山口日記

その日を記し、その日を残し、来るべき日を見据え、来るべき日を迎えるために。

蛮族の侵入だ

2008年01月08日 | 日記
「みなさん、さようなら」という映画を見た。美しいと言っていいのか分からないけれど、美しいコントラストを感じた。何に価値があるのか、なぜ生きて死ぬのか。その答えを提示しようとするのではなく、答えを探そうとするのではなく、まるで答えを待ちわびているような感じさえした。息子と父親、下品な下ネタと高尚な歴史論、ジャンキーと成功を収めているビジネスマン、シスターと尻軽女、乱雑な病棟と高級な個室。すべてが隣同士に存在するが、けっして混ざってしまうことはない現実。しかし、お互いがお互いの影響を受け、変化が生じる。しかしそこには中間は存在しない。このコントラストを最後まで相反するものではなく、同空間に同時に存在するという事実。確かに美化された死と親子の話である。しかしこの対比の中で紡がれる言葉に涙が出た。「蛮族の侵入だ」。最後に息子と顔を合わせたときの言葉。自分と対極の人間であることを最後まで否定せず、そして最後の息子への願い事を伝える。


「茶の味」も面白かった。釣りに出かけてちょっとしたハプニングで笑い転げて、結局釣れずに帰ってきたような感覚。わけわかんねぇか。「Ray」はなんとも・・・。ユニバーサルスタジオの映画は見なくていいや。