喜多院法興寺

住職のひとりごと

野田首相、本格的な復興予算を被災地は切望

2011-10-31 06:30:05 | Weblog
10月31日付 編集手帳 読売新聞
 {〈日本が敗戦から早く復興できた秘密は何か〉。ホワイトハウスを訪れた大平正芳外相(のちの首相)は、ケネディ米大統領の質問に〈災害が多いこと〉を挙げた。
◆ 怪訝 ( けげん ) な顔をする大統領に、大平氏は「日本人は耐えて、克服し、災害前よりは日本をよくするんだという気概を持ってきた。この力こそが復興の原動力だ」と語った。
◆本格的な復興予算の国会審議が始まった。野田首相は「国家国民のための大仕事」を誓った。同じことに取り組んだ先人たちがいる。1995年の阪神大震災に直面した村山元首相は「従来の慣行やら制度にとらわれないで、やらなきゃならんことはやり尽くせ。責任は内閣で持つ」と閣僚や役人らにハッパをかけて前例のない予算措置や立法を進めた。最近刊行された『村山富市の証言録』(新生舎出版)にある。
◆それでも実現しなかった被災者支援策があった。「ちゃんとできなくて本当に残念だったよ」。淡々とした口調に村山氏の無念さがにじむ。
◆今回の大震災でも復興が遅れ、希望を持てないことに大勢の人たちが耐え続けている。「日本をよくする」気概を国会が示す番だ。}

 これから被災地は寒い冬がやってくる。仮設住宅はようやく出来上がった。しかし寒さ対策が追いつかず、被災者はほとんど仕事を失い、懐も寒い。先の見通しがつかない被災者に、出来るだけの事をして欲しい。村山元首相のように従来の慣行やら制度にとらわれないで、野田首相も責任は内閣が持つと閣僚や役人らにハッパをかけて欲しいものだ。



大王製紙、井川前会長無担保で総額106億円を借り入れた

2011-10-29 06:28:16 | Weblog
10月29日付 編集手帳 読売新聞
 { 噺 ( はなし ) 家 ( か ) の符丁で扇子を「カゼ」、手拭いを「マンダラ」、羽織を「ダルマ」… 博奕 ( ばくち ) のことはその昔、「モウトル」と呼んだらしい。もう取るぞ、次は勝つ、もう取る…と言っているうちに身ぐるみ剥がれることに由来する。
◆その人も、「もう取る」「もう取る」とつぶやきながら借財を膨らませたのだろうか。大王製紙の前会長(47)が会社の了解を得ることなく106億円もの金を子会社から借り入れていたのには、たまげた人も多かろう。
◆借入金のうち約90億円が海外のカジノ関連会社の口座に振り込まれた、とも報じられている。
◆毎日100万円ずつ使っても使い切るのに29年かかる金を、1年半の間に不正な形で借り入れる。貸す子会社も子会社で、グループとしてどういう経営をしていたのか不思議でならない。孫に“大王”並みのむちゃな権力を振るわせるために、祖父の創業者は社名を選んだわけでもあるまいに。会社は前会長を告訴・告発するというから、借入金の使い道を含めて事件の詳細はやがて明らかになるだろう。
◆博奕を言い表す博徒の隠語は「盆」である。眼識の暗い者を「ぼんくら」という。}

 信じられない話だが、大王製紙の井川前会長(47)による巨額借り入れ問題で、子会社からの借り入れは計26回、総額で106億8000万円に上り、59億3000万円は未返済などとする特別調査委員会の調査報告書を公表した。こんな金額を使うのに苦労するのに、海外のカジノに入れあげていたとは、呆れてものが言えない。また、会長だから無担保で金を自由に貸した、会社もおかしい。信じられない話である。





「ドクトルマンボウ」作家の北杜夫氏死去

2011-10-27 06:28:08 | Weblog
10月26日付 よみうり寸評
 〈北杜夫文学の原風景は“原っぱ”である〉――奥野健男氏の評。原っぱは戦前の東京・山の手育ちの子供には懐かしい場所である。
◆北杜夫こと斎藤宗吉少年は昭和2年の生まれ。東京・青山の原っぱは「楡家(にれけ)の人びと」の姉弟たちの遊び場。メンコやベーゴマで遊び、生きた自然と接したかけがえのない自己形成の場だった。
◆北さんが麻布中学1年のとき、2年生に奥野氏がいた。氏は〈北文学の魅力は、作者がみずみずしい少年の魂を喪(うしな)わずに、いつまでも保っているところにある〉とも書いている。
◆北さんは珍しい高山の昆虫にひかれて旧制松本高校に進む。が、勤労動員中、東京の自宅が空襲で焼け、長年収集した昆虫標本は一夜にして灰になった。
◆以後、昆虫少年斎藤宗吉は文学青年北杜夫となった。「楡家の人びと」は三島由紀夫が〈戦後に書かれたもっとも重要な小説の一つ。これこそ小説なのだ!〉と評した。
◆「どくとるマンボウ航海記」以来、熱心な読者が多い。ユーモアと少年の魂の作家が84歳で逝った。}

 「どくとるマンボウ」の愛称で親しまれた作家の北杜夫さんの死去が26日伝えられた。インフルエンザの予防接種を受けた後、体調を崩して23日に入院。24日に容体が急変し午前6時2分、都内の病院で腸閉塞のため死去した。入院時も意識があり話も出来た。来月発売の実業之日本社の月刊誌「ジェイ・ノベル」の12月号用に連載エッセーの原稿を寄せたばかりだったという。いつも少年の心を忘れない、ユーモアの豊富な作家だった。謹んでお悔やみ申し上げます。







<膵臓がん>微小カプセルで狙い撃ち増殖抑制成功

2011-10-25 06:48:39 | Weblog
毎日新聞
 {高分子製の微小カプセルに抗がん剤を入れ、ヒトの膵臓(すいぞう)がんを移植したマウスに注射、狙い通りがん細胞に届き、がん増殖を抑えることに、東京大などのチームが成功した。昨年から臨床試験を始めた。膵臓がんは非常に治療が難しく、副作用の少ない薬になる可能性がある。23日付の英科学誌ネイチャー・ナノテクノロジーに発表した。

 がん細胞の血管は物質が通り抜ける穴が正常細胞より大きいため、適度な大きさのカプセルを使えば、がん細胞にだけ届く。しかし、膵臓がんの穴は他のがん細胞より小さいことなどから、従来のカプセルでは通り抜けられなかった。

 チームは、直径30~100ナノメートル(ナノは10億分の1)の抗がん剤を包むカプセルを作製。ヒトの膵臓がんを皮下に移植したマウスに注射すると、50ナノメートルより小さなカプセルはがんの内部に入り込み、がん増殖を抑えた。

 片岡一則・東大教授(高分子化学)は「スキルス胃がんなど他の難治性のがんへの応用も検討したい」と話す。【永山悦子】}

 膵臓は他の臓器に比べ間質と呼ばれる細胞間の組織が多いため、抗がん剤の直接投与では、薬剤ががんに到達しにくい。今回、抗がん剤を直径を最小となる30ナノ・メートル(10万分の3ミリ・メートル)にしたことで、膵臓 ( すいぞう ) がんの進行を抑える動物実験に、東京大学の片岡一則教授らのチームが成功した。膵臓がんは自覚症状が出ないので、発見が遅れることが多い。最近では、米アップル共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏も膵臓がんで亡くなった。今後の技術に期待した。



菊花賞オルフェーヴル3冠達成の快挙=ディープ以来7頭目

2011-10-24 06:22:46 | Weblog
10月22日付 よみうり寸評
 {〈京都農林省賞典四歳呼馬〉。1938年、英国のレースを範に創設されたこのレースが戦後に菊花賞と改名された。
◆日本中央競馬会(JRA)の公式サイトによると、競走の目的は最もスタミナのある繁殖馬を選定すること。このため、せん馬(去勢馬)は出走できない。
◆3歳クラシック三冠の最終関門、菊花賞が23日午後、京都競馬場で発走となる。〈皐月(さつき)賞は速い馬が勝つ。ダービーは運の良い馬が勝つ。菊花賞は強い馬が勝つ〉。こう言われてきたように三冠の中でも真の力が試されるレースといえる。
◆菊の出来は土で決まる、と言われるほど菊の花の美しさを引き出す重要なポイントが培養土だそうだ。競走馬の強さを引き出す培養土は、管理する調教師であり、騎手であろう◆3000メートルの長丁場、2度の坂越え。約3分のレース中、馬との呼吸をいかに合わせ続けるか。菊花賞は騎手の技量も厳しく問う。
◆今年、オルフェーヴルが史上7頭目となる三冠の偉業に挑む。先頭でゴールを駆け抜け、大輪を咲かせるか。}

 中央競馬の3歳クラシックレース最終戦、第72回菊花賞は23日、京都競馬場の芝3000メートルのコースに牡馬18頭が出走して行われ、大外からの出走で心配されたが、単勝1.4倍で圧倒的な1番人気となった池添謙一騎手騎乗のオルフェーヴルが3分2秒8で優勝し、皐月(さつき)賞、日本ダービーと合わせた史上7頭目の3冠を達成した。3冠は2005年のディープインパクト以来6年ぶり。
池添騎手と池江泰寿調教師は、ともに菊花賞初勝利。同騎手は史上最年少の32歳3カ月1日で3冠ジョッキーになった。また、池江調教師の父、泰郎氏はディープインパクトを管理した元調教師で、過去に例のない調教師2代での3冠制覇となった。これからさらに勝ち続けて、伝説の馬になってもらいたい。