喜多院法興寺

住職のひとりごと

植村花菜さんの「トイレの神様」ヒットで「紅白」初出場

2010-11-29 09:16:51 | Weblog
11月28日付 編集手帳 読売新聞
 {トイレ掃除には不思議な力が宿っているようである。「トイレの神様」のヒットで今年の「紅白」初出場を決めた植村花菜さんの笑顔に、その思いを強くした。
◆トイレには女神がいる、毎日きれいにすれば「女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで」という祖母の教えを守ってきた。国鉄職員だった濱口國雄さんの「便所掃除」という詩は、教師が子供にトイレの美化や掃除の意義を説く際、度々引用される。
◆<扉をあけます/頭のしんまでくさくなります>で始まり、苦心惨憺(さんたん)の作業が綴(つづ)られ、こう結ばれる。<便所を美しくする娘は/美しい子供をうむといった母を思い出します/僕は男です/美しい妻に会えるかも知れません>。トイレ磨きは人の心を磨く修業であろう。
◆大手カー用品会社の創業者鍵山秀三郎さんは、10年にわたり黙々と社内のトイレ掃除を続けた。「トイレ掃除しかできない」経営者と笑われたこともある。
◆社員が参加し始めて「社風」となり、社外からの研修希望が増えて各地の学校にもトイレ掃除は広まった。鍵山さん編著の近刊は「便器を磨けば、子どもが変わる!」である。}

 歌の題名に「トイレの神様」は初めて聞くと、ビックリもするが一度聞いたら忘れない。トイレには女神がいる、毎日きれいにすれば幸せになれる、祖母の教えを守ってきた。この歌が大ヒットした。人のいやがる便所の掃除は、修行の日課でもある。トイレを綺麗にすると、心も綺麗になる。部屋をかたづけられない女性には、聞かせてあげたい。

漢字が30%ほど含まれている文章は読みやすいという

2010-11-27 09:50:57 | Weblog
11月27日付 編集手帳 読売新聞
 {漢字が30%ほど含まれている文章は読みやすいという。20%では締まりがなくなり、40%では幾らか硬い感じになると、ジャーナリストの林邦夫さんが『「大漢和辞典」を読む』(紀田順一郎編、大修館書店)に書いている>
◆“漢字率”30%と言われてもちょっと見当がつかないが、三島由紀夫『潮騒』の書き出し部分がちょうどその比率とか。書棚の新潮文庫版をひらくと、なるほど、活字の並んだ姿が心なしか美しく感じられなくもない。
◆仮名という生地の上に浮き出た模様――漢字をそうたとえたのは作家の高田宏さんだが、日本の活字文化とは漢字と仮名がつくりだす織物の美でもあるのだろう。
◆29年ぶりに改定された常用漢字表が30日付の官報で内閣告示される。追加された196文字には「 鬱 ( うつ ) 」や 語彙 ( ごい ) の「彙」など画数の多い漢字も含まれている。いわば 刺 ( し ) 繍 ( しゅう ) の新しい糸である。学び、慣れていくなかで日本語の面白さや美しさに触れる中高生もいるだろう。伝統の織物に親しむきっかけになればいい◆蛇足ながら小欄458文字のうち、本日の漢字は162文字、35%、三島さんの芸当は 真似 ( まね ) できない。}

 強烈な自決をした三島由紀夫が死んで40年、関連本が続々と出版され「憂国の士」素顔に脚光を浴びている。三島由紀夫を知る人は、「憂国の士」という文脈よりは、気さくで頼りがいのある父性的な存在の印象が強い。『楯の會』で見た三島由紀夫と普段の三島とは印象が違って別人の印象だという。三島著作の「金閣寺」や30%漢字の『潮騒』などが増刷され売れているという。





北朝鮮の無差別砲撃で民間人2人も死亡確認

2010-11-25 09:44:24 | Weblog
11月25日付 編集手帳読売新聞
 {ソ連の駐米大使が言う。〈サーベルで威嚇するときはガチャガチャと音が出るが、抜くときには音がしないものだ〉。冷戦下を舞台にした海洋冒険小説、トム・クランシー『レッド・オクトーバーを追え』(文春文庫)の一節である。
◆有事というものを、よく言い当てている。脅し文句の語調が次第に強まり、やがて極限に達し、潮が満ちるように有事は訪れない。韓国の島、 延坪 ( ヨンピョン ) 島 ( ド ) を突然砲撃した北朝鮮の暴挙は、〈抜くときには…〉の実例だろう。
◆米国の反応はすばやい。韓国の防衛に断固として関与する旨の声明を出し、米韓合同軍事演習によって北朝鮮のこれ以上の暴発を 牽 ( けん ) 制 ( せい ) するという。サーベルに対する「盾」の自覚だろう。
◆顧みれば政権交代の後、「米国だけが友人ではない」とばかりに中国に秋波を送り、普天間問題などで盾にヒビを入れたのは誰だったか。「命を守りたい」と言いながら国民の生命を累卵の危うきに置く“友愛外交”が続いていたら――背筋に冷たいものが走る。菅首相は外交戦略の立て直しを急ぐべきである。
◆次に邪悪なサーベルの向かう先が、日本でないとは誰も言えない。}

 北朝鮮による無差別砲撃で、民間人を巻き込んだのすさまじい実態が徐々に明らかになってきた。軍の死亡者2人の他に軍の建設作業員2人が遺体で見つかった。避難先の仁川市では、負傷者が次々と病院に運びこまれ、恐怖の体験を口々に語った。日本も対岸の火事だと悠長な事を言ってる時ではない。北朝鮮は何をしでかすか、予測できない国だ。国防に万全を期して貰いたい。


柳田稔法相は事実上の更迭

2010-11-23 08:14:24 | Weblog
11月23日付 編集手帳 読売新聞
 {正岡子規が大学予備門、のちの旧制一高を受験したとき、英語の試験問題に「Judicature」という単語が出た。隣の受験生にこっそり聞くと、「ホーカン」(法官)だという。
◆子規は答案に「 幇間 ( ほうかん ) 」(=たいこもち)と書いた。司馬遼太郎さんが『坂の上の雲』(文春文庫版)に書き留めている。法官を束ねる立場の人も似たような勘違いをしたのかも知れない。
◆法相はいいですよ。答弁を二つ覚えておけば務まります…。地元の支持者らを前にして下手な幇間よろしく、笑いを誘って聴衆のご機嫌を取り結ぼうとした自虐ネタが 仇 ( あだ ) となり、柳田稔法相が国会軽視の発言で引責辞任した。
◆火災現場でダジャレを言う消防士はいない。手術中に漫談をする外科医もいない。スピーチをする人ならば誰しも多少の笑いを取りたいのが人情とはいえ、国難と呼んでもいい「尖閣」問題の渦中に身を置く閣僚が、職務を 貶 ( おとし ) める冗談をみずから口にする。常識の 埒 ( らち ) 外 ( がい ) であり、資質を疑われても仕方があるまい。
◆タイコだけにバチが当たります―― 小 ( こ ) 咄 ( ばなし ) のサゲではなし、緊張感を欠いた菅内閣のお粗末は笑うに笑えない。}

 柳田稔法相は22日午前、辞任に当たり、広島市の会合で、よく知っている仲間なので、気を許し過ぎ、結果的に不用意な発言をした事に陳謝した。この柳田法相の地元の支持者らを前にしての、リップサービスが、命取りになった。検察問題や「尖閣」問題の渦中に身を置く閣僚が、のうてんきな馬鹿話をする時期ではなかった。もっと早くに辞めさせるべきだった。


首相から仙谷長官を注意するも、失言は無通告質問のせいにした

2010-11-21 09:41:45 | Weblog
朝日新聞
 {「失言と言っても、無通告の質問(への答弁)が多い。細かいところの無通告質問は大変だ」。仙谷由人官房長官は19日の記者会見で、菅内閣の閣僚の国会答弁での失言が相次いでいるのは、野党側が事前に質問内容を知らせる「通告」が少ないことにも原因があると反論した。

 だが、無通告の質問は民主党も野党時代、政府側の答弁者を追及する手段として、しばしば用いてきた。この点を記者団から問われると、仙谷氏は「それはそれで仕方ないが、後で調べて回答するということもないと、具体的なところまで的確に答えるのは難しい」とトーンダウン。「森羅万象すべて細かいところまで資料を用意したり、頭に入ったりしていない」と、理解を求めた。}

仙谷長官は19日午前の質疑で、「暴力装置でもある自衛隊」と発言は、日頃から自衛隊に対し、否定的な意見だと言うことが読み取れる。官房長官としての資質を問われるし、失言は無通告質問のせいでは、理由にならない。期待した民主党のメッキがはがれた気がして、情けない気持ちでいっぱいだ。