TENNIS COACH DIARY

ハンサム木全のたわごとです

レッスン時間外での練習(434)

2006-04-05 22:19:00 | tennis
 朝からずっと雨で、満開の桜がだいぶ散ってしまいました。

 午後、久しぶりにクラブへ来たら、4日前に1個しかなかったチューリップのつぼみが、なんと20個近く咲いていました。小さな葉っぱだけだったスミレもだいぶ大きくなったり、つぼみをつけたりしています。

 kids tennis cupで、夕方、シンポジウムを毎回行いますが、松島コーチが「質問ある子??」と尋ねた時に、「はいっ!!」と1番に手を挙げる子と、まったくあげない子がいます。テニスが強くなるためには、どちらのほうがいいのか??という疑問には、はっきりと答えることはできません。…が、今まで見て来たなかで、その後強くなった子供の多くは前者でした。おとなしくて、自己アピールができない子が強くなったという例は、けっこう少ないかもしれません。

 大島コーチのお話の中に、テニスのレッスンの時間以外の時間にどれだけのことをやっているか?というお話がありました。このお話を聞いていて思い出したのが、Yくんのことです。彼は私がSテニスクラブにいたころ、最初少し教えたりすることがありました。今は自分のテニス選手を引退したのかわかりませんが、Sテニスクラブのコーチをしているようです。彼は中学3年生のころ、選手クラスにようやく入れた(それまでは一般ジュニアクラスでした)くらいだったのに、高校3年では県ナンバー1くらいになっていました。

 今でも思い出すのは、彼がレッスン以外でみせる行動です。

 ある晩、レッスンが夜9時に終わり、みんな選手たちは、着替えたり雑談したり、コーチたちもみんなが帰るまでクラブハウスで雑談につきあうといった雰囲気でいたのですが、ふと気がつくとYだけ姿が見当たりません。どこへ行ったんだろう?コートへ行く途中にある自動販売機でジュースでも買っているのかな?と思い、さがしに行きました。すると、照明の消えたテニスコートに人の気配。彼でした。素手でバックハンドスライスの素振りをしていました、真っ暗なコートで。私が「どうしたんだ?」と聞くと、「いや、ちょっとインスピレーションが湧いたんで、忘れないうちに試してみようかと思いまして」という一言でした。この事件だけに限らず、彼がテニスにかける思いはいつでも強力に伝わってきましたし、学校の授業中も含めて、寝ている時以外はすべて、テニスのことを考えているんじゃないか?と私は思っていました。彼は、高校を卒業してからも選手活動を続け、海外にも積極的に出て行き、ダブルスだけかもしれませんが、ATPポイントも獲得しました。

 かくいう私も、大島コーチ同様、中学高校時代は、雨の日は、自分の家のタンスを壁にみたてた壁打ち練習を飽きもせずに7時間でも8時間でもやったくちです。ボーリング場の地下駐車場で雨の日壁打ちをいつもやっていて、出入り禁止をくらったこともあります。もう、好きで好きでたまらず、やらずにはいられないといった感じでした。電車に乗っている時も常につま先立ちで立って、地面の石を見る訓練なんかもいつもしていました。こういったことが、役立ったかどうかは別として、テニスの練習時間以外の時間で、どれだけ好きなテニスに力をそそいだか、という自信は、ぎりぎりの勝つか負けるかの試合の時に、自分を助けてくれていたように思います。

 レッスン時間以外になにができるか、みなさん工夫してみてください。

 でも大島コーチが言っていた、テニスのグリップだけのもの、私の時代にはありませんでした。時代が少し違うのかな?
コメント (6)
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