喜多院法興寺

住職のひとりごと

相撲協会が暴力団排除宣言、違反なら解雇も

2010-08-31 06:34:21 | Weblog
8月31日付 編集手帳 読売新聞
 {劇作家の宇野信夫には、バクチに 溺 ( おぼ ) れた洋服屋が知り合いにいた。その妻女に聞いた話を、随筆に書き留めている。
◆〈亭主が賭場に行ったかどうかはハンカチで分かる。バクチをしたときの脂は、どうやって洗っても落ちない…〉と(講談社『しゃれた言葉』)。成分に変化が生じるものかどうか、科学的な知識は持ち合わせていないが、持ち金を失い、すってんてんの丸裸になる瀬戸際でかく汗は特別製かも知れない。
◆野球賭博で揺れに揺れた角界である。ファンからも見捨てられそうな絶体絶命の徳俵に足を掛けて、親方衆、関取衆の誰もが脂汗、冷や汗を流したに違いない。おかみさんたちはきっと、洗濯に苦労したことだろう。
◆きのう発表された秋場所(初日=9月12日)の新番付では、野球賭博に関与して名古屋場所を謹慎休場した幕内力士6人全員が十両に陥落した。組員に脅されたり、負け金に青ざめたり、特別製の汗でハンカチを汚すのは終わりにしよう。次に不祥事が起きたとき、「国技」の座に踏みとどまる徳俵はもうない。
◆お相撲さんの汗は 四股 ( しこ ) で、テッポウで、土俵の上で、かくものである。}

 日本相撲協会は、暴力団排除宣言をし、暴力団の観戦や後援会への入会を禁じるほか、力士や親方に対して、反社会勢力との交際を禁止し、違反した際には解雇するという。暴力団など反社会勢力から金品や便宜、もてなしは受けないなど具体的な七つの項目を読み上げた。これで後がない相撲協会、これから部屋や親方制度自体を変えていかないと、暴力団との腐れ縁は、なかなか切れないであろう。

死刑執行する「刑場」、報道機関に初公開 

2010-08-29 06:54:51 | Weblog
8月29日付 編集手帳 読売新聞
 {最高裁判事を務めたこともある刑法学者の団藤重光さんは、死刑廃止論者としても知られる。仙台拘置支所で無人の刑場を視察した際、「普通の人の神経には到底耐えられないものだ」と思ったそうだ。
◆憲法は残虐な刑罰を禁じているが、最高裁は死刑を直ちに違憲とは言えないと判断している。「しかし、そこから直ちに絞首刑が合憲だという結論は出ない」。団藤さんは執行方法や死刑囚が直面する恐怖、処遇などが「残虐性を与える」と説く。
◆ある検察幹部から「職務とはいえ、絞首刑立ち会いは本当につらい」と聞いたことがある。別の方法や制度の改善余地を探るべしとは立場上、言えぬ時代だったと推察するが、今なら新しい議論が始まるかもしれない。
◆千葉法相の意向で、初めて東京拘置所の刑場が報道陣に公開された。自分が裁判員に選ばれて死刑判決に関与する立場になったらと、思いを巡らした人も多かったことだろう。
◆密室の情報公開が進むことに異論はない。他方、国民の8割超が死刑を容認する現実があり、犯人に極刑を望む被害者遺族の 慟哭 ( どうこく ) が続く限り、廃止論に火はつくまいと思う。}

 今まで死刑に対し、秘密裏に死刑が執行されていた。今回初めて東京拘置所内に設けられている「刑場」を報道機関に公開した。今の凶悪犯に対し死刑を廃止する国民的同意は得られない。諸外国においては死刑廃止を実行している国は多いと言うが、被害者遺族にとっては極刑を希望している。実際に絞首刑立ち会う関係者は非常につらいと思う。

隠蔽体質こそ組織のイメージダウン

2010-08-28 07:03:59 | Weblog
8月27日付 よみうり寸評 読売新聞
 {時には、「1」を「10」と言ってもいい。だが「1」を「0」と言ってはならない――。ある放送会社の広報担当者は、かつて先輩から教わったこの言葉を座右の銘にしている◆自社のPRになることなら、多少の誇張は許されても、あったことを「ない」と偽ってはだめ。そういう意味だという。度が過ぎたPRも困りものだが、うそをつくのは、もっと罪深い。
◆伏せた事実が、後になって明らかになると、その組織には〈隠蔽(いんぺい)体質〉という烙印(らくいん)が押される。組織が受けるダメージは計り知れない。
◆その典型が、ヘリコプター墜落事故での第6管区海上保安本部の対応だ。事故や不祥事の時にこそ、広報の真価が問われるということだろう。
◆不祥事続きの日本相撲協会が、力士出身の広報部長を補佐する職員を公募することになった。広報業務に精通し、大相撲が好きな人なら、年齢、性別は問わないそうだ。
◆失った信頼をどう取り戻すのか。相撲協会にこそ、うそのない、「1」を「0」と言わない広報が求められている。}

 会社の宣伝になる時には、誇張は許されても、事件を起こしたときに、嘘をついて組織を守ろうとしたら、後になって伏せた事実が、明らかになると絶対に隠蔽したと言われる。知られてから言うより先に、知られて困る事実をはなす勇気が会社のダメージを最小限度にとどめる事が出来る。企業の顔である広報の手腕が問われる時代だ。

小沢氏が首相になった場合、憲法上は起訴出来ないのか

2010-08-27 06:20:55 | Weblog
8月27日付 編集手帳 読売新聞
 {ドイツの思想家、ゲオルク・リヒテンベルクは著書『雑記帳』に書いている。〈 蠅 ( はえ ) は 叩 ( たた ) かれたくなければ蠅叩きの上にとまるのが安全である〉と。日本でも知恵のまわる蚊は能楽師の鼓を持つ手ではなく、打つほうの手にとまるとか。
◆蠅や蚊を例に引くのが礼を失しているならば、黄金虫でもいい。小沢一郎氏からは「 下種 ( げす ) の勘ぐり」とお 叱 ( しか ) りを受けるのは覚悟の上で、民主党代表選に出馬する意思を固めたほんとうの心を尋ねてみたいところである。
◆政治資金事件で検察審査会が今秋にも下す議決次第で、小沢氏は強制起訴となる可能性がある。
◆その時に氏が首相の座にあれば、憲法の規定により起訴を免れる。政治の信頼は、しかし、地に落ちるだろう。国政を混迷に導く議決をしてよいものか、どうか――検察審査会のメンバーは、おそらく悩むに違いない。小沢氏が議決に一切介入をしなくても、“小沢首相”の存在自体が圧力になる。わが身を叩くかも知れない司法の手の上に、政治家はとまってはいけない。
◆同じ虫ならば、円高・株安の闇に明かりをともす 蛍 ( ほたる ) となって時節を待つ道もあったはずである。}

 もしも菅・小沢の代表者争いで、小沢氏が代表選に当選し、指名を受けて首相となった場合には、検察審査会が小沢氏を「起訴すべきだ」と判断しても、小沢氏自身が同意しない限り、強制起訴されないことになるらし。これを狙って小沢氏が代表戦に立候補したとは思いたくない。でも、国民から金にまつわる灰色な政治家が、首相になるのは如何なものか。小沢さんを押す人達は、国民から支持されなくても、強権政治で日本を立ち直らせたいと、考えているのであろうか。理解に苦しむ。

日本の生活、地球2.3個必要=大量消費に警鐘

2010-08-26 06:38:47 | Weblog
時事通信
 {世界自然保護基金(WWF)ジャパンは25日、世界中の人が今の日本人と同じような大量消費生活を送った場合、地球が2.3個分必要になるとの調査報告書を公表した。

 調査は、普段の生活に必要な水や木材といった資源の消費量や、二酸化炭素の排出量を計算。日本が他国に頼らず供給可能な資源量と比較した結果、日本は自国でまかなえる分の7倍近くを消費、排出していることが分かった。

 さらに、日本人1人当たりの環境負荷量を世界人口1人当たりと比較し、日本人の負荷量を2.3倍と算出。世界中が日本人と同じ消費生活を送った場合、地球が2.3個必要になると結論付けた。

 要因としては、石油燃焼などによる二酸化炭素排出のほか、水産物や木材、穀物の高い海外依存度などが挙げられた。

 WWFジャパンは「国民一人ひとりが、廃棄食料を減らしたり、公共交通機関をなるべく利用するなどし、地球への負荷を減らすよう努力してほしい」としている。}

 戦後日本は米国にならって、使い捨て大量消費経済で復興した。今エコが求められる時代に、使い捨て経済は、外国からの輸入拡大につながる悪癖となった。食料についても、自給出来ずに輸入に頼りながら、賞味期限が過ぎた食料品を食べずに、廃棄する。日本の大量消費生活が世界に普及したら、地球が2.3個は必要と言うのは本当だ。一人一人がもったいないを自覚して、エコな生活を心がけたい。