a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

語学について

2005年12月31日 | 研究生活
 このブログでは、あまり語学について語るつもりはなかったのだが、前のエントリーとの関連で、私の語学観について少し説明を。元来、過度に凝り性な為か、昨今語学についても変なこだわりを発揮してしまっているように思われる。  さて、海外に行った際に私が身につけた語学観なのだが、一番大事なのは、「忘れることを恐れるな」という事だろうか? 一度覚えたことを忘れまい忘れまいと気にするあまり、会話などで詰まって . . . 本文を読む

気になる本 その4&語学について:ラテン文法表

2005年12月31日 | 読書
 この年の瀬に、アマゾンで注文していた本が到着。かなり以前に注文していたものなのだが、すっかり忘れていた。そして、頼んだ本の中に、インデックス式 ラテン文法表を発見。これがまた、間の悪い話なのだ。  アルチュセールの社会理論を中心に研究を進めている(と目されている)私だが、そのアルチュセールがスピノザにも多々言及することが多い為、「一応」、スピノザも読んではいる。また、近年『帝国』や『マルチチュ . . . 本文を読む

差異、文化的アイデンティティ;賭金、議論、政治:気になる本その3

2005年12月25日 | 読書
  私が気になる本をあげてゆく企画です。といっても、あくまで「気になる本」なので、まだ「読んでいない」ことをご承知おきを。さて、今回はMichel Wieviorkaによる、La difference : Identites culturelles : enjeux, debats et politiquesです(アクサンは落としてある:リンクでアマゾン・フランスへ)。  さて、このMichel . . . 本文を読む

寂しいクリスマスの記憶(^^;

2005年12月24日 | etc.
 世の中クリスマスイブです。ですよね?  でも、はっきり言うと、このクリスマスに私は良い思い出がありませんで、、、(T^T)。というのは、以前、研究のために滞在していた仏で、寂しいクリスマスを過ごしたからです。  私は仏のとある地方都市の大学院へ留学したのですが、その都市は、地方なためほとんど外国人がおりませんでした。というか、ある講義では、参加している学生のうち、非白人の学生が外国人である私 . . . 本文を読む

『砂と霧の家』

2005年12月24日 | 映画
 映画『砂と霧の家』を見た。例のごとく、ストーリーは粉川哲夫氏による批評を見て頂きたい(リンクからジャンプ出来ます)。彼の、秀逸な批評では、次のようにある。 「原作は、1999年に出版されたアンドレ・デェビュース三世の同名の原作であり、父親に死なれ、夫とも別居したばかりの女性キャシー(ジェニファー・コネリー)と、ホメイニのイラン革命で祖国を追われてアメリカに亡命したベラーニ元大佐(ベン・キングス . . . 本文を読む

久しぶりの発表&忘年会

2005年12月21日 | 研究生活
 先週の土曜日に、ある研究会で私が翻訳に参加させて頂いた『再生産について?イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置』について発表を行う。その後忘年会に参加。発表、というよりも文献報告で、内容そのものはお粗末なものだったのだが、皆さんが集まって忘年会を開く機会になったようで、少しはお役に立てた模様。佐藤俊樹さんも来られていた。  その後、月曜に博論の発表があったのだが、こちらは悲惨な結果であった。た . . . 本文を読む

気になる本:ラテン広文典

2005年12月13日 | 読書
 気になる本について、私見を述べるという企画。今回は、『ラテン広文典』について。それと同時に、「語学」についても触れてみたい。  私は、ラテン語は初級文法を少しだけやったのみ。元来、思想系の研究を旨としつつも、専攻が社会学なため、ラテン語や古代ギリシャ語の必要性は、はなはだ低い(というか、そこまで手が回らない)。現在鋭意努力している語学は、独語と仏語なのだが、これとて何処まで社会学の中で役立つか . . . 本文を読む

デュルケム社会学再考:気になる本、その2 La sociologie de Durkheim

2005年12月11日 | 読書
 私はデュルケム研究の専門家ではないのだが、ただ、現在の日本の社会学におけるデュルケム像には、少々違和感をもってきた。その主たるものが、前のブログにも述べたライシテの伝統、あるいは、中間集団を排除する仏的伝統の文脈で見た場合の『分業論』の性格についてである。そして、この点について、La sociologie de Durkheimは、非常に参考になる知見を与えてくれる。  例えば、「分業論」は、 . . . 本文を読む

『Lost in Translation』:続き

2005年12月08日 | 映画
 ちょっと気になったことがあったので、『Lost in Translation』について続けます。  ここで描いている「孤独」について、「こんな(金持ち外国人が感じる)『孤独』なんて、どこが孤独なんだ。東京で生活している外国人が現実に感じている〈孤独〉は、こんなものではない」という考えも可能だろう。実際、この映画の主な舞台になっている場所は、パークハイアットである。それに対して、例えば、就労目的 . . . 本文を読む

『Lost in Translation』

2005年12月08日 | 映画
 ソフィア・コッポラ監督の『Lost in Translation』をDVDで見る。実は、Amazon.frで本を注文していたのだが、それと一緒にこの映画のDVDを注文していたから。よって、見たのは仏語バージョン。  注文した本の方は、今回は前々回話をしたトゥレーヌとルノーのライシテに関する対談本と、エスタブレのもの。アルチュセールの弟子にあたる人間の中で、一番社会学らしい仕事をしているのは、こ . . . 本文を読む

映画『LOVERS』

2005年12月06日 | 映画
 かなり前なのだが、チャン・イーモー監督の「LOVERS』を見たので、それについて感想を。映画そのものについては、個人的には、「面白い」映画ではないかと思われた。チャン・イーモーの作品は『hero』しか見ていなかったのだが、それと同様、映像美が優れて秀逸な映画。  他方で、個人的には、プロットもそれなりにしっかりしていて、それが映像美とうまくマッチしていると思われた。プロットに関して言えば、大局 . . . 本文を読む

気になる本:Un debat sur la laicite

2005年12月05日 | 読書
 まだ読んでいないが「気になっている本」という形で、いろいろな本を紹介してゆきたい。というのも、この形だと、読まなくてもその本について触れられるから(笑)。いや、実のところ、読んでから本について書くというのは、なかなか時間がかかるし、そして、私は読んだ本の説明をし始めると止まらなくなってしまう性格。それよりは、「こういう本がある」という「情報」を伝える目的で、「気になっている本の紹介」をできればと . . . 本文を読む

消費文化考

2005年12月02日 | etc.
 一昨日、久しぶりに百貨店などを回ってみる。背負えるバッグで何か良いものはないかと物色したのだが、なかなか良いものが見つからず。それから冬物の服も見て回ったのだが、それなりに良い服はあるのだが、なかなか値段が……。「もっと収入があれば」と考える(苦笑)。  現在の自分のODという立場を考えるにつけ、「頑張ってお金を稼がねば」(=ポストを得ねば)と思ったのは、収穫と言うべきか(笑)。元来、物欲があ . . . 本文を読む