喜多院法興寺

住職のひとりごと

ヤクルトの宮本が引退表明

2013-08-27 08:56:39 | Weblog
8月27日 編集手帳 読売新聞

 {英国の化学者、ファラデーは『ロウソクの科学』に書いている。〈夜にダイヤモンドが光っているなら、それはその上に炎が輝いているからです〉(岩波文庫)。プロ野球・ヤクルトの宮本慎也選手(42)に、光の情景が重なる◆たとえば遊撃手が鋭い打球を横っ跳びに好捕し、起きあがるや一塁に送球してアウトに仕留める。称賛は遊撃手の好守に集まるが、投手の胸には「打たれた!」という苦い敗北感が残る◆宮本選手はむずかしいゴロも正面でさばいてきた。「打ち取った!」と、投手がいい気持ちであとを投げられるように。好守ではなく好投が称賛を浴びるように。テレビで以前、そう語るのを聞いたことがある◆みずからはロウソクの炎に徹し、輝きはマウンド上の宝石たちに譲る。2000本安打、ゴールデン・グラブ賞10度の足跡もさることながら、惜しみない拍手が送られて然しかるべきはその、心のたたずまいかも知れない◆きのう、今季限りでの現役引退を表明した。さみしいけれど仕方がない。〈6〉の背中を見て育った後輩たちのなかからいつか、ロウソクの炎を受け継ぐ人が生まれるだろう。}

「守りに就けないのは引くとき」だとプロ野球・ヤクルトの宮本慎也内野手(42)が26日、東京都内の球団事務所で記者会見し、今季限りでの現役引退を表明した。自らのプロ人生を「仕事として真剣に19年やってきた」と振り返り、今後について聞かれると「外から勉強したい。(ヤクルトに)戻ってきてくれと言われるぐらいしっかり勉強したい」と述べた。1995年にヤクルト入団。95年、97年、2001年と3度の日本一に貢献した。12年には2000安打を達成。今季は控えに回り、代打で出場するケースが増えていた。通算成績は2137試合出場、2121安打、573打点、62本塁打。自ら主役を捨て投手を助け好守ではなく、投手が賞賛されるゲームにする姿勢はヤクルトの伝統として受け継がれることだろう。



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