9月9日 よみうり寸評 読売新聞
{7年後、2020年に自分は何歳になっているか。きのうは多くの人がこの計算をしたことだろう◆その年、東京で夏季五輪・パラリンピックが開催される。再び東京にオリンピックの感動がよみがえる。あの1964年の東京五輪から56年ぶりの開催だ◆日本時間の8日午前5時20分、国際オリンピック委員会(IOC)のJ・ロゲ会長が開催地を「TOKYO」と告げるとブエノスアイレスで、東京で、この瞬間を固唾かたずを呑のんで見守っていた人たちの歓声が沸いた。抱き合い、肩をたたき合い、歓喜の渦ができた◆同じ一つのことで日本人が一つになってこんなにも喜び合ったのはいつ以来だろうか。これで7年後に向け、同じ希望の絆をもって元気にスタートできる◆「五輪という新しい〈坂の上の雲〉を目指すことで〈心のデフレ〉を取り払い、国全体が自信を取り戻すきっかけになる」と猪瀬直樹東京都知事◆そう。〈2020年東京五輪〉は日本の新しい〈坂の上の雲〉になった。そのことを心からうれしく思う。}
「復興五輪」を掲げる東京五輪の決定から一夜明けた9日、被災地からも歓迎の声が上がった。ただ、復興に向けた課題は山積。「五輪よりも復興を優先してほしい」と複雑な表情を浮かべる被災者もいた。安倍総理は福島原発の放射能について、完全にコントロール出来ていると宣言したが、福島県では東京電力福島第1原発の汚染水漏れや放射性物質の除染が進まない問題を抱える福島市の周辺市民や漁協関係者は不信感がつのっている。福島宮城の県知事達からは歓迎のコメントが寄せられた。7年後のオリンピックまで、福島原発の汚染水や、被災地域の完全復興が完了することを祈りたい。
{7年後、2020年に自分は何歳になっているか。きのうは多くの人がこの計算をしたことだろう◆その年、東京で夏季五輪・パラリンピックが開催される。再び東京にオリンピックの感動がよみがえる。あの1964年の東京五輪から56年ぶりの開催だ◆日本時間の8日午前5時20分、国際オリンピック委員会(IOC)のJ・ロゲ会長が開催地を「TOKYO」と告げるとブエノスアイレスで、東京で、この瞬間を固唾かたずを呑のんで見守っていた人たちの歓声が沸いた。抱き合い、肩をたたき合い、歓喜の渦ができた◆同じ一つのことで日本人が一つになってこんなにも喜び合ったのはいつ以来だろうか。これで7年後に向け、同じ希望の絆をもって元気にスタートできる◆「五輪という新しい〈坂の上の雲〉を目指すことで〈心のデフレ〉を取り払い、国全体が自信を取り戻すきっかけになる」と猪瀬直樹東京都知事◆そう。〈2020年東京五輪〉は日本の新しい〈坂の上の雲〉になった。そのことを心からうれしく思う。}
「復興五輪」を掲げる東京五輪の決定から一夜明けた9日、被災地からも歓迎の声が上がった。ただ、復興に向けた課題は山積。「五輪よりも復興を優先してほしい」と複雑な表情を浮かべる被災者もいた。安倍総理は福島原発の放射能について、完全にコントロール出来ていると宣言したが、福島県では東京電力福島第1原発の汚染水漏れや放射性物質の除染が進まない問題を抱える福島市の周辺市民や漁協関係者は不信感がつのっている。福島宮城の県知事達からは歓迎のコメントが寄せられた。7年後のオリンピックまで、福島原発の汚染水や、被災地域の完全復興が完了することを祈りたい。
まさか、7年後に感染症が蔓延し、オリンピックが延期され、2021年の今も危ういとは、8年前は誰も想像していませんでしたね。