前回のエントリーでは、私の報告の意図が、ある研究会では、あまり理解してもらえなかった話をした。
が、私はそれは否定的に捉えていなくて、むしろよい経験だと考えている。
自分の報告の内容が理解してもらえなかった場合、それは自分の文章表現に問題があったりして、それがうまく伝わらなかったことを知る良い機会になる。また、ごくまれなことだろうが、自分の意図が伝わらなかったのは、それだけ新しい問題に取 . . . 本文を読む
先週の研究会では、アルチュセールとマルクスの現代的意義について報告させていただいた。
主題そのものとしては、すでにいくつかの研究会の場で報告した物だったが、その研究会の場は、大先生達が集まっている場で、その先生方達が若い頃に触れたであろうマルクス主義が今再び注目されていることに、どういった意見を持っているのか、しる良い機会になった。
ちなみに、その報告の際には、なぜ再びマルクスが取り上げ . . . 本文を読む
私は最近、出身大学院の指導教官だった先生が主催する研究会に参加させていただいている。主催している先生が著名な先生であり、参加している先生方も大御所の先生が多く、研究会での議論だけでなく、その後の会話でも非常に勉強になる話を伺うことができる。
これは少し前の話になるのだが、蔵書の寄贈について話題になったことがあった。昨今の大学図書館は、所蔵書の増加に伴って、場所の問題から、そうした寄贈を受け . . . 本文を読む
前回の話の続きを書く前に、先日の日曜に学会で報告をしてきた時の話を。
私自身の報告は、日本から世界に社会学を発信する際に、概念の相違をいかに考えるべきかを、仏語のsociété概念と、日本語の社会概念を比較検討することで、検討しようというもの。
ただ、後者の日本における社会概念の系譜は、私自身の力では追いきれるものではないので、飯田泰三の『批判的精神の航跡』における吉 . . . 本文を読む
ある新聞のサイトを見ていたら、社会学者のウルリッヒ・ベックの訃報記事が載っていた。
訃報:ウルリヒ・ベックさん70歳=独社会学者
言うまでも無いが、彼の主著は、『リスク社会』である。
危険社会―新しい近代への道 (叢書・ウニベルシタス)クリエーター情報なし法政大学出版局
研究会で同席させていただいている川端さんが翻訳したのが以下の著作。
世界内政のニュース (叢書・ウニベルシタス)ベ . . . 本文を読む
前々回のエントリーで、お世話になった先生や先輩方とお会いさせていただく機会があった話をした。
その際、いろいろな話をさせていただいたが、主な話題になったのは欧文(主に英文)で論文を書くことの難しさだった。欧文で論文を書く場合、日本のコンテクストと距離を取って書く必要があることを、先生方が強調していた。
私の場合、欧文で書くというと仏文なのだが(英語の要旨を書く場合も、私は先に仏文で書き、 . . . 本文を読む
先日は、ある集まりで、以前お世話になった先生や先輩、長らく会っていなかった同期や後輩と会う機会があり、非常に貴重な機会だった。
まあ、自分の身分が相変わらずなことを感じる機会でもあったのだが(苦笑)、ただ、私は個人的には、「そういったことにめげずに研究を続けていくことが重要」と考えているので。
さて、そこでの話題は、日本の社会学を海外にいかに発信して行くか?
これに関して、日本の中の . . . 本文を読む
先週の金曜日は、立命館大学で現在開催中の連続講座「西川長夫:業績とその批判的検討」(こちら)の第二回「国家のイデオロギー装置と大学」に報告者として参加してきたが、その後にコメンテータ、司会の高橋秀寿先生、また西先生とご一緒させていただいた。
公演中に話した、「『甦るマルクス』が、かつては古本屋で2万円で売っていた」というエピソードがおもしろかったと言っていただいた。また西川先生と共訳させてい . . . 本文を読む
先週の金曜日は、立命館大学で現在開催中の連続講座「西川長夫:業績とその批判的検討」(こちら)の第二回「国家のイデオロギー装置と大学」に報告者として参加してきた。
それなりの数の方に聞きに来ていただいて、大変ありがたかった。また、西川先生と一緒に訳させていただいた『再生産について 上 イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置 (平凡社ライブラリー)』刊行を機会に、交流させていただいた橋口さんや番 . . . 本文を読む
この前の日曜日は、いつもの研究会で報告をさせていただいた。思いの外、高い評価を頂き、また今後の研究を進める上でも有益なコメントを頂いた。
で、今週金曜日は立命館大学で、西川長夫先生の業績とその批判的検討という主題で、連続講演の第二回目を担当させていただく。以下はそのポスターである(再掲)。先週の第一回は、盛況で予想以上の参加者だったとのこと。これは、自分の回でどうなるか緊張。
内容は、ア . . . 本文を読む
もう一ヶ月近くたってしまったが、先月、ある学会で報告をさせていただいた。
主題は仏の五月革命が、現代の社会のあり方にいかに影響を及ぼしているか。オーディエンスの方からは、非常に有益な質問&コメントをいただき、非常に勉強になった。実を言うと、久しぶりの学会での報告だったのだが、やはりこういう場の大切さを痛感したのだった。
なお、仏の五月革命については、アルチュセールの翻訳を一緒にさせていた . . . 本文を読む
以前、通勤時間(特に電車の中時間)の私の使い方の話をした。まあ、無駄な時間を少しでも減らす目的で、あまり重くない本を読むことが多い。
それから、洋書を読むことも多い。ただし、辞書片手にである。私程度の語学力だと、仏語でも英語でも知らない単語は必ず出てくる (^_^;)。まあ、知らない単語が出てきても、「こんな感じの意味だろうな~」ぐらいの読みはできるので、おおざっぱで良ければ辞書なしでも読め . . . 本文を読む
ラジオ(podcast)を聞いていたら、偶然トゥレーヌのインタビュー番組を聞くことに。以下のサイトでも聞ける(仏語)。
アラン・トゥレーヌのインタビュー(仏語)
まず驚いたのが、現在88歳なのにものすごくしっかりした声と思考だった。まあ、むろん、問題設定が古いところもあるのだが、他方で第二次大戦直後のエコール・ノルマルの様子、またそこで知り合うアルチュセールの話などが興味深かった。
ト . . . 本文を読む
もう年末が近づいていて、改めて一年が過ぎるのが早いことを実感する。
先週のことだが、研究会で忘年会があったので、そのときの話を。
と言っても、まずは反省から……。
私は酒に「強い」こともあり、勢い、そういう場になると結構な量を飲んでしまう。自分で量をコントロールできればよいのだが、それができないのが問題。今回も様々な意味で反省するところも……。
ただ、それとは別に、2014年は横 . . . 本文を読む