喜多院法興寺

住職のひとりごと

「心を磨いて」と瀬戸内寂聴さん、まほろば塾で

2010-10-30 07:03:57 | Weblog
(読売新聞) 
 {日本人の心のあり方を考える「薬師寺21世紀まほろば塾」(法相宗大本山薬師寺、読売新聞社主催)の東京塾が29日、東京・日本橋の三越劇場で開かれた。

 作家で天台宗僧侶の瀬戸内 寂聴 ( じゃくちょう ) さんが「思いやる心」と題して講演。「平和への願い」をテーマに塾長の安田 暎胤 ( えいいん ) ・薬師寺長老との対談も行われ、約500人が聞き入った。

 老川祥一・読売新聞東京本社社長の開会あいさつの後、瀬戸内さんが講演。天台宗を開いた最澄の言葉「 忘己利他 ( もうこりた ) (自分のことを後回しにしてほかの人の幸せを優先する)」を例に、「相手が何を考えているかを考えることが思いやり」とした上で、「想像力を鍛えるには文化に触れることが大切。本を読んで音楽を聴き、演劇を見て心を磨いてください」と説いた。

 対談では、殺生を禁じた仏教の教えに反する戦争に一貫して反対する瀬戸内さんが「平和をあきらめてはいけない。念が集まれば大きな力になる」と訴え、安田塾長は「思いやりの心があれば戦争は起きない。多くの人が平和を念じることが大切だ」と結んだ。}

 東京・日本橋の三越劇場で、日本人の心のあり方を考える「薬師寺21世紀まほろば塾」が作家で天台宗僧侶の瀬戸内 寂聴を招いて開かれた。比叡山延暦寺の一山住職として
現在、寂聴師は88歳になられてもなお、お元気で講演活動をしている。天台の根本的な「己を忘れて他を利する」心を「思いやる心」でお話しされた。何時までもお元気で活躍されることを祈りたい。



小6自殺、いじめ有無に、明確に答えない学校

2010-10-28 09:31:36 | Weblog
10月28日付 編集手帳 読売新聞
 {芥川龍之介の歌がある。〈幾山河(いくやまかわ)さすらふよりもかなしきは都大(みやこおお)路(じ)をひとり行くこと〉。にぎやかで華やいだ空間に身を置くとき、大のおとなでも孤独は骨身に染みとおる。
◆食器の触れ合う音と、笑い声と、おしゃべりと、好きな子同士が机を寄せ合って食べる給食の時間は毎日、ピクニックのような楽しい音に満ちていただろう。ひとりぼっちのその子には拷問(ごうもん)の時間だったかも知れない。
◆自殺した群馬県桐生市の小学6年、上村明子さん(12)の父親によれば、以前にも同級生から「近寄るな」「汚い」などと言われたことがあり、両親が学校側に10回以上も、いじめについて相談していた。
◆事件後の保護者会でいじめの有無を問われた校長は「プライバシーの問題」だとして答えなかったという。「保身の問題」と聞こえる。死んだあとまで、明子さんを泣かすのはやめよう。
◆遺品を整理していた家族は、明子さんがノート3ページに描いた漫画を見つけた。「関口桜」という名の女の子が新しい学校に転入してきた設定である。表題は〈やっぱり『友達』っていいな!〉。架空の少女に見果てぬ夢を託したのだろう。}

 群馬県桐生市の小学6年、上村明子さんが自殺し、いじめが原因だと訴えている問題で、学校側はいじめの有無を明確にしない。校長は「プライバシーの問題」「詳細まで把握できていない」と逃げの一手だ。事件が起きる前に、学校に相談したにもかかわらず、具体的な行動をしなかったのではないのか。学校側の対応は最低だ。


鳩山前首相の引退撤回、野党各党が大反発

2010-10-26 06:59:03 | Weblog
10月26日付 編集手帳 読売新聞
 {登場人物が言う。〈わたしは、敵はこわくない。いちばんこわいのは味方だ〉。ジョン・ル・カレのスパイ小説『スマイリーと仲間たち』(早川書房)の一節にある。
◆組織がこうむる失点は敵のシュートによってではなく、味方のオウンゴールによる場合が少なくない。古今東西、あらゆる組織に通用する至言だろう。余計な推測ながら、菅政権の面々はいま、渋い顔で同じ言葉を内心つぶやいているかも知れない。
◆鳩山由紀夫前首相が首相を辞任する際に語った「次の衆院選には出馬しない」との発言を翻し、議員をつづける方向という。
◆野党時代の「秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきだ」。首相として普天間問題で米大統領に語った「トラスト・ミー」(私を信じて)。持病のごとき言葉の軽さには慣れたつもりでも、民主党とは言葉をかくもぞんざいに扱う政党なのか――と、世間はほとほとあきれよう。首相以下、閣僚の国会答弁を誰も真剣には聞いてくれまい。“怖い味方”がいたものである。
◆オウンゴールで敵(野党)に塩を送るつもりならば、その人の「友愛」精神なるものは筋金入りだろう。}

 鳩山前首相が政界引退を口にしていたが、突如として引退撤回で、野党各党は一斉に批判した。首相の時から、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題や政治とカネの問題などで、発言撤回が相次いだ。言うこととやることが違うことに国民は何を信じれば良いのか。鳩山前首相の愚行は民主党の不信につながる。




 

「妹殺す」が正解 小3の授業でクイズを出す 

2010-10-24 06:56:43 | Weblog
時事通信
 {東京都杉並区教委は23日、区立浜田山小学校で3年生の担任の女性教諭(23)が、正解は「妹を殺すこと」というクイズを出す不適切な授業を行ったと発表した。同小は同日、保護者会を開き謝罪した。

 杉並区教委は「非常に不適切な行為。今後繰り返さないよう指導に努める」とコメント。教諭や校長に厳重注意するとしている。

 区教委によると、教諭は19日、算数の授業で時間が余ったため、「3姉妹の長女が自殺し、次女はその葬儀に来た格好いい男性が好きになった。葬儀後もう一度出会うためにはどうすればいいか」というクイズを出題した。

 生徒は「電話をかける」などと回答したところ、教諭はヒントを出し、「正解」としていた「妹を殺し、葬式をやればまた会える」という答えに導いていたという。}
 

 杉並の小学校の女教諭が学校の授業の中で、自殺や殺人を題材にしたクイズを出題していたことがわかった。何と3年生の算数の時間に殺人クイズを出した。「3姉妹の長女が自殺し、葬式をした。その葬式に来た格好いい男性が好きになった。次女がもう一度会うためにはどうすればよいか」という質問で、答えは「三女を殺す」だったという。子供の前では殺人や自殺の話はタブーだ。子供にブラックユーモアは通じない。信じがたい話であり、教諭の人間性を疑いたくなる。



検察の落ちた信用を取り戻せるか

2010-10-22 06:58:23 | Weblog
10月22日付 編集手帳 読売新聞
 {{叔母の無実を証明しようと奔走する男、浜田が言う。〈検事さんかて人間やろ。家に居て、子供に一タス一はいくらや聞かれると、二ィと答えるやろ…〉
◆実在の 冤罪 ( えんざい ) 事件にもとづく映画『証人の 椅子 ( いす ) 』(山本薩夫監督)のセリフを、井手雅人氏の脚本集から引いた。〈その人が検察庁の門の中に一歩入ると、一タス一が二ィでなくなる、おかしなとこでッせ。三にも五にも十にだって…検事さんッて、ありゃ一体どんな人間です?〉
◆同じ問いを多くの人が発したことだろう。大阪地検特捜部の元主任検事(証拠隠滅罪で起訴)による証拠品 改竄 ( かいざん ) 事件をめぐり、当時の部長と副部長が犯人隠避罪で起訴された。
◆検事総長の謝罪会見も異例中の異例である。「愚か者が池に投げこんだ石は、10人の賢者が集まっても取り返せない」と西洋の格言にあるが、検察の池に投じられた“不信”という名の石も回収は容易なことではない。
◆映画では、検察の絶大な権力を象徴する言葉として、〈検察一家に手ェ出すな〉というセリフも語られる。 傲 ( おご ) りを捨て、公益の一従事者に立ち返り、石拾いを一家総出で急がねばならない。}

 大阪地検特捜部の証拠品改ざん・隠ぺい事件で監督責任を問われて、地検の小林敬検事正を減給4カ月、玉井英章前次席検事を減給6カ月とする懲戒処分を発表した。改ざん当時の検事正だった三浦正晴・福岡高検検事長は減給1カ月とする。3人は近く辞職する。これで検察の信用が、戻るとは思わない。法の正義を執行する検察が、真実をねじ曲げ無理矢理に犯人にした。過去にもこの様な事があったのではと疑いたくなる。