山口日記

その日を記し、その日を残し、来るべき日を見据え、来るべき日を迎えるために。

冬が来た

2009年11月02日 | 日記
激しい風の音と共に風呂場のドアが勢いよく開く音で目が覚めた。三角形になった建物の最上階角部屋の三角の先っちょに位置する私の部屋は、風と太陽の晒し者だ。私は昨日買ったユニクロのムートンのフリースを嬉しそうに羽織り、その暖かさとコストパフォーマンスに満足して近くのそばやに向かった。強風で鉢植えは倒れ、日差しはよわくなり、そこには夏の合間をぬってちゃかり冬が居座っていた。汚いカウンターで300円のそばをすすり、朝の沖縄そばはお腹にやさしいと思いながらも、いつ食中毒に当たるかと心配になる厨房を眺める。スーサイダルテンデンシーズのキャップをかぶり、錆びたシルバーのママチャリに乗った兄ちゃんもそばをすすりに来たのか自転車を降りて券売機に向かう。足が不自由なのか片足を引きずりながら歩くその姿に違和感はなく、昨日今日の付き合いではないことが分かった。その向こうからはドレットではないにしろ何年も手を入れてませんとう髪の毛に、どんな作りになっているの?と言う疑問が浮かぶような服を着て、縦じまにラスタカラーを施したママチャリに股がる女性が来た。荷台には子供が座る椅子が着いていて母親だと分か
る。私は煙草に火をつけてのんびりと帰路に向かう。相変わらず風は冬のにおいを吹き付けて来て私はお気に入りのムートンのフリースに手を突っ込み火種が飛びそうなくらいくしゃくしゃの煙草をくわえ直す。

去年の解雇劇から一年と少し。那覇に引っ越し新しい職場と生活に怯えていた今ごろ。予想通り苦労した一年だ。年末はゆっくり過ごしたいものだ。