喜多院法興寺

住職のひとりごと

梅雨どきの 憂鬱を歌が忘れさせてくれる

2011-06-29 06:22:21 | Weblog
6月29日付 編集手帳 読売新聞
 {公演は3日間。日本滞在は計102時間。ギャラ6000万円。警備に動員された警察官延べ8400人。その経費9000万円。補導された少年少女6500人余…◆その大騒動を、作家の半藤一利さんが著書『昭和史戦後篇』(平凡社)で数字にまとめている。英国のロックグループ、ザ・ビートルズの4人が来日したのは1966年(昭和41年)6月29日、45年前のきょうである◆補導された少年少女も、いまは還暦にさしかかる年齢だろう。「総選挙だか何だか知らないけど、同じCDを一人で何枚も買ってサ、そんなにまでして投票したいものかい? 最近の若いやつのやることは分からねえなあ…」。自分たちが熱狂した昔は高い棚に上げて、ぶつぶつ言っている人がいるかも知れない◆先日は美空ひばりさんの命日を取り上げたばかりだが、きょうは「荒城の月」を作曲した滝廉太郎の忌日でもあり、あすは「靴が鳴る」「浜千鳥」の作曲家弘田龍太郎の誕生日にあたる◆梅雨どきの 憂鬱 ( ゆううつ ) を慰めてくれるかのように、唇にメロディーの浮かんでくる日がつづく。〈六月や読めねど譜面美しき〉(堤一巳)}

 ビートルズの4人が来日したのは昭和41年6月29日、45年前の今日だそうだ。団塊の世代の人達が熱狂した時代だった。若者が夢中になったAKBの総選挙に文句を言っているが、昔の自分を忘れている。ビートルズの前座を務めたクレイジーキャツのメンバーも年々少なくなっていく。美空ひばりも亡くなって22年もたつたっが、ひばりの歌は消えることはない。梅雨ももうそろそろ明けても良いころか。

中尊寺や毛越寺などが世界文化遺産に登録

2011-06-28 07:35:15 | Weblog
6月27日付 よみうり寸評
 {〈五月雨の降(ふり)のこしてや光堂〉――岩手県平泉町の中尊寺金色堂を芭蕉はこう詠んだ。元禄2年(1689年)のことだった。
◆すべてのものは雨で朽ちるが、ここだけは降り残したように長い風雪に耐え、光り輝いている。その美しさに感嘆した句だ。
◆「奥の細道」には「光堂は(藤原)三代の棺(ひつぎ)を納め……四面新たに囲み、甍(いらか)を覆いて風雨をしのぐ。千歳(せんざい)の記念(かたみ)とはなれり」と記した。それからさらに322年を経たきのう、中尊寺や毛越寺など「平泉の文化遺産」が世界文化遺産に登録が決まった。
◆平安時代に奥州藤原氏が築いた寺院や庭園などの遺跡群は「極楽浄土信仰に基づいて現世に浄土空間を表現した」と評価された。
◆芭蕉の言う「千歳の記念」は「世界の記念」になった。日本の世界文化遺産は12件目、東北では初。自然遺産を合わせると24日に決まった小笠原諸島を含め16件
◆東日本大震災の3・11以来、多難な日々の東北を力づけるような世界文化遺産の登録だ。平泉だけでなく広く東北復興のバネにしたい。

 東北天台宗の名刹である中尊寺や毛越寺が世界文化遺産に登録されたことは、我が宗の誇りである。前回世界遺産保留された経緯もあり、今回の世界遺産登録が決まったことで、平泉町だけでなく被災された東北に勇気を与えてくれた。藤原三代が祀られている金色堂での慰霊祭も行われ、大震災で命を落とした人達も、今回の登録を応援してくれたと思う。この登録で観光客も増えることを願っている。



「平泉」世界文化遺産に登録…復興のシンボルに

2011-06-26 06:26:13 | Weblog
(読売新聞)
 {【パリ=三井美奈】パリで開かれている国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は現地時間の25日、日本が推薦した「平泉の文化遺産」(岩手県平泉町)について、中尊寺など6か所のうち、 柳之御所 ( やなぎのごしょ ) 遺跡を除く5か所を世界遺産に登録することを決めた。

 国内の世界文化遺産としては、2007年の「石見銀山遺跡とその文化的景観」(島根県)に次いで12件目で、東北では初めて。自然遺産を含めると、24日に決まった小笠原諸島(東京都)を含め16件となる。

 「平泉の文化遺産」は、東北地方に栄えた奥州藤原氏が12世紀に造営した寺院や庭園など。ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議」( ICOMOS ( イコモス ) )は5月の勧告で、奥州藤原氏の居館跡である柳之御所遺跡については、「浄土思想との直接的な関連性の点から、顕著な普遍的価値の一部をなすものとは認められない」などとして構成要素から除くべきだとしていた。また、「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」の遺産名についても、考古学的遺跡群の部分を削除するよう求めていた。この日の世界遺産委員会では、勧告通り、柳之御所遺跡を除く5か所について、浄土世界を示す遺産としての普遍的価値を評価し、登録を認めた。}

自然遺産候補「小笠原諸島」(東京都)が世界遺産に続き、「平泉の文化遺産」(岩手県平泉町)について、中尊寺など5か所を世界遺産に登録することを決めた。5か所を世界遺産に登録することを決めた。前回「平泉の文化遺産」が見送られたこともあり、今回の世界遺産の登録はうれしい。天台宗として比叡山に続き平泉の中尊寺が文化遺産の登録は
最高である。


小笠原諸島、世界自然遺産に決定

2011-06-25 06:49:39 | Weblog
(読売新聞)
{【パリ=大内佐紀】国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は24日午後(日本時間同日夜)、パリで開かれている第35回同委員会で、小笠原諸島(東京都小笠原村)を世界自然遺産に登録することを決めた。

 国内の自然遺産は、白神山地(青森、秋田)、屋久島(鹿児島)、知床(北海道)に次ぐ4件目。世界文化遺産への登録が確実視される平泉(岩手県平泉町)は、25日にも正式決定される見込み。

 小笠原諸島は東京都心から南へ約1000キロ・メートルの太平洋上に位置し、父島や母島など約30の島々からなる。大陸と一度も陸続きになったことがなく、生物が独自の進化を遂げていることから「東洋のガラパゴス」とも呼ばれる。特にカタツムリなどの陸産貝類は、生息する106種のうち100種が固有種とされる。}

 パリで開かれているユネスコの世界遺産委員会は24日、小笠原諸島(東京都)を世界自然遺産に登録することを決めた。小笠原諸島は、東京湾から南に約千キロ離れた大小約30の亜熱帯の島々で、大陸と一度も地続きになっておらず、独自の進化をとげた動植物が多いことなどが評価された。東京都とは言え、船で片道25時間半もかかる距離にある。嫌なニュースが多いいなか、大変におめでたいことである。


津波に耐えた美空ひばりの遺影碑と石像

2011-06-24 06:30:56 | Weblog
6月24日付 編集手帳(読売新聞) - goo ニュース

6月24日付 編集手帳 読売新聞
 {美空ひばりさんの『みだれ髪』(詞・星野哲郎、曲・船村徹)は福島県いわき市の「 塩屋岬 ( しおやのみさき ) 」を舞台につくられた。ゆかりの地に、ひばりさんの遺影碑と石像が立っている。人が近づくと歌声が流れる仕掛けである。
◆「津波に耐えて、いまも歌っていますよ」。先日、船村さんからそう教わった。年間に10万人もの観光客を招き寄せてきた“ 稀代 ( きたい ) の歌姫”はきっと、大震災から立ち上がる地元の人たちに手を貸してくれることだろう。
◆敗戦の焦土に生き惑う日本人を歌で励まし、復興を見届けたかのように52歳で世を去った。きょうは没後22年の命日にあたる。
◆『一本の鉛筆』(詞・松山善三、曲・佐藤勝)も忘れがたい。一本の鉛筆があれば/人間のいのちと 私は書く/…一枚のザラ紙があれば/あなたをかえしてと 私は書く…。親を亡くした子、子を奪われた親、伴侶を失った夫に妻――震災のニュースで見たあの場面、この場面が浮かんでくる方も多かろう。
◆死の前年、病身で臨んだ伝説の公演がその名も「不死鳥コンサート」であったのを思い出す。いままた、いくつもの歌に羽ばたきの音を聴きつつ。}

美空ひばりが亡くなって22年、今年で23回忌を迎えた。亡くなった今もひばりの存在の大きさに、今も歌声が色あせずに、人々の心に響いている。敗戦の復興を励ましたひばりの幼年期、52歳でこの世去ったが、ひばりの歌声は震災被害者の心を支えている。