TENNIS COACH DIARY

ハンサム木全のたわごとです

選手が主人公。(3089)

2017-11-28 22:25:33 | tennis
親御さんたちの悩みのうちの一つ。

自分のクラブのコーチが…。というお話。



まず多いのが、

自分のクラブのコーチが、

①自分の理想のテニスがあって、生徒全員にそのスタイルを押し付ける。

②えこひいきがあって、お気に入りの生徒ではない側に入ってしまった。

③どなりながらのレッスンで、子供達が怒られたくないために、仕方なく何か行動する。


こんなところですね。


本日、まず①について。


《自分のクラブのコーチが、自分の理想のテニスがあって、生徒全員にそのスタイルを押し付ける。》


子供達は百人いれば百様です。
性格も様々。
足の速い子もいれば、遅い子もいる。
テクニックのある子もいれば、不器用な子もいる。
ハードヒットの感覚に優れている子もいれば、つないで相手のミスを誘うのがうまい子もいる。

それなのに、ある種の指導者は、どうして自分の好みを押し付けるのか??


福井県出身で、現在秋田県在住の元女子プロ選手、A選手(そのお父さんは、私の仲のいい友人です)は昔言いました。


「世の中に、コーチが教えたい事ではなく、選手が教わりたい事を教えてくれるコーチが、本当に少ない!」






どこの県にも、そのクラブの所属選手たちはみんな、同じフォームで同じテニスをする、なんてクラブがあったりします。


でも、私はそれはどうかな〜〜〜と思っています。


私は子供達に雨の日ミーティングで、「テニスプレイの4つのスタイル」の話をいつもします。

⑴アグレッシブ・ベースライナー(ベースラインから攻撃的なストロークを打つ、シャラポワなど)
⑵カウンター・パンチャー(基本はしつこくつないでいるが、相手がすごいショットを打ってくると、もっとすごいカウンターを決める、パス、ロブもうまい、ナダルなど)
⑶オールラウンド(ストローク、ネットプレー、なんでもこなす、フェデラーなど)
⑷ネットプレーヤー(サーブアンドボレーを得意とする、すぐにネットに出る、鈴木貴男など)

将来どのタイプになっていくか?は、どのショットが一番得意か、ではなく、どのショットが一番好きかで決まるそうです。

自分が教えている生徒が、どのショットが好きで、性格、大人になってからの体格、などなど考慮して、
将来どんなスタイルになっていくのか、イメージし、ビジョンを持ってその方向に導いていく様、常に注意しています。


でも、スライスやドロップショットなどのテクニックが天才的で、惚れ惚れしてしまう様な子が、もし
ストロークの強打しか教えないクラブに入ったとしたら…、それはもう悲劇です。

あまり想像したくないですね。


レッスンは、低年齢のクラスでは、どのスタイルにも行ける様に、全てのテクニックをコーチ主導で行うことが多いです。
(生徒が一人だったりすると、少し指導のテクニックを使います←このお話はまた後日)
例えるなら小学校の授業の様な感じです。

学年やレベルが上に(高校生)なってくると、何の練習をしたいか?するべきか?生徒に考えさせ、それをやる!というのが増えて来ます。
プレースタイルの方向性が自分でもわかって来ていますから。
例えるなら、大学の授業、専門学校の授業といった感じですね。

(高校生にもなって、その日、何の練習をしたいのか考えずにコートに来て、コーチが考えた練習を何も言わずに黙々とこなす…というのは少し問題です。)

もし、そのクラブのナンバー1のうまい子があるプレースタイルだとして(例えばアグレッシブ・ベースライナー)、指導者がクラブの全員にその子のスタイルを押し付けてくる様だったら、どうしたらいいのか??(生徒が自分で、ナンバー1の子に憧れて、そのプレーを真似する場合は、いいと思います)

クラブを移籍して、自分にあったスタイルを認めてくれるコーチのところへ行く?
他に移動するクラブがない場合、コーチの指導に「はい」と相槌を打ちながら、自分のやりたい事を貫く?
(←コーチの説教が飛んでくるかも)
クラブでの練習では、仕方ないのでコーチの言う通り我慢してやるけど、自主練時間を増やして自分のやりたいスタイルの練習をする??

どれも、なかなか難しい。
いい答えがなかなか出て来ません。
その家庭の置かれている状況によって、出来ることと出来ないことがありますし。


まず言えることは、親もある程度勉強して、知識をつけ、あまり自分の子供のプレースタイルに合わないことを押し付けてくる、コーチが主人公型のクラブは避ける方がいいということになります。
もちろん、テニス初心者でこれからテニスを始める、という状況では、子供のプレースタイルなんてのはまだわかりません。でも、そのクラブの全ての生徒の練習や選手の試合を見て、クラブの全員が皆同じ様なフォームで、同じ様なテニスをしている場合は注意が必要ですね。


テニスは、選手が主人公ですからね〜〜〜。


しかし、引退したフランスの魔術師プレーヤー、ファブリス・サントーロ選手を子供時代教えていたコーチはどんなコーチだったのかな??
あのスタイルを矯正しないで、世界トップまで行けることを見抜くとは、相当の実力のコーチです。


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駆け込み寺。(3088)

2017-11-27 23:55:50 | tennis
千葉県の東側の海側、有名な九十九里浜というのがあります。

この九十九里浜のもう少し地図上の上側、つまり北ですね、銚子の少し手前に旭市というところがあります。



この旭市にある県営のテニスコート8面で、よく練習マッチや合宿を行っています。



ここで行う練習マッチ、募集するといろんななところから、選手と親御さんがやってくるわけなのです。
関東全域だけでなく、静岡県や宮城県、前には長野や沖縄などから来てくれた方もいました。
ありがたいことです。


子供達は朝から夕方まで、多い時には一人13セットなんてこともありました。
もう本当にテニス漬けです。


遠くからやってくる目的は、普段対戦しないような、同年代の知らない子とたくさん戦えるっていうこともあるのですが、


もう一つ面白いことに、


テニスの悩み事を親御さんは抱えていて、子供達が試合している間に、僕とそんな悩み事のおしゃべりをします。
全ての悩み事に、いいアドバイスをできるわけではありませんが、

お話を聞いて、今までの長い経験の中から、役に立ちそうな話をします。


すると、なんとなく、みなさんいい表情で帰っていきます。


そして、その後の子供の変化や、地元での試合の結果などを、メールしてくれたりします。

なんか、お悩み相談、駆け込み寺みたいなもんですね。



でも、そうやって、ものすごい遠方からよく来ていた子供達は、その親の努力、真剣さもあってか、
数年後には全日本ジュニアの舞台に出るばかりではなく、トップに立っていたり…なんてことが起こりますね。


悩みの内容はみなさん様々です。

テニスの技術のこともあれば、自分のクラブの中の問題点、コーチの問題などなど。

また、その内容に関してはおいおい簡単に触れようと思います。


お悩みの方は、どうぞ、駆け込み寺へ!!笑






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プロとジュニアの違い。(3087)

2017-11-26 23:21:45 | tennis



プロがレッスンを受けにくると、私では打ち合いになりませんので、ずっとボール出しの基本練習、反復練習になります。

読者の皆さんは、不思議に思うかもしれませんが、
選手たちはツアーに回っていると、外国にコーチ、ヒッティングパートナーなどを帯同(いっしょにつれていくという意味)するような経済的な余裕がない選手、わかりやすく言うと、ランキングが低く、賞金がそんなにもらえない選手は、会場では選手どうし練習することになります。

もちろん、試合会場では自分のテニスが最優先なので、相手がこちらのやりたい事をしてはくれません。
例えば、相手のボールが浮いて、それを打ち込む時にミスが出てしまうので、高い打点から打ち込みたいって時に、
相手が全部地を這うような低い強打をしてくる、とか。

それから、こういうボールを打つ選手と練習したい、という希望があっても、いつも希望のタイプと練習できるわけではありません。例えばじっくりラリーの練習がしたいのに、相手は全部サーブアンドボレーをしてくる、とか。

また、勝ちたい、勝ちたいでやっていると、打点やフォームが狂ったり、そして悪いことにそれに自分では気がつかなかったり(客観的に見てくれるコーチがいないわけですから)、そんなことが起こるわけです。

そうすると、長い遠征から帰ってくると、時には、ボール出しでの基本練習も必要になってくるわけですね。


プロの練習をやっていて、ジュニアたちと何が違っているのか感じることがあります。


それは、








まず、面白くない練習をもくもくとずっとやる。


例えば、小さなこたちに、集中して練習させるためによくやること。
1)バツゲームをつける。
合格できなかったこは、バツゲームとしてテケテケ1往復ね!!(テケテケというのは、うちのクラブではまずやりたくないランキング1位のトレーニングです)とか。

2)ご褒美をつける。
まとに当たった子には、アメをあげるよ〜!!とか。

そうするとみんな、目の色が変わってやるわけです。


でも、


プロの練習では、バツゲームもごほうびもなく、ずっと集中してボールにたましいを込めて打ち続けます。
このショットが全てまとに当たるくらいのレベルになれば、ライバルたちに勝てる、ランキングが上がる、
今まで出られなかった高いグレードの大会に出られるようになる…

ていうのが、すでにごほうびなんですね。
だからがんばれる、300球でも400球でも打ち続ける。
そういうことなんです。


ジュニアの皆さん、よく考えてください。
バツゲームや、ごほうびをコーチに出されて、楽しく練習しているのは、
実は、まだまだってことなんです。

早くコーチに「そんなの無しでも集中してやりますから、早くやりましょ!!」くらい言えるようにならないといけないし、
コーチたちはそれを目標に頑張っているのです!!!!
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試合中のイライラと戦う。(3086)

2017-11-25 22:46:59 | tennis
今日も、ジュニアの生徒にお話した事です。


試合中に、イライラして負けてしまう選手がいます。

先日、たまたまその子一人だった時のレッスンの最後に1セット試合をしました。
すると、ゲームカウントがはなされるにつれ、だんだんイライラして、試合の最後には、遠いボールや
予想外の所へ来たボールを、追っかけさえしなくなってしまいました。

試合後、「今の試合の一番悪かったところはどこ?」と聞くと、技術のことを話しはじめましたので、
「いや、違うよ、今の試合の一番悪かったところは、メンタルです。イライラがじゃまして、自分のいいプレー
が全然出せてなかったよ」「技術(テクニック)や、体力(フィジカル)や作戦(タクティクス)がダメなのは
練習やトレーニングでもっとうまくして良くしていけばいいけど、試合中にメンタルがダメになったら、そのよくなった
技術や体がはっきできないよ」とアドバイスしました。


幼稚園児が10円拾って大喜びするけど、大人になったら1万円くらいひろわないと大喜びしない、10円くらい
なら心が大きく動かされない。

で、テニスもよく似ていて、試合経験が少ないころは、小さなことですぐカッとなったり、イライラする、
でも試合経験をたくさんふんで、成長してくると、ちょっとやそっとのことではイライラしない、強い平常心
を作ることができる。

こんな話もしました。

そのあと、実際の大会で試合を見る機会もあり、イライラと戦っていたり、少し心が折れたり、
がんばっているすがたをしっかり見れました。


今日、またメールが来ました。
また、自分のミスが増えて来たので、イライラが爆発してしまったそうです。


今日は、こんなことをメールの返事に書いて見ました。


「修正しても、なかなか自分のテニスがなおらないのに、なんとかして相手に勝とうと、頭をひねって、工夫して
戦うところが、テニスの醍醐味(だいごみ)なんだよ!!!」(そこがテニスの一番面白いところってこと)

「あなたは、思い通りにならないことが出て来て、勝つのがむずかしくなって、つまり面白くなってくると、
逆につまらなくなってしまうのだよ、今は。」

「困難(こんなん)を解決する楽しみをすてている、楽しいのにもったいない!!」

「考え方が変わって、テニスの楽しみ方の種類が一段上に進化するといいね。」

「いい言葉をプレゼントするよ」

「逆境(ぎゃっきょう)を楽しむ!←意味は調べてね」


試合中にイライラして、どんどんダメになっていってしまう選手の皆さんは、心がけて見てくださいね。

 
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12月、1月のマッチ練習会のお知らせ(3085)

2017-11-24 14:59:47 | tennis
12月、1月のマッチ練習会のお知らせ

●12/3(日) 9:00〜17:00 東総コート(旭市)募集20名

●12/17(日) 9:00〜17:00 東総コート(旭市)募集15名

●1/5(金) 9:00〜17:00 東総コート(旭市)募集15名


費用:2500円(当日)
コート:オムニコート
小2〜高3まで、試合のできるジュニア
申込方法:木全スマホまでメールでお願いします。
h-kimata-hermione-granger@docomo.ne.jp
(コンピューターからの申込はh-kimata@pa2.so-net.ne.jpまで)
名前、学年、所属、希望日(先着順となります)

当日のキャンセルは申し訳ありませんが、全額頂きます。
お待ちしております!!!
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基本中の基本(3084)

2017-11-24 14:42:19 | tennis
レッスン中に子供達に話したことです。

よく、相手のボールが予想外に速かったりして、振り遅れのサイドアウトをよくする子がいます。
たびたびだったので、昔、カメラマンの友人から聞いた、ウインブルドン決勝でのセレナ・ウイリアムスの話をしました。
(ずいぶん前にも書きましたが、だいぶ昔なので、また載せようと思います)


セレナは決勝で、チェンジコートのたびに、バッグからメモを取り出し見ています。
プレーする上での注意を書いてあるのでしょう。
あるカメラマンがようやく、望遠でそのメモに書いてあることを撮影することに成功しました。
そこには3つの事が書いてあったそうです。

Hit in front of you (打点を前に)

Stay low (低く構える)

watch the ball (ボールをよく見る)


とっても基本的な事しか書いてありません、テニスの試合に出はじめたばかりのアマチュアだっらわかります。

でもセレナです、世界トップです、しかもウインブルドン決勝です。


セレナの腕力だったら、少しくらい打点が遅れても、力でカバーして、とてもいいボールが打てそうな。

セレナの技術力だったら、多少つっ立っていても、素晴らしいボールが打てそうな。

セレナの実力だったら、多少目がはなれても、コートにボールが入りそうな。

そんな気もするのですが、そうではないのですね。



言い換えれば、世界のトップでも注意する、基本中の基本だという事ですね。

普段の練習や、家での素振りで、とても意識してやって、
試合中に意識しまくてもできるレベルまで、”技化”しましょうね。


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