途端に文章が書けなくなった。迷いばかりが頭に浮かび、書き終えた端から「いや違う」と消去してしまう。
酔いの醒めかけた何か物寂しい空気を払拭したいのか、それとも物寂しい空気を強めることで、自分を際立たせたいのかは分からないけれど、他人にはあまり言えないような話なんかをすることが多くなってきた。高校時代の友人と話していると、話していたつもりが話していなかったことがお互いに多くあり、きっとあの頃それぞれの中に自己防衛のための境界線があったんだろうと思いながら、自分もそんな防衛線を張っていたような気になってきた。確かに、ずっと遠距離恋愛をしているのは、私が男しか好きになれないことをカモフラージュするために最適な手段であるからだ、ということは未だに誰にも話せていない。なんて嘘をつかないと、カミングアウトになるような話は無いから防衛なんてしなかったのだろうけど(過去に、こうして真顔で嘘をついて、途中で飽きて嘘だと言うことを忘れてしまったり、調子に乗りすぎて嘘だというタイミングを逃したりしてめんどくさいことになっているのに、またこうしてやってしまうくらいに、自分へのイメージが変わっていく相手の姿というのはおもしろい)、あの頃の私たちは、誰にどのことをどこまで話すなんてことが非常に重要視されていたような気がする。今となっては全部話すか、何も自分のことは話さないかになってきているけれど。
毎日隣に居るから話せることも、遠く離れたからこそ話せることもある。久々に会った人と懐かしく話しに盛り上がり、今だからこそ話せる裏話や、今考えてみるとこうだったなんて、もう直せないと思っていたけれど、愛着もあるししまっておいたものが、修理されてもう一度使えるようになったような喜びを感じることもある。それでも私が懐かしいと思うのは、近くに居なければ絶対に話すことの無いような、例えば道にウンコが落ちていたなんてことを話していた時間であったり、そんなくだらないことを話そうと思ってしまうようなその相手の存在であったりする。
今こうして書いた文章を読み返して見て、どうしてこんな話をしているのかと考えてみると、きっと自分に「今」がないからだと思う。懐かしい話や先の話ばかりしている。今という部分にウエイトを置いた生活を作らないといけないな。
あと、読み終えて文章が書けているじゃないかと思わなかった人は、文章が読めていないと思ってください。それは私が冒頭に書けないと書いて、文章を書いてそのことに触れていないことが、やっぱり文章を書けていないと思ったからです。
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酔いの醒めかけた何か物寂しい空気を払拭したいのか、それとも物寂しい空気を強めることで、自分を際立たせたいのかは分からないけれど、他人にはあまり言えないような話なんかをすることが多くなってきた。高校時代の友人と話していると、話していたつもりが話していなかったことがお互いに多くあり、きっとあの頃それぞれの中に自己防衛のための境界線があったんだろうと思いながら、自分もそんな防衛線を張っていたような気になってきた。確かに、ずっと遠距離恋愛をしているのは、私が男しか好きになれないことをカモフラージュするために最適な手段であるからだ、ということは未だに誰にも話せていない。なんて嘘をつかないと、カミングアウトになるような話は無いから防衛なんてしなかったのだろうけど(過去に、こうして真顔で嘘をついて、途中で飽きて嘘だと言うことを忘れてしまったり、調子に乗りすぎて嘘だというタイミングを逃したりしてめんどくさいことになっているのに、またこうしてやってしまうくらいに、自分へのイメージが変わっていく相手の姿というのはおもしろい)、あの頃の私たちは、誰にどのことをどこまで話すなんてことが非常に重要視されていたような気がする。今となっては全部話すか、何も自分のことは話さないかになってきているけれど。
毎日隣に居るから話せることも、遠く離れたからこそ話せることもある。久々に会った人と懐かしく話しに盛り上がり、今だからこそ話せる裏話や、今考えてみるとこうだったなんて、もう直せないと思っていたけれど、愛着もあるししまっておいたものが、修理されてもう一度使えるようになったような喜びを感じることもある。それでも私が懐かしいと思うのは、近くに居なければ絶対に話すことの無いような、例えば道にウンコが落ちていたなんてことを話していた時間であったり、そんなくだらないことを話そうと思ってしまうようなその相手の存在であったりする。
今こうして書いた文章を読み返して見て、どうしてこんな話をしているのかと考えてみると、きっと自分に「今」がないからだと思う。懐かしい話や先の話ばかりしている。今という部分にウエイトを置いた生活を作らないといけないな。
あと、読み終えて文章が書けているじゃないかと思わなかった人は、文章が読めていないと思ってください。それは私が冒頭に書けないと書いて、文章を書いてそのことに触れていないことが、やっぱり文章を書けていないと思ったからです。
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