a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

論文を書く:格差問題の一側面

2006年12月28日 | 社会問題
 「論文を書く」とタイトルがあるが、これは私のことではない。留学時代の友人A(仏人)の話。  この彼、非常に気さくな性格で、人間的にもやさしいし親切。彼との関係が続いたのも、ひとえに彼のその人間性のおかげ。が、しかし、そうした「人間性」と学業は別物で、学業面に関しては……。  このAは、日本学科のmaitrise(現在のシステムだとmaster1)の学生で、私は彼といわゆるechangeをして . . . 本文を読む

寂しいクリスマスの記憶(^^;:再up

2006年12月27日 | etc.
 最近パソコンが故障で、久しぶりのエントリー。パソコンが故障しているので新しいエントリーをする時間もあまりなく、以下は、昨年の12月に掲載したエントリーの再アップ。海外生活で、この時期にした経験の話。 ---------------------------------------------  世の中クリスマスイブです。ですよね?  でも、はっきり言うと、このクリスマスに私は良い思い出があり . . . 本文を読む

悲しい休みの記憶:旅行しなかった記

2006年12月26日 | 研究生活
 冬休みにやっと入ったところ、この時期になると、私は自分の留学のことをなんとなく思い出す。 ヨーロッパに留学すると、バカンスや休日のメーンイベントとしてあるのが、やはり旅行。EUのおかげで国境がなくなったため、比較的簡単に各国を回ることが出来る。だから、もし海外でこれを読む人がいた場合、滞在期間中は、出来るだけいろいろなところを回って様々な見聞をした方が良いかもしれない。  ……が、私はそうし . . . 本文を読む

気になる本:レイモン・アロン Spectateur Engage

2006年12月08日 | 読書
 まだ本格的に読んではいないものの、手に取ってみて、気になった本を紹介します。今日は、レイモン・アロンのLe Spectateur engag?。  タイトルを和訳すれば、『投げ出された傍観者[目撃者]』ぐらいの意味。Amazon.Frで注文したのだが、当初はアロンが、「人間というのは世界に対して投企されてある傍観者なのだ」という話をしているのかと、考えていたのですが、実際には、彼が自らのインテ . . . 本文を読む

植民地主義の問題

2006年12月06日 | 社会問題
 植民地主義の孕む問題というのは、過去の問題ではなく、昨今のグローバル化においてこそ、再検討されねばならない。こうした点は、現在の日本ではどの程度認識されているだろうか? あまり認識されていない印象が、私個人としてはあるが、どうであろうか?  しかし、例えば、ドイツにお住まいのpfaelzerweinさんのblogでは、ブレア首相の「植民地に対する反省」の記事が紹介されている(こちら)。こんなと . . . 本文を読む

「西川長夫」について

2006年12月05日 | 読書
 最近、西川長夫先生の新刊、『〈新〉植民地主義論』を検索してこのblogにたどり着く人が多いようだが、なぜだろう? (講義のレポート課題などになっているのだろうか?)。ちなみに、件の著作は以下。 〈新〉植民地主義論 グローバル化時代の植民地主義を問う平凡社このアイテムの詳細を見る  なお、この西川先生、今週末に中央大学のシンポジウムで講演をする模様。シンポジウムは、「グローバル化とクレオール化 . . . 本文を読む

現代思想か? 社会科学か?

2006年12月04日 | 理論
 現代思想的な用語や研究について、私には、ある種の周期のようなものがある。ある時期には哲学的な議論が好みであったり、あるいは現代思想的な用語を無性に使いたくなることがある(同時に、そうした時期には、現代思想的な用語に置いて議論を立てることが、社会的に意義があるように思われたりする)。また別の時期には、例えばデリダの(に関する)議論などを聞くと、「そんな『衒学的なこと』を言っているだけで意義があるの . . . 本文を読む