山口日記

その日を記し、その日を残し、来るべき日を見据え、来るべき日を迎えるために。

中学生

2010年11月24日 | 日記
ロストエイジの『TOBACCO』を聞きながら運転して帰る帰り道が好きだ。今突きつけられている問題をあの頃の私に突きつけたら、蜥蜴が尻尾をきって逃げるように問題を置き去りにして逃げるだろうけれど、あの頃のちっぽけな悩みは今の重要な問題よりも深刻だった。明日のテストのために世界の終わりを願うほどちっぽけで深刻だった。
そんなちっぽけな中学生を思い出し、フフッと笑ってしまいそうになる。それでも私には深刻だったんだと。

お辞儀

2010年11月21日 | 日記
月曜日から金曜日の朝、毎日毎日すべての車に頭を下げるおじさんがいる。雨の日もレインコートを着て満面の笑みで頭を下げるおじさんは、小学校の前にある横断歩道に立つ交通安全指導員。どんな経緯があるのかは解らないけれど、並々ならぬ思いが込められていることが伝わってくる。不思議なことにその区間ではみなスピードを落とす。そして私は毎朝感動する。

ひとの行動が思いによって成されることが象徴されているような気がする。頭を下げてお辞儀することは誰にでも出来るけれど、すべての車に笑顔で、安全運転ありがとうございますございます、と思いを込めたお辞儀を毎日できる人は多くはないだろう。そして国道を走る多くの車の注意を引き、小学生が居ることを認識させ、スピードを落とすという結果を産み出したことが素晴らしい。早朝からの通学時間、毎日同じ人が多く通ることを考えると、非常に効果的なやり方だと思う。ここに成功者を一人見つけたような気がした。

でもどうしてそこまですることができるの?
この人だから乗り越えられる試練なのかもしれない。ただなぜかありがとうと伝えたくなります。

明日も私も笑顔で挨拶をしよう。

おうち

2010年11月18日 | 日記
夜があるから朝が来る。そして朝は必ず訪れるもの。ラジオからそんな言葉が聞こえてきた。通勤は片道40分の車通勤。入り口だけが混むガラガラの高速をのんびりと走り、40キロほど北上する。一日の走行距離は90キロ近くあり、月間で2,000キロを越える。オンボロラシーンはすでに9万キロ近く走っていて、縦断しても100キロのこの島を何週したのかと笑ってしまう。この通勤時間を有効に使いたいと英会話のCDを聞いたり、好きな音楽を聴く時間に使ったりとしているが、朝は朝で寝ぼけていて集中力がなく、帰りは帰りで疲れと空腹で家にたどり着くことしか考えていないので、結局ただの通勤時間となってしまう。電車だったら本でも読めるのになぁ、なんて考えてはみるけれど、どうせ眠いとか、周りが気になるとか言って何もしないのだろう。

沖縄はこれでも一応冬支度をしているようで、ふとした瞬間に冬のにおいが流れてくる。北風が強くなり、雲のかかったどんよりとした天気になってくる。冬の沖縄は正直好きになれない。いい思い出がないこともその原因かもしれない。故郷の奈良の冬はそれはそれで好きだったし、北海道の冬は一大イベントのようで楽しかった。春夏秋冬バランスの取れた奈良で育った私は、きっと極端な夏や、極端な冬が楽しいのだろう。この地に長く居座ると決めたのだからもうそんな興味本位で動くようなことはしたくない。

こんなことを考えるのも、家を建てたくなったから(笑)。庭付きの平屋の家を建てたい。田舎でもいい(こっちの都会はどこなのか・・・)。しっかりと腰を据えて仕事に取り組み、生活を築く。当たり前に当たり前の生活を過ごしたい。そして我が家がほしい。10年転々とし、どこに移っても次に移ることばかりを考えている。今身近に居ている人以外に私の消息を知っている人は少ない。携帯一本で分かることではあるが、転がり続けた結果、たったそれだけの情報でさえあやふやな情報になってしまっている。希薄な人間関係にもなれ、その言い訳に遠隔地を使い、音信不通を仕事のせいにする自分に歯止めをかけないと。そして海に行かなくなった私がもう一度海と向かい合うように、その家は海辺にあること。そして、そこが夢の第一歩になるように。そして、そこでまずはわが子が幸せな時間を過ごせるように。そんなことを考える。きっと甥っ子の誕生に刺激があったのだろう。

なにがなんでも

2010年11月01日 | 日記
無くしたと思っていたボールペンを取り戻した。

沖縄に移住したときに勤めていたホテルは非常に印象深く、そこに居たスタッフにも特別な思い入れがある。そこで可愛がってくれていたフレンチのシェフが「カルティエの万年筆あげる」と言ってもらったのが手帳の上にあるもの。次に勤めたホテルがオープンするときに購入したのがその万年筆と合わせたボールペン。セットで思い出深いのですが、カルティエではなくPILOTのキャバリエでした。

 私は字が汚いので、道具でなんとかできないかといつも考えているのですが、そんなことを考えている時間があるのだったら書き順を覚えて練習しないさいと自分でも思うのです。でもやっぱり小物が好きなので、いろいろ買ってしまう。キャバリエも細い替え芯にしてスッキリした字にならないかと期待したのですが、ミミズが這うどころか、埃がいっぱい落ちたみたいになってしまった。さらには、伝票にサインしたり、オーダーパットに記入するような作業では細いペン先が突き刺さったり、破ったりしてしまうので使いにくく、どこかで新しいボールペンが欲しいなぁ、なんて考えていた。ここで替え芯を元に戻すのではなく、新しいものにしようとしたことが、今回キャバリエが家出した原因だったとおもう。ある日どこをどう探しても見つからず、クリーニング屋にも、利用した飲食店にも問い合わせてもダメでさすがに諦めて新しいボールペンを買うことにした。クロス、ラミー、ペリカン、ウォーターマン、パーカー、モンブランなどなどたくさん見てみましたが、どこか踏み切れずに居たのですが、沖縄の天然木で作ったボールペンを見つけてこれにしようと思ったのですが、どこか煮え切らない。天然木だからできるだけたくさん見て気に入った木目の物を買おうとアトリエまで出かけたが休みだった。なかなか買えないでいる時期が長く続いた。そして今日、オーダー記入をお願いしたレストランスタッフが使っているボールペンを見た瞬間、もう迷うことなく私のもだと直感で分かった。腹立たしい気持ちでいっぱいだったがどこで見つけたのかと聞くと、クリーニングの伝票を書くところに忘れていたそうだ。それならそうで使ってんじゃなくて総務に届けろよボケ!!でもちゃんと見つけてくれてありがとうと伝えて、応急処置で買った無印のボールペンをあげて返してもらった。

 いろんな意味でもう手放せないだろうと思う。