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社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

ドイツ総選挙について考えたこと

2017年09月24日 | 社会問題
 本当は、このエントリー、選挙結果が出る前に書くべきものだったかもしれない。結果が出てから書くのは、「後出しじゃんけん」という感じがするので。

 4月ぐらいだったと思うが、ある研究会で、ドイツへの在外研究から帰国した研究仲間と、ドイツの政治状況についていろいろな話を聞いた。その時は、SPD党首のマルティン・シュルツの特異な経歴も手伝って、SPDの政策がかなり期待されていた。

 が、その後、独自の政策方向を打ち出すことなく、結局支持率は下降線に。私はドイツの政治に詳しくはないのだが、欧州議会議長を務めたシュルツは、現Euの政策を批判できなかったと言うことだろうか。

 今回の選挙、問題は、極右勢力の議席獲得のみならず、メルケルのCDU(キリスト教民主同盟)が得票率を落としたこと。その背景にある社会の現状への不満である。ドイツは、失業率は低いとされているが(実際低いのだが)、雇用の質という点を見ると、その低失業率は不安定な雇用によって「支えられている」ようである。

 これは、シュレーダー時代のSPDが導入した「ミニジョブ」によるところが大きく、私の個人的見解では「左派の新自由主義政策」の悪い面が一番出ているのではないかと思う。で、その不満を、具体的な政策で救う勢力・政党がないゆえに、極右へと流れるという構図である。

 さて、ヨーロッパの選挙はこのように見ることができるが、日本の場合はどうだろうか?

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