は手探りで脱出

2011-05-29 06:44:49 | Weblog
読売新聞
 {脱線、緊急停車、火災発生――。39人が病院に搬送されたJR石勝線のトンネル内で発生した特急「スーパーおおぞら14号」の炎上事故では、JR北海道の避難誘導、指示が後手に回り、火災発生を認知するまでに2時間以上を要するなど不手際が続いた。

 記者会見で同社は「もう少し早い判断ができれば、短時間で避難ができた。反省している」と謝罪した。

 28日午後2時から同社本社(札幌市)で開かれた記者会見には、専務取締役の一條昌幸・鉄道事業本部長、取締役の藤原一夫・運輸部長など5人が出席した。

 火災認知が遅れた理由について、一條専務は「(事態は)列車に異音があったことからスタートした。(車両トラブルで)車両から煙が出ることはある。火災ありきではなかったので、手順を踏むのに時間がかかった」と経緯を説明。

 「車掌も乗務員も最後まで火災という認識はなく、判断が狂ってきていた」などと弁明した。}

特急「スーパーおおぞら14号」がトンネル内で火災が発生し、39人が病院に搬送された。原因は避難誘導、指示が遅れ、照明が消え、車内には煙が充満した。自力で脱出した乗客は、暗闇のトンネルを携帯電話の明かりなどを頼りに、歩いて逃げ出した。トンネル内も煙が充満、すすで顔を真っ黒にした乗客らは恐怖の時間を語った。車掌も乗務員も火災に気づかなかったとの、言い訳は通用しない。



隠し事が多くて、我々国民は発表をまともに信じられない

2011-05-27 06:23:25 | Weblog
5月27日付 編集手帳 読売新聞
 {結婚披露宴では来賓も緊張するらしい。ある披露宴で実際に述べられた祝辞より。「新郎新婦のお二人が幸せな家庭を築いていかれることを、私は疑って信じません」
◆固く信じ合い、隠し事をすることなく、手を携えて苦難を乗り越えていく――「統合対策室」を設けて原発事故にあたる政府と東京電力も新郎新婦の関係に似ていなくもない。世間から何かスピーチを贈るとすれば、「あなたがたの発表を、私たちは疑って信じません」となろう。
◆これまで「あった」と発表してきた海水注入の中断は、じつは「なかった」という。
◆原子炉を冷却する注水を中断したか、しなかったかは、火災のさなかに消火栓を閉めたか、閉めなかったかに相当する重大事である。その事実関係が2か月半もたって二転三転する。発表の何を信じたらいいのだろう。
◆手もとの『英和笑辞典』(研究社出版刊)には、【mirage】(空中楼閣)を解説して〈つづりがmarriage(結婚)に似ており、意味もほとんど同じ〉とある。これほど意思疎通の悪いご両人である。例の「工程表」が空中楼閣と疑われても仕方がない。}

福島第一原子力発電所1号機の海水注入を一時中断したのは、菅首相の指示だったのかどうかや、原子力安全委員会の 班目 春樹委員長の首相への助言を巡り、衆院東日本大震災復興特別委員会などで質疑が繰り返された。今度は東京電力が、現場の判断で冷却する注水を中断しなかったと、言い出した。こんな話を聞くと東京電力や政府の言うことは、まるで信じられない。収束へ向けての工程表を信じたいが、信じろと言うのは無理である。


十両昇進、一挙13人負け越して昇進も

2011-05-26 06:36:54 | Weblog
5月26日付 編集手帳 読売新聞
 {作家の嵐山光三郎さんがある随筆に書いていた。〈人間の一生というのはだいたい八勝七敗か七勝八敗である。年をとるにしたがって、勝率五割に近づいていく〉と
◆山あり谷ありの人生だから、そうかも知れない。もっとも、実際の土俵では同じ「勝率五割」近辺でも勝ち越しか負け越しか、星ひとつの差が美酒に酔わせもし、悔し涙を流させもする。いつもの場所ならば、である。
◆負け越しの美酒は異例だろう。先の技量審査場所で3勝4敗に終わった幕下の荒鷲、垣添両力士がそれぞれ新十両、再十両に昇進した。八百長問題で幕内、十両の計17人が土俵を去り、空席を埋めるための非常措置だが、「運も実力のうち」という。 怖 ( お ) めず臆せず堂々と、胸を張って土俵を務めればいい。
◆「勝率五割」で思い出す都々逸がある。〈渡る世間は丁目と半目、善いと悪いは一つ置き〉(作・長谷川伸)。「悪い」ことの続いた相撲界である。7月の名古屋場所が開催されるならば、是が非でも「善い」場所に
◆…と書きかけて、考える。丁半の都々逸は、賭け事の好きなお相撲さんには読まなかったことにしてもらおう。}

 番付編成会議で、戦後最も多い13人の十両昇進が決まった。八百長問題で関取(十両以上)が17人減ったためで、十両昇進は13人となった。普通は負け越して昇進することはあり得ないが、しかし3勝4敗だった西幕下筆頭の垣添と、東幕下3枚目の荒鷲が十両に昇進した。28歳の隆の山はチェコ出身で初めての十両昇進や、高見盛の付き人で32歳の華王錦は、東洋大出の初土俵から60場所を要し、学生出身では最も遅い新十両昇進である。生まれ変わった相撲界、このチャンスを生かして、胸を張って頑張って欲しい。




危機管理がデタラメだったのか

2011-05-25 05:11:28 | Weblog
5月25日付 編集手帳 読売新聞 
{名前をもじった愛称がある。メロドラマの巨匠、映画監督の成瀬 巳喜男 ( みきお ) はやるせない 抒情 ( じょじょう ) の薫る作風で〈ヤルセナキオ〉、作家の安藤鶴夫は涙もろい感激屋で〈カンドウスルオ〉…といった具合である。
◆これも一例だろう。内閣府原子力安全委員会の委員長、 班目 ( まだらめ ) 春樹氏が連立与党の一角、国民新党の亀井静香代表から「デタラメ委員長」の異名を奉られた。
◆福島原発1号機への海水注入を一時中断して原子炉の損傷をさらに悪化させたその時、班目氏は菅首相にどのようなアドバイスをしていたのか――これがはっきりしない。
◆再臨界の可能性を問うた首相に班目氏は「ゼロではない」と答えたが、国会答弁によれば「事実上ゼロだ」の意味で述べたという。指し示す方向は正反対になる。深刻な危機のさなかに、国語の読解力テストもどきの会話が交わされていた。危機管理そのものがデタラメだったか。
◆ちょうど今、ラジオから流れるプロ野球のナイター中継で、実況アナの告げる〈ワンナウト〉が「カンナオト」と聞こえた。いやな“もじり”である。政権のスリーアウト、ゲームセットがいつかは知らない。}

 班目氏は菅首相にどのようなアドバイスをしていたのか、福島原発1号機への海水注入を一時中断して原子炉の損傷をさらに悪化させたと、自民党に追求されている。福島原発で危機的な状態の時に、内閣府原子力安全委員会の委員長の班目氏は「ゼロではない」と、言った言わないで、紛糾。呆れた話だ。危機管理そのものがデタラメだったか。管総理「モウアカン」と違うのか。