山口日記

その日を記し、その日を残し、来るべき日を見据え、来るべき日を迎えるために。

シュノーケリング

2022年07月23日 | 日記
 むせ返るような暑さの夏がまた来て、毎年毎年沖縄に来てよかったなと思う。今年は初めて息子とシュノーケリングをしている。そんな年に限ってシュノーケリングの事故が多くて妻が心配になるのも仕方のないことだ。私も今はまだ一緒に泳ぐことはせず、自分の足が届く範囲で息子を泳がせて見守ることに徹している。コポコポと音を立ててシュノーケルに水が入っていく様子を見ていると、苦しくなって立ち上がっていたのに、いつの間にかプシュっと水抜きができるようなっている姿を見ると、うれしくなってくる。

 半身でも海に体を浸けていると、風は涼しく、それほど熱い天気であることを忘れてしまう。海の色と、潮の香りと、空の高さを感じながら息子がはしゃぐ時間が、どれほど幸せなことなのかと考えてみる。いつの間にかコロナが無い生活も忘れてしまいそうだし、どこかで戦争をしていることもあきらめているし、誰かが殺されてしまうような出来事もドラマのワンシーンのようになってしまう一方で、なにか取り返しのつかない歯車が動いてしまっているのではないかという恐怖心に襲われることもある。誰かが開戦前夜と表現しているけれど、冗談ではない。

 納得のいかないことに対して、どう折り合いをつけるのか。自分ではずっと突っぱねて押し切ることが正義だと思っていた。今も思っている部分はある。いかに押し切るかが力出るとも考えている部分はある。しかし、大局を見て局所にこだわっていることについては馬鹿だとも思うようになってきている。大局が大きくなればなるほど、私のこだわりは局所的な物になり、結局は馬鹿だという結末になってしまうことを理解し始めた。遅すぎる。しかし、分かったつもりで正義を振りかざす部下を説得していると、自分は嫌な大人になってしまったなと思うことはある。リトル山口が嫌な大人だなと言ってくるわけである。きんにくんの上腕二頭筋なみにである。しかし、プライベートな自分が、仕事の自分に「むきになるな」と言ってくるので、くだらない大人になり下がるわけだ。今はそれでいい。もう少し後でむきになってやろうと思う。