a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

仏語参考書について3

2010年07月30日 | 言語
 私的お薦めフランス語参考書、今日はこれまでと違い初級編。初級といっても、初級ではなく(意味不明?)、基本的な文法事項を実際に運用する際に日本人が犯しやすいミス、迷うところを解説したもので非常に役に立つ。 迷わず話せるフランス語―あなたを変える50のヒント小倉 博史,舟杉 真一,モーリス ジャケ白水社このアイテムの詳細を見る 例えば、savoirとconnaitreの違いや、devantとav . . . 本文を読む

「資本論のお供」の前に:デヴィット・ハーヴェイのアニメ

2010年07月29日 | 社会問題
 ネオ・リベラリズム批判で知られるデーヴィット・ハーヴェイが、比較的最近資本論に関する本を出した。これは、彼の他の著作『都市の資本論』などと異なって、マルクスの『資本論』そのものを主題とした著作である。  当初は 「guide to ……」というタイトルで予告されていたのだが、実際に予約していた本が届いてみると、Companion ti marx's capitalになっていた。私は、「お客さん . . . 本文を読む

私的辞典考;その4

2010年07月29日 | 言語
 私にとっては更新が楽なので、ここ数回で私が使っている仏語関連の辞典を私的なお薦めとして紹介している。今回は、仏語の類語辞典の紹介を。  仏語で文章を書くときに困ること一つは、仏語が同じこと場の繰り返しを嫌がる言語であること。個人的感覚では、英語もまた日本語と比較すると同じ言葉の繰り返しを嫌う傾向にあるが、その英語と比しても、仏語は極端に繰り返しを嫌がる言語らしい。  で、そうなると、ボキャブ . . . 本文を読む

私的辞典考:その3

2010年07月28日 | 言語
ディコ仏和辞典山田 ジャク白水社このアイテムの詳細を見る  中辞典クラスの仏和辞書について、ここまで旺文社のロワイヤルと大修館のスタンダードをあれこれ言ってきたけれど、今回は中辞典よりも少し小さくはなるが、白水社のle dicoについて。  現在各社、どの辞典も「現代語」をこぞって導入しているが、そうした潮流の先駆けになったのがこの辞典。コンピュータ関連の用語、これを最初に、豊富に導入した辞典 . . . 本文を読む

仏の中のアラブ

2010年07月27日 | 社会問題
 仏にはいろいろな人がいて、それに伴っていろいろな仏語がある。ブルデューを待つまでもなく、このことは様々なところで、言われている。今回は、それについて個人的な経験を。  と、言っても、私は仏人が使う仏語を云々できるほどの仏語力はない。もう何年も前なのでけど、テレビに良く出ていたスティービーというタレントがいたのだけどが、その彼が良く仏語を直されていたのを、テレビでよく見ていたことぐらい。  で . . . 本文を読む

私的辞典考:その2

2010年07月24日 | 言語
 ここは一応、社会学や社会思想など(それ以外もあるが)中心としたblogとしているが、ここ最近は語学についての話も多い(そちらの方が話がしやすく、更新が楽なので)。で、今回も仏語の話を。ちなみに辞書の話である。 新スタンダード仏和辞典鈴木 信太郎,中平 解大修館書店このアイテムの詳細を見る  中クラスの仏和辞典に関して話をしたい。  今度はスタンダードについて。  この辞典の長所は、なんと . . . 本文を読む

仏語参考書について2

2010年07月21日 | 言語
 ここのところ仏語に関連した話をしていて、興味がない人には申し訳ない。が、今回も仏語関連のエントリーをさせてもらえればと思う。ここ数回、私なりの勝手な視点で、仏語参考書を紹介しているが、今回は、 現代仏作文のテクニック―Comment on ecrit en francais大賀 正喜大修館書店このアイテムの詳細を見る  和文仏訳の練習本。仏訳の対象となる文章は、中学校・高校の歴史の教科書。そ . . . 本文を読む

私的辞典考

2010年07月19日 | 言語
以前、仏和小辞典について、私が使っている数冊のものをあれこれ個人的に意見させてもらった。 次は、仏和の中辞典クラスのものを。まあ、私が使っているのは、クラウン、ル・ディコ、ロワイヤル、スタンダードだが、それについて何回かに分けて意見を書かせてもらえればと思う。 まあ、辞典に限らず仏語関係の参考書で網羅的な情報は、長崎外国語大学の戸口先生のこちらが詳しい。ただ、あるレベルになると、自分なりのリス . . . 本文を読む

先週の飲みの話

2010年07月18日 | 研究生活
 先週末に西川先生をはじめ、アルチュセールの『再生産について』の翻訳に参加した共訳者で集まった話をした。  で、今日はその話の続きである。  実は、西川先生と話している中で、私がしばしば「社会学として……」といったことを言ったらしく、先生から「なぜそんな制度的なことにこだわるのか」と、おしかりを受けてしまった。で、その場にいた共訳者からも批判的なことを言われた。  私は、大学院時代の教官たち . . . 本文を読む

研究生活の方法?

2010年07月16日 | 研究生活
 少々前だが、ある研究会に参加したら、その後に食事に。  そこで、「研究者の生活スタイルとは?」という話題に。いや、要は、どうやって研究時間をとるか? それから、論文を書くときための時間の使い方は? といった話をしたのだった。  ある方は、「文章を書くには数時間まとめてそれに費やす必要がある」と言っていた。  ただ、私自身の、最近目標としているのは、一日それほど長い時間でなくとも文章を書ける . . . 本文を読む

久しぶりの再会&68年を考える

2010年07月11日 | 研究生活
   私がアルチュセールのイデオロギー論文「イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置」の草稿である『再生産について』の翻訳に参加させていただいたことは、この場で何回か話をさせていただいた。 再生産について 上 イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置 (平凡社ライブラリー)クリエーター情報なし平凡社  で、昨晩は、その翻訳に参加した西川長夫先生、伊吹浩一さん、大中一彌さん、山家歩さん、それから平凡 . . . 本文を読む

アロンとマルクス

2010年07月06日 | 読書
 レイモン・アロンとマルクス主義との関係を見ると、かれの立場が微妙なものだったことがわかる。  かつて彼は、マルクス主義者であり、ケルンへの留学も、マルクス研究のためだったらしい。彼の回想録(Le Spectateur engagé)では、この独留学はエコール・ノルマルの伝統の一部だった的なことが述べられているが、Le Marxisme de Marxの編者によると、アロンは生涯をかけてマルクス . . . 本文を読む

休日の使い方

2010年07月05日 | 研究生活
 ここのところ言語についてのエントリーが続いていたので、今日は別の話を。  といってもたいした話ではなく、休日の使い方の話。  文系の研究をしている人間にとって、休日というのは、休みであって休みでない微妙な日だと思う。言い方を変えると、休むだけではだめで、でも他方で、休むのも大事だったりする。  私は最近は週末に友人の仏人に日本語を教えていて、そういう意味で休日のある部分のスケジュールはかな . . . 本文を読む