a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

通勤時間の使い方

2012年11月30日 | 研究生活
 私は東京の郊外に住んでいるので、通勤にはかなりの時間がかかる。その時間に何かしないとと、いつも考えている。語学の勉強や、最近は新書でも専門性のあるものも出ており、それを読むことにしている(ただし、内容的には昔の新書の方が高いものが多かったと思うが)。  文庫などで出ている専門書を読むこともできなくはないが、帰りの電車の中は疲れてしまって、本を開く気にもならないことが多いので、「それならば……」 . . . 本文を読む

講義での話:「ガーフィンケルが……」

2012年11月27日 | 研究生活
 これは、学説史を担当させていただいている大学での話。  講義の内容がエスノメソドロジーのところに入り、講義ノートを確認するとガーフィンケルの没年が空欄のままに。  「あ、そういえば昨年調べて、そのままだった」ということに気づく(昨年はまだ存命だった)。  が、しかし気づいたのが講義直前で調べられず。「まあ、昨年調べたから(まだ存命だろうから)いいだろう」という軽い気持ちで講義へ。  そう . . . 本文を読む

ポストブルデューの社会学

2012年11月05日 | 読書
 現在論文を書こうとしているところなんですが、考えがまとまらないのでこの場を利用してブルデューを巡る議論の整理を。  考えの整理の上で、ある本を紹介したいが、それが下の本。 Bourdieu autrement : Fragilités d'un sociologue de combat  イメージをみてわかるように、専門書というよりはブルデューを巡る社会学の議論をまとめて紹 . . . 本文を読む

ブルデューとパスカル

2012年11月02日 | 理論
 現在、パスカルとブルデューの関係について論文を書いている。以下はその中のアイデアの一つ。パスカルのパンセには、有名な断想がある。  347  人間はひとくきの葦に過ぎない。自然の中でもっとも弱いものである。だが、それは考える葦である。彼を押しつぶすために、宇宙全体が武装するには及ばない。蒸気や一滴の水でも彼を殺すのに十分である。だが、たとい宇宙が彼を押しつぶしても、人間は彼を殺すものより尊いだ . . . 本文を読む