a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

「世界とのつながり」:その1

2011年02月11日 | 社会問題
 大層なタイトルだが、それほどの話でもない。と、言いつつも、いろいろな話がつながっている。

 エジプトではムバラクが辞任の意向を示したようである(こちら


 この民衆の抗議行動はチュニジアに端を発したと言われるが、そのチュニジアではツイッターやfacebookが、人々が抗議行動をする祭のコミュニケーション手段として使われたという。実際に、それがどれぐらい使われて、またどれぐらいの効力を持ったのかはわからない(私はアラビア語が全くできないので、facebookでも追う手段がない)。ただ、欧では、地政学的にも近いこともあり、この問題には多くの注目の目が注がれている。
 で、まあ、仏人の友人とこの問題について話をしていたところ、私の「本当にfacebookやツイッターが影響力を持ったのか?(そうした報道は、欧米のメディアでもされているのか?)」という質問に、その友人は、「そう言えば、私の友人のチュニジア人(パリ在住)は、パリでのデモに参加しらしい。彼のFacebookにあった」と答えていた。

 そんな話をしながらいくつかのことを考えた。

 実際にどれぐらいの影響力を持ったかはわからないにしても、そうしたソーシャルネットワークが影響しているという推察は少なくとも可能なようである。

 日本の場合は、一連の報道はされているものの、一般の興味関心は決して高くはないように思われる。日本もこれぐらいツイッターが広がりを見せているのだから、今後、同じような使われ方をするのだろうか?

 グローバル化、グローバル化と言われているが、こうした出来事に興味関心を示さなくて、物流や経済だけが国境を越えても意味がないのではないか? というのが私の考えである。(無論、ものや人間が国境を越えていけば、自然と問題意識も国境にこだわらなくなってくるのは当然だろうが)

 無論、ここで単に日本が内向きで、欧米がそうではない、などという結論に飛びつくべきではない。仏の場合はかつての植民地だったり、様々な利権が関わっていたりするので関心が高いのであり、単純な意味で「世界の出来事への関心が高い」とは言えないと思う。米での注目は石油がらみ・中東への影響力の問題に関連しているだろうし。

 と、とりとめもなく考えたりした。続きがあるのだが、それについては別の機会で。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お久しぶりです (あずま)
2011-02-14 05:15:24
 今野さん、お元気そうでなによりです。
ぼくは体の節制で2週間ほど入院するので、勉強ができます。
今回のエジプトの件とパレスチナを絡めて、友人の早尾貴紀さんが、週刊金曜日に書いているので、機会があれば読んでみて下さい。
 労働組合史のライターというか、その出版社の雑務として、また働き始めた頃に、入院が決まったので、無念ですが、入院中は翻訳の仕事をします。アメリカで出る、人の移動を巡る事典の「在日朝鮮人」の項目の翻訳なのですが。
 ちなみに、Face Bookは、ぼくも使っています。パキスタンの少数言語専門の友人が、ツイッターでアルジャジーラの様子を伝えていたくらいで、ぼくも今回の件はあまり知りません。
ただアルジェリアで、デモがあったようなので、ブーフテリカがどうなるか、注目はしています。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。